放射線治療科

特徴

放射線治療科にはリニアック3台、高線量率イリジウムラルス1台、脳定位照射システム、前立腺シード治療システムが配備されています。この内リニアックの1台にはCTが同室に設置され定位放射線照射やIMRTなど高精度の治療の実施に用いられています。またリニアック1台は今年度、最新の装置(True Beam)に更新しました。 一方すべての診療情報は電子化され、フィルムレス、ペーパーレスの環境で診療を行っています。診療に必要な患者さんのすべての情報は効率よく把握され、治療計画や経過観察に生かされます。また放射線治療情報(照射野や線量など)も電子カルテ上で確認することができ、各診療科とのスムーズな情報交換が可能となります。
1日の仕事は陽子線治療科と共同の毎朝のミーティングにおける症例検討から始まります。毎日5~10名の初診患者の診察にあたり1日120~130名の患者を治療しています。この患者数は全国的にもトップ10に挙げられ、放射線治療の適応となる殆どすべての疾患を経験することができます。
治療方針は各診療科とのカンファレンスを中心に協議され、ガイドラインに基づき決定されます。疾患によって放射線治療と手術とが同等の治療効果が得られると考えられる場合には、複数の治療の説明を受けた患者さんの選択に基づいて治療が行われます。一例を挙げるとわが国では多くの施設で手術の対象とされている早期の子宮頸癌はこの方針で臨み、今までのところ放射線治療は手術とほぼ同じ治療成績が得られています。
放射線治療には医師、放射線技師、医学物理士、看護師などによるチーム医療が欠かせません。これらのスタッフが連携を取りながら、患者さんと心の通う医療を目指しています。

カリキュラム

放射線腫瘍学(放射線治療科、陽子線治療科)において、各診療科との連携のもとに幅広い知識とスキルを持つ腫瘍医の育成を目指します。放射線治療においては放射線治療の適応の決定、治療計画、小線源治療の手技、治療後の経過観察など全般を研修し、放射線治療専門医の取得を目標にします。

疾患・手術内容

平成23年度放射線治療新規患者数 1,314例(陽子線治療も含む)
疾患の内訳…肺癌 316例、泌尿器 232例、乳癌 202 例、頭頸部 126例、食道97例、婦人科84例、肝胆膵 48例など
特殊治療 …全身照射 9例、定位放射線照射 71例(脳48、体幹部23)、IMRT 17、小線源治療54例(高線量率腔内照射 44例、高線量率組織内照射 1例、前立腺シート治療 9例)

専攻科

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