感染症内科

特徴

【当科が目指すフェロー像】
感染症内科医が担う仕事は症例のコンサルテーションから感染症対策、研修医教育など幅が広いことが特徴です。目の前の患者を見る視点、病院全体を見る視点を併せ持つバランスのよい医師が求められています。静岡がんセンター感染症内科のフェローの目指す姿は、①問診・身体所見を大切にし、丁寧に鑑別診断を行う、②微生物についての知識を身につける、③多科とのコミュニケーション能力を磨く、すなわち人を動かし信頼を得るスキルを身につける、④まだ見たことのない疾患、判断に迷う場合の考え方、リスクマネジメント、解決へ導く力をつける、⑤研修医やスタッフを指導する能力、⑥臨床研究ができるようになる、⑦院内感染対策のリーダーシップを取れることです。メンバー全員が若手であり、これから静岡がんセンターの診療や対策、国全体の対策をみんなで熱く語り合い、時に悩みを共有しながら診療できるとても楽しい雰囲気の科で有りたいと考えています。
【専門医について】
当院は感染症専門医資格を有する暫定指導医が所属します。よって当院で3年間の修練を積めば、同学会の専門医試験の受験要件を満たします。
詳しくはhttps://www.kansensho.or.jp/ を御覧ください。

カリキュラム

【当科のトレーニングの特色】  
静岡がんセンター感染症フェローシップは2005年4月に始まりました。これまでの卒業生は日本各地で感染症のリーダーとして活躍しています。
フェローは卒後5年目以降の内科についてある程度の知識と経験を持つ医師を中心に募集を行なっています。ただし2013年度から6ヶ月コース1年コースも開設しました。短期間でもがん患者の感染症について学びたい方についてもご相談しながら受け入れを行なっております。
プログラムについては以下の通りです。
1.コンサルテーションが主な業務です。当院は外科術後の感染症、免疫不全の感染症が多いのが特徴です。当科では12ヶ月間で約1000症の新規コンサルトがあります。これは1日あたり約3,6件相当します。外科感染症については日本で一番症例が経験できる病院です。静岡がんセンターで1-2年経験すると、一般の病院に戻り院内感染の症例で困ることはまずありません。
2.毎日MicroRoundを行なっています。これは毎日血液培養陽性例を始め、感染対策が必要な微生物、薬剤感受性が不良な微生物検出について検査技師、感染症内科医師、薬剤師、ICN(感染対策の専門看護師)で情報を共有します。治療法の選択、感染対策の必要性について一例一例、皆で話し合い方針を決定しています。毎朝行うことで迅速な対応が行える点、微生物の知識が得られるメリットがあります。
3.様々な勉強会を行なっています。週2-3回のペースで勉強会、ジャーナルクラブを開いています。はじめは準備するのが大変ですが、回数を重ねることでプレゼンテーション能力やスライド作製、文献検索の力がつきます。またジャーナルクラブでは医療統計学の専門家も参加し、論文の批判的吟味や統計手法について勉強しています。
4.卒業後は感染対策においても独り立ちができるようになります。感染対策はコンサルテーションと異なり病院全体を見渡す視線が必要となります。病棟で感染性疾患発生時の対応、サーベイランスについて日々の経験を通じ学ぶことができます。
5.地域交流・地域での活動を重視しています。感染症医は一病院内での活動に自身の仕事の場を限るべきではなく、地域の要請に応え、リソースとなって貢献する社会的義務があると考えています。地域と共に発展していくのが、当プログラムの目標です。そこで地域の医療者の方々とのネットワーキングを積極的に行い、活動を行っています。他院からの研修受け入れ・セミナー等による地域における研修医の教育にも力を入れています。  
5.感染症医・感染症専門職間のネットワーキングに力を入れています。当院では他院や他県の感染症の先生方と仲が良いのも特徴です。他院の先生をお招きし、お話しを伺うことや、他の感染症の先生がたと一緒に勉強会を運営することも行なっています。感染症専門医といえども苦手な分野はあります。見たことのない疾患を見た場合誰に相談するのか?人とのつながりが多いほどピンチの際に助けてもらえることも多くあります。

【最後に】 当科が理想とするフェロー候補とは: 当科がフェローに期待するのは、『幅広い臨床力とバランスの良さ』です。研修開始時点での臨床感染症に関する専門知識・経験の多寡は一切問いません。感染症に対する臨床疑問を大切にされてきた先生、一生の内数ヶ月~数年どっぷりと感染症診療にはまってみたい先生、自分のやってきたプラクティスが他で通用するのか不安を抱えてきた先生、共に研修し悩みましょう。そして未来を作り上げて行きましょう。楽しく研修できるのが一番です。まずは見学に来てください。

https://www.kansensho.or.jp/

専攻科

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