乳腺外科

特徴

乳癌の術前診断から標準的治療について、多診療科(生理診断科、女性内科、乳がん集学治療科、形成外科、放射線治療科、病理診断科)とのカンファレンスを交えながら系統的に実践し学ぶことができます。さらに、多施設共同試験への積極的参加を行い、新たなエビデンスの構築を目指しています。転移・再発例では、整形外科、脳神経外科、緩和医療科などとの連携が非常にスムーズで、気軽に各エキスパートの診療を受けることができますし、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床心理士、MSW、CLS(child life specialist)など多職種のスタッフが患者さんとその家族を全力で支援するという当院の特徴は、乳がん診療では特に力を発揮しています。
これから乳癌治療に携わりたい方、現在携わっていて更に知識、技術を深めたい方でやる気がある方は大歓迎です。選択コースによっては、上記各科のローテーションも可能です。我々と一緒によりよい(チーム)医療を目指していきましょう。

カリキュラム

乳腺の画像診断、針生検
生理検査科の医師が乳腺の診断に専従しており、MMG(デジタルマンモグラフィ、トモシンセシス)、USのほか、手術症例はほぼ全例MRIを施行し、組織型推定や広がり診断等を行っています。 穿刺吸引細胞診、USガイド下針生検、ステレオガイド下マンモトーム、USガイド下マンモトームについても、正確かつ確実な手技を学べます。

乳腺疾患に対する適切な手術の選択と実施
年間手術総数は約350件、原発性乳癌手術症例は年間300例を超えています。詳細な術前画像診断に基づき、個々の患者さんに合った術式を選択しています。標準的な腋窩郭清手技のほか、センチネルリンパ節生検(併用法)や郭清縮小なども重要な手技です。形成外科ともカンファレンスを行い、乳房再建も近年増加しています。

乳腺病理
針生検、手術標本の病理診断はWHO基準と乳癌取扱規約に則り、詳細かつ迅速に診断されています。毎週、術後カンファレンスがあり、乳腺病理や画像病理対比を重視しています。

術前・術後薬物療法/進行・再発治療
薬物療法は乳腺外科・乳がん集学治療科・女性内科で行っています。乳腺キャンサーボードでは、乳腺に特化した腫瘍内科である女性内科の意見をききながら、再発・進行症例への対応の仕方の基本的考え方について履修できます。

研究活動
県内の研究会では軸となって活動しており、国内・海外の学会参加も積極的に行っています。多施設共同試験や企業治験への参加にも力を入れています。

疾患・手術内容

2013年総手術数 350例 原発性乳癌初回手術 321例 乳房温存164例、センチネルリンパ節生検施行例 233例、術前化学療法 69例、 乳房切除時の同時再建(ティッシュエキスパンダー挿入) 36例

専攻科

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