事務局の活動
(P222-244)
総括
事務局長 堀川 俊
事務局のあゆみ
(1) 組織
静岡がんセンターは、マネジメントセンター、病院、疾病管理センター、研究所、そして事務局の五つの部門から組織されています。
開院当初、事務局は病院に属する部門として位置付けられていました。当時の事務局は、総務課と医療情報課の二つの課のみで構成されていましたが、翌2003年4月に、総務課から分離する形で管理課が新設され、総務課、管理課および医療情報課の3課体制となりました。
その後、2005年4月の組織改編により、事務局は事務部門として病院から独立し、以後、静岡がんセンターを構成する5部門の一つとして位置付けられています。
2008年4月には、医療情報課が医事課と情報システム課の2課に分かれ、総務課、管理課、医事課および情報システム課の4課体制となり、現在に至っています。
(2) 職員
事務局では、常勤職員42名、会計年度任用職員88名、合計130名(2022年4月時点)の職員が働いています。開院当初は、常勤職員39名、非常勤職員4名、合計43名(2003年4月時点)でしたので、現在の職員数はこの20年間で約3倍に増えています。
また、センター職員とは別に、医療事務、SPD業務、警備・案内業務など、外注で業務を委託等している事業者22社の職員625名(2022年12月時点)が働いており、合わせて約760名の職員が事務局の一員として、当センターの業務を支えています。
現在の状況
事務局は、当センターを構成する5部門に関する事務全般を執行する部門です。事務局長、事務局次長の下、前述の総務課、管理課、医事課および情報システム課の4課で組織されています。
定例的な業務としては、総務課は職員の勤務状況管理、給与支給事務、職員採用および臨床研究・企業治験等に関する業務を、管理課は経理事務、施設の維持管理、物品等の購入、業務委託に係る業務を担っています。また、医事課は診療の受付窓口、診療報酬の請求等に係る業務を、そして、情報システム課は電子カルテや医事会計など病院情報システムの運営、維持管理に係る業務を担っています。
また、これら定例的な業務のほか、事務局では、①院内保育所の運営、②慰霊祭の開催、③施設の整備などの当センターにとって重要な事業を執行してきました。
(1)院内保育所の運営
院内保育所の運営では、2002年8月に院内保育所を開設して以来、現在は生後8週間経過から小学校入学前までの乳幼児・未就学児を対象に、365日24時間
の保育を行っています。2007年度には園舎を増築、また、2016年度には園舎を
新築し、定員を130名まで増員するなど、施設や利用環境の充実を図ってきました。院内保育所の充実は、職員の就業支援として、看護職員をはじめとする医療従事者の確保・定着にも大きく寄与しています。
(2)慰霊祭の開催
慰霊祭の開催は、静岡がんセンターにとって大切な行事です。当院で亡くなられた患者さんのご家族をお招きして慰霊祭を毎年開催しています。慰霊祭は、2004年3月に第1回目が挙行されて以来2022年9月まで、計32回執り行い、当院でご逝去された患者さん20,268名の御霊に対し、ご冥福を祈念しました。新型コロナウイルス感染症対策のため、2020年以降、ご家族は代表者のみの参加としておりますが、例年ですと毎回約300名のご家族が参加され、故人を偲んでいただく場となっています。
(3)施設の整備
大規模な施設整備事業としては、建物の建設工事や改修工事が挙げられます。静岡がんセンターの敷地内には、主な建物として、病院本棟(地上11階、地下1階)、緩和ケア別棟(地上2 階)、陽子線治療棟(地上4階)、研究所(地上4階)、管理棟(地下1階、地上4階)、エネルギーセンター(地上3階)、放射線治療棟(地上1階)があります。
病院本棟、緩和ケア別棟、陽子線治療棟、エネルギーセンターは1997−2001年度の事業として工事が進められ、開院前の2002年3月に完成しました。
また、研究所の建物は、2003− 2005年度の事業として、開院から3年後の2005年10月に工事が完了し、同年11月に研究所開所式を行っています。
ほどなく、がんセンター事業が順調に進捗する中、診療機能の強化、執務スペースや駐車場の確保などの課題が生じました。これに対応するため、管理棟の建設、病院本棟の改修、外来立体駐車場の建築などが相次いで計画されました。
管理棟建設は、2007−2009年度の事業として計画され、2009年9月に工事が完了しました。管理棟の3階には、センターの幹部室、マネジメントセンターおよび事務局を配置し、静岡がんセンターの中枢機能を集めたほか、1階・2階には医局を配置しています。一方、病院本棟の改修は2012年3月に工事が完了し、通院治療センターなどの機能の充実が図られました。
なお、駐車場については、2007年5月に東名北側駐車場、2009年4月に外来立体駐車場が完成しています。
さらに、現在は2024年度中の完成を目指し、患者利便施設(仮称)建設工事事業を進めているところです。民間の保険薬局を誘致し、外来薬剤業務を外注化することで患者さんの薬剤交付までの待ち時間を短縮するとともに、病院本棟内の診療機能の充実を図ることとしています。
未来に向けて
静岡がんセンターは、1日あたり、外来、入院合わせて約2,000名もの患者さんを診療する大きな病院です。また、当センターでは、委託職員を含めて約2,250名の職員が働いています。患者さんのご家族なども大勢来院されますので、1日に5,000名を超える人々が滞在する施設となっています。この施設を将来にわたり適切に運営していくことが事務局の責務であると考えています。
今後も、「がんを上手に治す」「患者さんと家族を徹底支援する」「成長と進化を継続する」、これら静岡がんセンターの理念に基づき、事務局一同行動していきます。
部門
総務課長 鶴見 健一
総務課のあゆみ
2002年9月の開院当初、総務課は総務係・施設管理スタッフ・物品管理スタッフの三つの係等の体制で業務を開始し、2003年4月に施設管理スタッフ・物品管理スタッフは新たに置かれた管理課に移管され、総務課は総務係・移管を受けた企画スタッフの2業務体制になりました。2006 年4月には新たに研究・研修スタッフが置かれ、2019年度まで同じ体制で業務を行ってきました。2020年4月に研修業務の分掌を見直し、研究・研修班を研究推進班として現在に至っています。
3班の業務は、総務班は職員の倫理保持の推進、給与手当の支払い、健康診断の実施など、企画人材班は医師をはじめとした病院職員の採用・退職、院内教育研修の実施など、研究推進班は臨床研究の推進・支援に関し各倫理審査委員会事務局業務、厚労科研費・外部資金等の予算・経理事務、治験管理委員会等の委員会の運営などを行っています。
また、医局に22人の医局秘書・診療科秘書を配置して、医師の出張等スケジュール管理、会議資料の収集、患者データの等の入力補助、郵便物・宅配物の収受など各秘書が医師業務の円滑な推進に努めています。
総務課職員は、患者さんと直接接する機会は少ないですが、医師・看護師などの様々な医療従事者が業務を円滑に行えるよう日々励んでいます。
現在の状況
(1)総務班
総務班長 原田 裕己
静岡がんセンター職員は、高度な専門医療を担う地方公共団体の機関の公務員として職業倫理や行為規範が求められるため、新規採用職員研修をはじめ各種の許可や届出手続等を通じて職員の倫理保持に努めています。また、職員の勤務条件に基づく給料、各種手当、旅費の支給に務め、例えば、2012年9月に夜勤が多い看護師の負担を考慮した夜間看護等手当を増額する等、現場の実状に合った手当の創設、支給を心掛けています。
休暇制度では、年次有給休暇の他、特別休暇、介護休暇等の取得手続の周知、職員からの相談に応じ、近年では制度内容が充実してきた育児休業制度の利用が多くなっています。職員の健康管理では、衛生委員会の指導の下、毎年の定期健康診断、業務に応じた特別健康診断、感染対策のための抗体検査(B型肝炎)と予防接種(インフルエンザ等)を実施しています。
ハラスメント対策では、ハラスメント対策委員会等による体制を整え、相談、調査等を行っています。
メンタルヘルスの取り組みでは、「メンタルヘルスサポートシステム」を構築して、仕事上の悩み、職場や家庭での人間関係、ストレス等の様々な相談に応じ、産業医や外部専門機関のカウンセリングにつなげています。 福利厚生面では、院内保育所を開院時から設置していましたが、2016年7月に職員数の増加等に対応するために新設し、子育て中の職員が安心して働くための支援をしています。
(2)企画人材班
企画人材班長 望月 和浩
企画人材班では、医師、看護師をはじめとする病院職員や、研究所の研究員の採用事務を行っています。職員数は、2002年4月に653名でスタートし、同年9月に924名で開院を迎え、その後、病床数・患者数の増加や、また、医療安全やゲノム医療など個々の課題に対応するために増員し、2022年4月時点で2,250人となっています。
この間、職員を確保するために、積極的な採用活動のほか、医師・歯科医師レジデント(修了者415名)や多職種レジデント(同61名)の採用や、看護師確保のためのリクルーター配置(2008年〜)など、様々な取り組みを行ってきました。
また、2012年4月に慶應義塾大学医学部・大学院医学研究科と連携協定し、当センターに勤務しながら博士学位を取得できる連携大学院制度を創設(他大学との同制度を含めて学位取得者19名)するなど、採用後の職員の能力・技術を高める取り組みにも力を入れてきました。
(3)研究推進班
研究推進班長 後藤 克規
次のような臨床研究の支援に関する業務を行っています。
・臨床研究の実施に関して審査を行う倫理審査委員会の事務局業務(臨床研究 倫理審査委員会、探索研究倫理審査委員会、企業治験倫理審査委員会、認定 臨床研究審査委員会等)
・その他研究に係る委員会の事務局業務(共同・受託研究審査委員会、職務発 明等審査委員会等)
・センターで行う研究に係る企業等との調整、契約業務
・研究所の運営に関し、予算の調整、関係部署間の調整、研究所関係委員会の 運営業務
・AMED、文科科研費等、外部資金に係る申請、予算管理業務等 また、倫理審査委員会事務局として、遵守すべき法・指針に則り委員会審査を継続して行うための体制整備を重点的に取り組んでいます。
未来に向けて
(1)総務班
公営企業の職員として、高い使命感、倫理観を持って職務に取り組めるように、職場環境を整えて職員への様々な支援を継続していきます。近年、過度な時間外労働が社会的に問題になっていることから、職員には継続的に時間外労働に対する意識を啓発し、問題の発生防止に努めます。また、職員が職務に専念するためには仕事と生活との調和が必要不可欠なため、既に導入されている子育てや介護等の休暇・休業制度の周知、利用の促進を図り、働きやすい職場環境づくりに努めます。職員の心の健康面では、ストレス・チェック等を継続して高ストレスの職員が早期に医師等と面談ができるようにし、長期離脱者の発生防止に努めます。併せて、多様化するハラスメント対策にも継続して取り組みます。今後は、職員の総合的な相談窓口として、職員の勤務条件の他、健康面、精神面、生活環境等の問合せや相談にも、的確、迅速な対応ができるように取り組んでいきます。
(2)企画人材班
今後も、当センターが引き続き本県がん対策の中核を担っていくために、がん医療を取り巻く環境の変化を注視し、社会的要請に応じて必要な医療スタッフの確保に努めていきます。
(3)研究推進班
専門知識を持った人材を確保するとともに、各職員が、業務に必要な知識・経験を得る努力を継続することを目標とします。
管理課長 鈴木 貢
管理課のあゆみ
開院当初、管理課はまだ事務局内に存在せず、総務課内に施設管理スタッフと物品管理スタッフとして配置されていました。翌2003年度になって、総務係から分割・独立した経理係と、施設管理係および物品管理係の計3係体制から成る管理課が設置されました。2004年度には、1年間の時限措置で課内に研究所整備スタッフが置かれました。その後、2010年度の班制導入を経て現在に至っています。経理班は予算、決算等の会計事務、施設管理班は施設、設備の適正で効率的な管理運営、物品管理班は医療機器ほか院内で使用される物品の購入や保守管理を行っています。
総務課が主として「人ひと」に関わる業務を所管しているとすれば、管理課は静岡がんセンターのあらゆる場面における「物もの」に関わる業務を所管しているといえます。
20周年を迎えるに当たり、当時を振り返ると、9月の開院まで、年度当初からの約5カ月で薬品、診療材料、什器、医療機器、その他消耗品を揃えるため、深夜まで入札事務、搬入日の確定等を行い、全てが揃い、無事、開院日を迎えられた時は、安堵感とやりきった充実感をスタッフ全員で分かち合ったことが思い出されます。また、清掃、警備等施設内のあらゆる運用について、一から決めなければならず、スタッフ、委託業者、コンサルタントと右往左往しながら話し合ったことも懐かしい思い出です。
現在の状況
(1)経理班
経理班長 長谷川 進
経理班は、地方公営企業である静岡がんセンター全体の予算・決算のほか、各種会計書類の審査等を行っています。特に毎年11 〜 1月の新年度予算編成時期は、県財政当局との予算協議のために、担当者が県庁に常駐して業務を行うなど、非常に多忙となります。経理班がこれまで重点的に取り組んだこととしては、長期収支見込みによる将来的な収支予測、がん医療の向上に資する事業に充てるための静岡県立静岡がんセンター医療基金の設置などがあります。
経理班の業務は、表立って見えるものではありませんが、静岡がんセンターの運営に直接関わるものであることを念頭に置いて業務に取り組んでいます。
(2)施設管理班
施設管理班長 大工原 秀和
施設管理班では、すべての患者さんと医療従事者が、安全・安心のうちに治療に専念できる環境維持、機能確保を目的に、院内に常駐している委託社員等と共に、がんセンターの施設・設備の維持管理や整備を行っています。また、これ以外にも、敷地内の庭園や駐車場、職員住宅の管理など多岐にわたり、縁の下の力持ち的存在として業務に携わっています。
施設管理班の業務は、患者さんや職員の目が直接触れる内容であるものも多く、時に厳しいご意見をいただくこともあります。来院から帰宅まで、出勤から退勤まで、静岡がんセンターに滞在される全ての方にとって心安らぐ空間を提供できるよう、施設・設備の維持管理に努めています。
(3)物品管理班
物品管理班長 才茂 武彦
物品管理班では、薬品、診療材料、医療器械、什器、文具等、院内で使用する多岐にわたる物品の購入、各種委託契約(器械保守、患者給食、検体検査、院内物流等)の締結、執行等を担当しています。病院経営に資するために適正な価格での契約を行い、各部門からの物品供給依頼に対し、SPD(院内物流システム)を通じて迅速かつ的確に対応できるよう心掛けています。
単価数十円の診療材料から、数億円規模の高額医療器械に至るまで、病院における位置付けは異なっても、それぞれの「物もの」が必要な時に必要な場面でその機能を果たすことが何より重要であることを十分理解し、一つ一つの物品が病院全体に及ぼす影響を常に意識して業務に従事しています。
未来に向けて
(1)経理班
厳しい財政事情の中、病院経営に必要な損益勘定留保資金(内部留保資金)の確保が課題となっています。開院から20年間培ってきたがん専門病院としての実績・評価を、これからの静岡がんセンターの歴史の中でさらに積み上げていくために、健全で安定した病院経営を継続していけるよう努力します。
(2)施設管理班
患者さんが安心して治療に専念できるよう、また、職員が安全に業務に従事できるよう、静岡がんセンターの全ての施設や設備の管理に万全を尽くしたいと考えています。開院から20年が経過しているため、様々な場所で劣化も進行していますが、病院運営に支障が生じないことを第一に、今後もより快適な空間となるよう、維持管理や改修を実施していきます。
(3)物品管理班
毎日途切れることなく使用される薬品や診療材料、医療機器など、患者さんの治療に直接関係する物品の供給や保守はもちろんのこと、物品管理班が扱っているあらゆる「物もの」について、関係部門の意見も参考にして、その購入や委託契約のノウハウをさらに積み上げ、契約と執行の両面において、静岡がんセンターの経営に寄与していきたいと考えています。
参事兼医事課長 合戸 あゆみ
医事課のあゆみ
2002年4月、医療情報課医事スタッフとして事務職員3名(11月に1名増員)でスタートし、病院開設許可・使用許可申請と開設届の提出、保険医療機関の承認申請と保険医の届出、施設基準の届出等病院営業に必要な事務手続きと診療業務に関する院内委員会の庶務を務めました。2003年4月部署名が医事係に変更、2008年4月に医療情報課から医事課として独立、以降は医事課医事班として、2022年4月時点で常勤職員5名、会計年度任用職員4名(フルタイム1名、パートタイム3名)で対応しています。各受付や会計、診療報酬請求事務等は開院当初より専門業者に委託しています。
現在の状況
2002年313床で始まり2016年11月全床開床するまでに9回の病院開設許可・使用許可変更申請を行いました。施設基準に係る届出項目は、初年度33項目でしたが、2022年9月には156項目となり、管理も複雑化しています。2015年4月に当院は特定機能病院に承認されましたので、医療法第25条第1項の保健所による立ち入り調査とは別に、同法同条第3項の東海北陸厚生局による立ち入り調査も行われることとなりました。毎年事務局として調書のとりまとめ、当日の進行等を行っています。
医業未収金は2002年からの累計金額は1億円を超えています。新たな医療技術や高額な医薬品等の保険適応により患者負担額は増加傾向ですが、よろず相談との連携による高額療養費制度や医療費の貸付等社会福祉制度の案内、面談、債権回収業者への委託等回収に取り組んでいます。
未来に向けて
病院収入の大半は診療報酬です。診療報酬の安定確保と拡大は病院運営には重要で、その最前線に医事課はあります。一方、医事課には受付や案内等接遇も大切です。患者さんだけでなく、医師、看護師、コメディカル等医療者とのコミュニケーションスキルも必要です。専門職員を中心に、病院経営や医療事務に関する知識、思考力、判断力を培い、コミュニケーションスキルの向上に取り組んでいきます。
情報システム課長 松永 清和
情報システム課のあゆみ
2008年に事務局の組織改正が行われ、病院情報システムの開発、運用管理を担う情報システム課が新設されました。それ以前は、医療情報課として患者受付、会計収納、診療報酬請求等の医事業務も兼務していました。 当院は、「患者さんの視点の重視」という基本理念のもと、多職種チーム医療、病診連携、経営効率化を実現するため、2002年の開院時よりオーダーリングシステムではなく、電子カルテシステムを導入しています。このため、当時としては珍しい紙カルテが存在しない病院となりました。
しかし、先進的であるが故に苦労も多く、開院後も病院運営に合わせてシステムの改修が何度となく実施されました。医療情報課には、その後も医療現場からの改善要望が多く寄せられ、それらがやがて静岡がんセンターが考える「10年先の医療を支える電子カルテシステム」の構想へと結実していきました。
2008年には次期電子カルテシステム構築について企画競争入札を行い、日本アイ・ビー・エム株式会社の提案が採択されました。同年には情報システム課としてシステム開発に専従できる体制が整いましたが、10年先の医療を見据えた理想と現実の差は予想以上に大きく、システム開発は苦難の連続でした。2010年1月に次期電子カルテシステムは稼働を開始しましたが、情報システム課に対する組織の壁を超えた職員の協力があってこその完成でした。
本システムは、老朽化した機器の入れ替えこそ行ったものの、完成から10年を超えた2023年現在も稼働を続けており、静岡がんセンターの理想の医療を今も支えて続けています。
現在の状況
情報システム課は職員9名、委託職員9名で、電子カルテシステムおよびネットワークインフラの開発、維持管理を担当しています。近年のIT技術の急速な発展により、職員や患者さんへのインターネットサービスの提供からセキュリティの確保まで業務の幅は広がっており、多忙を極めています。
未来に向けて
情報システム課は電子カルテシステムの安定稼働を第一に考えて日々努力しています。近年は機器の故障や予期せぬ動作による障害だけでなく、自然災害やサイバー攻撃に起因する障害への対策が求められています。そこで、診療データをセキュリティが担保された遠隔地にバックアップすることにより、患者さんの大切な診療情報を保全する取り組みを進めていきます。
業務委託企業
株式会社システム環境研究所
取締役相談役 山本 行俊
民間のノウハウを活用した病院づくり
病院づくりのプロセスは基本構想および基本計画の策定に始まり、その方向性に基づいて建築設計に着手します。これと並行して運営計画、情報計画、医療機器計画、そして開院前には業務委託計画が整備されます。静岡がんセンターにおいても平成7年度(1995年度)に株式会社三菱総合研究所による「基本構想」が策定され、「最新で適切ながん診療の実践」「患者の視点を尊重したがん診療の推進」「がん情報ネットワークなどがん対策の中枢機能の構築」の三つの方針が立てられました。その具現化においてはハード系(建築設計)、ソフト系(運営計画/情報計画/医療機器計画)、サービス系(業務委託計画)の三位一体で目指すこととし、平成8年度(1996年度)から着手されました。また民間ノウハウの導入のため、建築設計は株式会社横河建築設計事務所、運営計画および業務委託計画は株式会社システム環境研究所、情報計画はアライドメディカルアソシエイツ株式会社(平成30年度〈2018年度〉解散、現データインデックス株式会社)、医療機器計画は株式会社シップコーポレーション(平成24年度〈2012年度〉にシップヘルスケアリサーチ&コンサルティング株式会社に社名変更)がそれぞれの業務を担当しました。以下、各業務内容を簡略に説明します。
(1)建築設計業務
国立がんセンター中央病院新棟の設計実績を持つ株式会社横河建築設計事務所が平成9年度(1997年度)12月に新棟・緩和ケア病棟の基本設計および研究所、陽子線治療施設棟、宿舎、保育所等の配置計画に着手しました。平成10年度(1998年度)12月より新棟・緩和ケア病棟の実施設計に移行し、これと並行して平成11年度(1999年度)9月に陽子線治療施設棟の基本・実施設計業務(株式会社横河建築設計事務所・株式会社日建設計のJV)に着手し、それぞれの工事監理を経て平成14年度(2002年度)末の同時竣工を迎えました。その後、同じく株式会社横河建築設計事務所が設計・監理を担当し、平成17年度(2005年度)9月に研究所、平成21年度(2009年度)9月に管理棟が相次いで完成し、平成24年度(2012年度)9月の診療機能強化(新棟大規模改修)、平成27年度(2015年度)6月の放射線治療棟増築を経て、現在に至ります。
(2)運営計画業務
医師や看護師、その他全ての職員が新規採用で寄せ集めの組織のため、必要となる運営のバイブルとして「基本運営計画」を位置付けました。当初は各部門毎に基本計画(役割と業務、業務量予測、将来変化と対応)、運営計画(運営方針、基本運営基準、情報管理や物品管理、診療体制や職員配置、主要機器等)、施設・設備(概要や諸室)について記載しその後の「病院運営マニュアル」のベースとなりました。開院から約10年を経て一斉見直しや病院承認の仕組みづくりが行われ、現在まで定期的にメンテナンスがなされています。また、
毎年の人事異動や新規採用による日常業務の寸断を最小限に止めるため、ポス
トごとの役割・業務を表わす「静岡がんセンター版ジョブディスクリプション」の策定に取り組み、現在は重要な幹部職員(病院長および副院長)に適用され毎年見直し・更新を行っています。一方で対外的視点から、将来的な医療の安全性・信頼性の強化施策、病院広報の重要性・多面性(医療法に基づく広告規制・医療広告 GLへの対応、適時・適切・正確な病院からの情報発信、危機管理 等)を重視し、計画段階からいち早く「広報専門担当官」の配置を計画し、現在まで広報活動全般が統括管理されています。
(3)情報計画業務
計画当初、全国の自治体立病院のなかで電子カルテを導入していたのは島根県立中央病院だけであったので、この病院を徹底的に分析し医師自らが入力する電子カルテシステムを富士通株式会社と構築しました。さらに平成21年度(2009年度)には次期システムとして、日本アイ・ビー・エム株式会社が電子カルテシステムを再構築しています。
(4)医療機器計画業務
当時、新設の自治体立病院では医療機器調達予算は1床当り10,000,000円とされており、615 床のがん専門病院として画像診断や放射線治療、陽子線治療等の高額治療機器導入を考慮すると、医療機器調達予算は100億円に及ぶことが予想されました。また、当初は各診療科の長となる医師も決定されていませんでした。そのためまず、株式会社シップコーポレーションが機器リスト(案)を作成し、着任予定医師へのヒアリングによりリストの精度向上に努め、同時に各機器メーカーより見積徴収し整理・精査を行いました。
(5)業務委託計画業務
新設の病院においては既存の職員がいないため、業務委託方式を徹底的に追求しました。給食部門や医事会計部門の委託に始まり検査部門におけるブランチラボ方式の導入、物品管理部門においては国内で本格的なSPD方式を導入しました。そして開院後も、現在まで毎年、業務委託内容と委託費の見直が実施されています。
(6)開院後のモニタリング業務
最後に、自治体立病院としてはあまり実施実績は多くありませんが、開院後も継続的なモニタリングを実施しています。モニタリング内容は以下のとおりです。
・診療報酬請求精度調査
・院内委員会・会議の見直し改廃支援および承認プロセスの再整備
・医療機器の調達費用検証、保守メンテナンス費用検証
・SPDシステムの評価・更新
・薬品値引き交渉支援
・病院運営マニュアルの継続的なメンテナンス
・静岡がんセンター版ジョブディスクリプションの継続的なメンテナンス
・外部第三者評価(病院機能評価)の継続的な受審支援
一般社団法人 企業経営研究所
理事長 中山 勝
業務の内容
開院当初の平成14年度(2002年度)より、専属の職員を一人常駐させ、病院運営支援業務を担当しています。
業務の内容としては、①病院長補佐業務、②中長期経営計画立案の支援、③経営・臨床指標を活用した経営改善活動の支援、④患者別・部門別等の原価計算の支援、二次利用システム運用・改善に関わる支援、⑤その他経営に関わる企画立案業務の支援の5項目を中心に、マネジメントセンターの一員として日々活動しています。
(1)病院長補佐業務
病院長の指揮命令に基づき、経営分析や経営支援、病院内の情報収集等の業務を担当し、病院運営のサポートを行っています。
(2)中長期経営計画立案の支援
病院経営指標の日次管理や病院幹部ヒアリングの実施(資料準備、ヒアリング開催、課題・要望等の進捗管理等)、目標管理等の業務を行っています。
(3)経営・臨床指標を活用した経営改善活動の支援
診療業務の状況把握や臨床指標の管理、診察待ち時間や手術待機期間の分析、他病院とのベンチマーク分析、診療報酬増収に向けた取り組み等の経営改善業務の支援を行っています。
(4)患者別・部門別等の原価計算の支援、二次利用システム運用・改善に関わる支援
電子カルテシステム改修や更新時の二次利用システムの運用見直しや改善提案等の業務を行っています。
(5)その他経営に関わる企画立案業務の支援
各部署からの依頼に基づくデータ分析・資料作成や課題の相談等、スポットのサポート依頼への対応等を積極的に支援しています。
20年間の実績を活かしながら、今後はさらに活動の幅を広げ、病院運営支援業務を充実させていきたいと考えています。
スルガ銀行株式会社
真野弘則
2010年より、専属の行員を常駐させ、暮らしのコンシェルジュサービスを行っています。本サービスは静岡がんセンターとスルガ銀行が協働で、患者さんや患者さんのご家族、職員の皆
さまに対して、近隣のホテルや食事処、レジャー施設、かかりつけ湯などのご案内や、治療に関するご融資の相談など、暮らしの上で必要となる情報を無料で提供するサービスです。
株式会社コアズ
警備隊 隊長 横山浩治
あゆみ
開院前の2002年4月1日から警備業務を開始しました。このこの20年間に研究所や管理棟、駐車場の拡張・新設など施設の増加に伴い、防災センター業務や巡回業務および鍵の管理等、増大した警備業務に対応しています。
現在の状況
施設の安全・安心のため、特に病院防災の要として、災害発生時等に備え、緊急時対応マニュアルを整備し対応してきました。また、防災訓練では主導的に参加し、院内防災体制の一翼を担っています。交通警備隊は、駐車場管理や構内の車両誘導、緊急車両の出入庫、院内巡回警備等を行っています。総じて20年の歴史の中で様々なイベント等にも警備面で積極的に協力し、その使命を果たしてきたと自負しています。
未来に向けて
常に進化する病院環境に適応し、安全な環境整備に貢献していきます。機械警備等により効率的な警備体制を目指す一方、「患者さんと家族を徹底支援する」というSCCの基本理念を尊重した受付、ご案内により、患者さん目線の対応を心掛け、さらなる人材の育成に注力します。
エクレ株式会社
支店長 蓑輪久也
あゆみ
竣工時から一般エリアの清掃業務を受託しています。この間、至らぬ点もあったと思いますが、職員の皆さんのご協力や、患者さんからの感謝の言葉を励みに、スタッフ一同、力を合わせ業務の遂行に努めてきました。
スタッフの中には、病院建設前の遺跡調査に携わった者もおり、開院から20年経過したことに、会社としても感慨深い思いを抱いています。
現在の状況
病院本棟、管理棟、緩和ケア別棟、陽子線治療棟、放射線治療棟、エネルギーセンター、外来立体駐車場、発熱外来の日常清掃および定期清掃を実施しています。
未来に向けて
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)ガイドラインに準じた院内感染予防を重視した清掃作業を実施し、見た目の美しさだけでなく、目に見えない微生物の除去をも行う安全で衛生的な環境を維持し、未来に向け、日本一の医療施設に相応しい環境づくりに貢献できるよう努力していきます。
株式会社シービーエム
責任者 齋藤かしこ
あゆみ
開院当初から特殊エリアの清掃を受託しています。当初は10数名でのスタートでしたが、研究所棟の増設、本棟のエリア拡大等に伴い、現在では50名を超えるスタッフが在籍しています。人員不足で苦労することがあった一方
で、患者さんからお礼の手紙をいただくなど、涙と笑顔の年月でした。
現在の状況
手術室等の清潔エリアから汚染拡散防止エリアの日常清掃、手術後清掃、感染対応清掃・入浴ごとの浴室清掃、カーテン交換など、業務は増え続けています。スタッフの確保も重要であり、よろず相談を通してがん患者さんの就職支援を行うことなどで、その確保に努めています。業務に対するスタッフの意識の高さがあっての20年でありました。
未来に向けて
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患者さん第一のスタンスで取り組んできました。今後も患者さんや医療従事者の皆さんが安心して治療に取り組める環境作りを目指していきます。また、がん患者さんの就職支援も続けていきたいと考えています。
新生ビルテクノ株式会社
責任者 土屋好明
あゆみ
2006年6月から設備管理業務を受託しています。以来、病院や研究所の運営に支障が生じないよう、設備全般についての保守管理を24時間365日実施しています。
現在の状況
日々発生する、施設や設備の不具合に対する応急措置や、エネルギーセンターにある熱源機器の運転監視業務を、安全最優先で実施しています。ここ最近、経年使用による施設や設備に
関する問題が多く見受けられる状況となっていますが、患者さんや職員の皆さんへの影響を極力生じさせることのないよう、これらへの対応を迅速に行うことを心掛けて業務を行っています。
未来に向けて
事務局、病院、研究所の各担当者だけでなく、SCCの他の委託業者の方々とも協力・連携し、患者さんや医療従事者の皆さんが、安心・快適に過ごしていただける環境であるよう、今後もより良い設備管理業務に努めていきます。
株式会社日本環境調査研究所
現場責任者 森口雄太
あゆみ
2002年の開院当初から、放射線管理業務全般を受託しています。これまで、新しい放射性医薬品や装置の導入、法令の改正など、様々な出来事があった中で、その都度、SCCの放射線管理担当者との協議を重ねながら、放射線施設の安全かつ円滑な運営・管理ができるよう努めてきました。
現在の状況
具体的な業務は、放射線施設の測定や点検、官公庁への許可申請のほか、開院当初から SCC担当者の業務補助員としてスタッフ1名を常駐させ、放射線従事者の被ばく管理や教育訓練、法定帳簿の作成、現場管理など、多岐にわたる業務を行っています。
未来に向けて
開院当初から現場に密接に関わって業務を行ってきた強みを活かし、放射線施設の運営・管理に携わっていくことが、弊社にできることであります。今後も現状に満足せず、より正確で、より迅速な業務を心掛けていきます。
株式会社植正園
責任者 後藤智久
あゆみ
開院から現在に至る(2005 〜 2007年度の3 年間を除く)まで、業務を受託しています。庭園、バラ園、駐車場、構内道路、水路(せせらぎ、心の池)など13万㎡を超える敷地の環境維持及び敷地内で排出される枝葉や残飯等の生ゴミをリサイクルし、堆肥として再利用しています。
現在の状況
公的な施設でもあり、芝刈、除草などの日常作業は、高齢者雇用確保と社会福祉を目的に、緑地管理経験のないシルバー人材と、障がいのある方に研修教育を行いながら実施しています。生ごみ処理機については、撹拌方法や設定時間の変更、混和材の変更など試行錯誤を繰り返し、今では年間70トンを超える生ゴミの再利用が可能となりました。
未来に向けて
患者さんのガーデンホスピタルとしてのSCCへの期待に応えられるよう、また、近年の過酷な気象状況下で従事する高齢者や障がいのある作業員の安全を確保できるよう、機械による効率化や安心安全な薬品による雑草抑制を模索し、皆さんの憩いの場を管理していきます。
株式会社エス・アール・エル
静岡検査課 鈴木康之
あゆみ
2002年の開院時から業務を受託しています。一番困難で時間を要したのは、臨床検査の国際規格ISO15189の認定取得と、その継続をしていることです。
現在の状況
各種臨床検査業務(生化学検査、血液検査、免疫血清検査、尿一般検査等)ほか、臨床検査運営委員会、ISO15189関連会議などへの参加による院内活動へ参画してきました。検査所要時間(TAT)を遵守するため、検査工程、検査機器を見直し、更新しました。また、トラブル発生時でも検査を止めないよう、主たる検査項目は複数台の検査機器を設置しバックアップ体制を構築しました。
未来に向けて
若い検査技師の技術力、学術力の向上を図り、正しい検査結果をいち早く報告できるようにさせたいと思います。また、徹底的な自動化を推進し、さらなるTATの短縮を図ることや、診療の様々なニーズに応えられるよう、柔軟に対応していきます。
株式会社エフエスユニマネジメント
第2営業本部 志水俊之
あゆみ
開院2年前(県庁がんセンター開設準備室当時)から関わっています。現在では当たり前になっている鋼製小物のコンテナ構成については、全国から医師が集まり、なかなか決まらないところを、上坂医師(現院長)のご協力を得て何とか完成させました。
現在の状況
院内の物品管理、滅菌、機器管理、ベッドリネン管理の各業務を受託しています。病院の変化に寄り添い、患者持参薬の搬送や1時間毎の医薬品巡回搬送、使用率の高い処置セットの定数配置、手術準備材料の使用率を基にキット化しました。また、開院時から使用してきたインテリジェントキャビネット(電算制御物品収納庫)も2021年の夏に最新型に更新しました。
未来に向けて
常に進化する病院環境に適応できるSPDを目指します。また、少子高齢化に向けRPA化(Robotic Process Automation)を進め、ロボットによる搬送やRFID技術を用いた自動入力の導入などで、業務省力化を行い、今後も、命を守る人の環境作りに貢献していきます。
住重加速器サービス株式会社
技術部 遠藤 圭
あゆみ
2002年の開院時(陽子線棟稼働)から委託業務員を常駐させています。運用方法や環境整備を、装置据え付けの時から、がんセンター職員と一緒に考えました。業務が軌道に乗るまで、多くの苦労もありました。
現在の状況
サイクロトロンおよび合成装置の運転、管理業務(FDG製造)を受託しています。より安定的にFDG薬剤をご使用いただけるよう、必要量より若干多めに製造するなどの工夫をしています。また、作業を効率化し、被ばく低減やコスト削減に努めています。また、装置のトラブルによる臨床遅延や停止が起こらないよう、わずかでも異常が見られた場合は即座に対応するよう心掛けています。
未来に向けて
メーカーと直接つながりを持つ運転員であるという強みを活かし、PET検査が続く限り、サービスの提供を続けていきます。裏方ではありますが、お任せいただいている仕事を全うすることが、患者さんの健康、ひいては社会貢献につながるものと信じています。
株式会社ミックス
代表取締役 笠原 純
あゆみ
開院以来医事班に所属し、一貫して医事業務に従事してきました。業務開始当初は、人材の確保や運用の取り決め等に苦労しました。
現在の状況
業務内容の詳細として、各窓口の受付事務、入外会計・レセプト請求、予約センター、入外クラーク、医師事務作業補助等があります。重点的に取り組んだこととして、以下を念頭に改善に努めてきました。
①正確な診療報酬請求
②患者サービスの向上
③医療従事者支援
④貴院や患者さんからのご要望、ご指摘事項への真摯かつ柔軟な対応
上記は、弊社が今後も改善していくべき必須の課題と認識するところです。
未来に向けて
今後の目標を以下とし、努力と工夫を重ねて取り組んでいく所存です。
「変化する診療報酬体系への的確な対応をはじめとして、がん専門病院であるSCCでの経験値を十分に活用し、各受託業務の遂行精度をさらに向上させることで、SCCの運営・経営の一層の拡充に寄与していく」
株式会社エヌデーデー
医療システム事業部東海エリアマネージャー 奥出將二
あゆみ
2010年1月の現行システムサービスインより参加しています。業務開始当初は、当院独自のカスタマイズに困惑しましたが、業務員一同努力を重ねて、病院の皆様に24時間365日、均等なサービスを提供できるよう取り組んできました。
現在の状況
電子カルテを主軸としたシステムのヘルプデスク業務を担当しています。専門性を必要とする業務ではありますが、メンバースキルの平均化を目指し、業務内容やドキュメントの整備等改善を行っています。
未来に向けて
これからも職員の皆様に必要としていただけるようなサービスを提供していきます。ヘルプデスクという名称で業務を行っていますが、ユーザー様に提案もできるような「サービスデスク」として認識いただけるよう努めていきます。
日本ゼネラルフード株式会社
静岡支店長 森口 徹
あゆみ
2011年4月から患者給食業務を受託しています。メニューの選択肢が多いため、業務受託当初は食事の準備に手間取り、配膳時間ギリギリになってしまったことも多々ありました。
現在の状況
1回400食ほどの食事を、盛り付け、組膳、点検し、配膳時間に各病棟の患者さんへ直接配膳しています。味付けの濃淡やトロミの強弱など、個々の患者さんの立場に立った美味しく食べやすい食事を提供するとともに、安全安心な食事の提供を重点事項として取り組んでいます。例えば毎日の乳製品等の消味期限の確認と記録、完成料理の温度管理や5Sの徹底、ピカピカの厨房など、衛生管理を第一としています。
未来に向けて
日本有数の最先端がん専門病院にふさわしい、多彩で美味しい食事の継続した提供と、日々の工夫・改善を目標にしています。食事とともに、患者さんに寄り添った心遣いも提供できる、「美味しい料理は愛情と工夫から」の弊社社是をSCCで実現していきたいと思います。
フジ産業株式会社
責任者 秋山武宗
あゆみ
静岡がんセンター開設当初から20年にわたり、11階レストラン、喫茶、従業員食堂の3店舗のお食事を提供させていただいてきました。
現在の状況
最も困難だったことは、2020年に新型コロナウイルスの世界的な流行に見舞われたことです。お客様の減少に伴い、売上の減少や国の要請による営業時間短縮、レストランの土・日曜日の休業などを余儀なくされ、様々な不安や葛藤の一年でありました。そのような中でも、従業員の体調管理の徹底はもちろんのこと、飛沫感染防止のためのパーテーション設置、テーブル席の間隔空け、マスク着用会食の周知などに重点的に取り組み、これまで以上に衛生面の徹底を心掛けました。
未来に向けて
コロナ禍が続く状況においても、レストランにご来店いただけるお客様や、従業員食堂に足を運んでいただける職員の皆様の大切さを改めて実感しています。今後も、日々前を向き従業員一同より一層精進していきます。
株式会社富陽軒
副社長 石井洋子
あゆみ
開院時から、売店(風のマーケット)と陽だまりカフェ、また、研究棟開設時からは交流サロンいずみを運営しています。開院時、風のマーケットには大きな海水魚の水槽(現在は放射線科に移動)があり、クマノミなどが一生懸命泳ぐ姿を、患者さんにとても喜んでいただいていました。
現在の状況
患者さんからのご要望に対しては迅速・柔軟な対応に努めています。2015年5月、売店をミニストップとのコラボショップにリニューアルし、地元協力業者の人気商品を残しつつ、豊富な品揃えと様々なサービスを実現しました。また、店内に医療介護相談コーナーを設け、専任スタッフが医療品販売等を行っているほか、栄養調整食品コーナーでは、栄養室の助言を得て栄養機能食品、補助食品等の販売を行っています。
未来に向けて
静岡がんセンターは患者さんのための病院であることを認識し、患者さんとご家族を徹底して支援できるようスタッフ一同努めていきます。また、いただいたご意見に対しては、速やかに問題点を調査し対処していきます。
株式会社アデランス
店長 幸山義英
あゆみ
アデランスの院内サロン第1号店として「こもれび」を2002年9月の開院と同時にオープンしました。SCCの基本理念である患者さんの視点を重視し、毛髪関連事業を通じて患者さんに寄り添い、笑顔あふれる店づくりを意識した運営を社員全員で行っています。接客対応などについては、医療従事者の皆さんとご相談しながらアドバイスをいただき、現在の形が作られました。外部講師による接遇講習も大きな成長のきっかけとなりました。
現在の状況
美容技術全般以外に髪や頭皮に関するご相談、ウィッグの試着・ご相談などへの対応を行っています。弊社購入ウィッグはもとより他社ウィッグのメンテナンスやウィッグ関連商品や外見ケア商品の紹介も行っています。
未来に向けて
副作用による脱毛などで不安になっている患者さんが安心してご来店いただける環境や、スタッフのサービス維持のための教育を継続していきます。今後も癒やしの場であり続けられるよう、患者さんやご家族に寄り添い、「笑顔あふれる環境」で運営していきます。
株式会社アメニティ
首都圏営業3部 箱田信男
あゆみ
2020年6月から導入いただいています。コロナ禍の中、病棟および事務局のご協力により、短時間の準備期間で、サービスの提供を開始することができました。
現在の状況
パジャマ、タオル、おむつなどを1日単位でレンタルし、患者さんとそのご家族双方の利便性向上に加え、病棟スタッフの業務負担軽減にも寄与させていただいています。
未来に向けて
家族の在り方、生活様式の多様化が進む近年、様々な事柄が変化していく中においても、病気の治療をされる方、そのご家族の心理的、体力的な負担は変わらないと考えています。それを少しでも軽くするためにサービスの向上を進めていきます。具体的には、患者さんが入院時に必要とする商品の追加、パジャマの仕様変更などを考えています。また、病棟スタッフのご意見も取り入れ、患者さんのより一層の利便性向上、ご家族の負担軽減を目指して改善を進めていきます。
株式会社パースジャパン
参与 佐久間 誠
あゆみ
開院当初から病棟用のテレビレンタル等の業務を受託しています。静岡県内初の病院内コンソールを利用した情報端末方式テレビを採用し、メンテナンス体制に重点をおいて業務を行ってきました。テレビは壁付けのロングアーム式とし、耐久性・安全性をモットーに、より患者さんに満足いただけるよう、特注で金具類の製作やタッチパネル方式の改善に取り組んできました。
現在の状況
テレビ(情報端末)・冷蔵庫・洗濯機・洗濯乾燥機・製氷機等をプリペイドカード式でトータルレンタルしています。
未来に向けて
これまで、テレビカード式床頭台のレンタル事業を軸に、患者さんに快適な環境を提供すべく取り組んできました。今後は、患者さんと直接レンタル契約を結ぶ直収システムを軸にしながら、医療機関の業務改善にお役に立てるデジタルソリューションを展開していきます。
株式会社日立製作所〈三菱電機プラントエンジニアリング株式会社〉
株式会社日立製作所 静岡支店長 栗木良彦
あゆみ
三菱電機㈱の陽子線装置事業を㈱日立製作所が引き継いだことに伴い、三菱電機が納入した陽子線治療装置の運転保守業務も、2018年度から日立製作所が対応しています。また、2003 年の陽子線治療の開始時から、日々の運転保守業務については、陽子線治療装置の据付調整も実施した三菱電機プラントエンジニアリングの社員が院内に常駐し、対応しています。
現在の状況
陽子線治療装置の日々の点検、調整、起動、停止を行い、治療ビームの品質を維持管理しています。各機器の定期点検では、より詳細な点検と部品交換等を行い、機器の健全性を維持しています。装置の稼働率を落とすことなく、安定した治療を提供できるよう、運転技術員一丸となって日々の業務に取り組んでいます。
未来に向けて
今後も、陽子線治療を安定して行うことができるよう、装置の運転、保守管理業務に努めていきます。
WDB株式会社
沼津支店ブランチマネージャー 金子龍英
あゆみ
大学/公的機関/医薬食品化学企業を主とした理学系研究職分野において技術者の派遣サービスを提供しています。静岡がんセンター研究所には2007年2月から技術者の派遣を行っています。
現在の状況
現在、3部1室に計5名が派遣研究員として在籍しています。生化学系の解析技能や実験スキルを有する技術スタッフの派遣サービスを通じ、お客様には仕事の成果の保証、派遣スタッフには働く喜びの提供ができる会社としてお客様・スタッフのフォローに取り組んでいます。
未来に向けて
各研究部の先生方の要望に沿ったスキルを持った技術者確保の期待に応え、また技術提供を安定して供給できる体制を整え、研究分野のさらなる発展に寄与していきます。