静岡県立静岡がんセンター局長

(P9)

挨拶

静岡がんセンター
20周年にあたって

静岡県立静岡がんセンター
局長 内田 昭宏

 静岡がんセンターは、県民の皆様に理想のがん医療を提供し、同時に医療健康産業の活性化を図るファルマバレープロジェクトの推進を目的に設立され、今年度、20周年を迎えることができました。
  静岡がんセンターは、「患者さんの視点の重視」という基本理念とこれに基づく行動理念である「患者さんへの三つの約束」をもとに、理想のがん医療を実現するために設立された病院です。開院以来、この理念に基づき職員一丸となってその実現に努力してまいりました。
  いまでこそ、理念を掲げそれに基づく運営を行っている病院は少なくありませんが、20年以上も前にこした考えに基づいて病院を設置したことは、稀有な事例であったと思います。そしてこの20年間、最先端のがん医療の実践と徹底した患者・家族支援を追求し、日本最大級の病床を有するがんセンターとして、特定機能病院、都道府県がん診療連携拠点病院、がんゲノム医療中核拠点病院などの承認や指定を受け、国内屈指の、また国際的にも評価されるがんセンター病院となりました。
  こうした評価を受けることのできる病院にまで成長できたのは、職員の努力はもちろんのこと、患者さんをはじめとした県民の皆様、医療関係団体、県議会などの皆様のご理解と強力なご支援があったからこそと考えており、厚く感謝申し上げます。
  今日、人口やインフラの巨大都市への一極集中や超高齢化社会の進展により、多くの病院、中でも地方の自治体病院の経営は、縮小均衡に向かわざるを得ない状況が発生しています。しかしながら、病院は地域社会における基本的なインフラであり、経営に失敗したからすぐに撤退するということは許されません。医療体制の崩壊は地域社会の崩壊につながります。
  こうしたことからも、静岡がんセンターがこの地域に存在し、この地域において果たさなければならない役割の重要性はますます増していくものと考えています。
  今後もがん患者さんの増加が見込まれる中、静岡がんセンターでは、これからも職員一丸となって、様々な部門の充実を図り、医療サービスの質の確保、向上に努め、理想のがん医療を追求してまいります。また、ファルマバレープロジェクトの下、医療城下町を核とした医療田園都市構想の実現に向け、医療、教育など静岡がんセンターに期待される取り組みを積極的に推進してまいります。今後とも、これまで以上の強力なご支援をお願いして、ご挨拶とさせていただきます。

静岡がんセンター・ファルマバレープロジェクト 20年のあゆみ

静岡がんセンター・ファルマバレープロジェクト 20年のあゆみ