自分の助言集をつくる
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入院について不明な点があれば、確認が必要です。誰に何をどのように確認すればよいのか整理してから確認しましょう。
【治療に関する説明、入院期間など】
入院期間は、治療の種類、病状、治療によっても異なりますが、大体この治療であれば、このくらいという目安はあります。現在では、どこの医療機関でも、入院期間は短縮されてきていますが、医療機関によっても、入院期間には少し差はあります。
入院が決まった際に、入院期間がどのくらいか、およそのところを担当医に確認してみましょう。また、それ以外にも、入院に際し、疑問な点、確認しておきたい点は、メモなどに箇条書きであらかじめ整理しておき、きちんと確認しておきましょう。なお、入院に際しての注意事項や準備物などは、看護師から説明がある場合もあります。
【入院予定日】
小さなお子さんがいらっしゃったり、お仕事の引継ぎをしたり、介護が必要な高齢者がいらっしゃるなどさまざまな理由で、入院予定日を知りたい方は多いと思います。しかし、入院患者さんの状況により、予定より退院が延びたり、緊急入院が入ったりということがあり、○月○日に必ず入院とはっきりすることはあまりないと思います。一時的に施設を利用したりすることを考えるときには、その点、施設担当者にも事情を伝えて調整が可能か確認しましょう。
【入院の費用や支払い】
入院前に、ご自分の入院費用が全体としてだいたいどのくらいかかるのか、医師あるいは会計事務に確認してみましょう。どのくらいお金を準備しておいたらよいか把握しておくことは、安心感につながります。また、クレジットカードが使えるかなど医療費の支払い方法も確認しておいた方がよいでしょう。
入院費は、治療や薬代以外に、入院基本料(平均在院日数や看護師配置より異なります)、食事代などを合わせたものになります。
がんの治療や検査にかかる医療費は、予想以上に高額で、経済的に悩んでしまうことがあると思います。このように高額な医療費による経済的負担を軽減するために、高額療養費制度(対象となるのは、公的医療保険が適用される医療費)があります。ただし、高額療養費制度には、差額ベッド代、食事代、診断書等の書類作成費用、保険適用外の治療費などは含まれないのでご注意下さい。
『高額療養費制度』は、1か月の医療費の自己負担分を一定の金額(自己負担限度額)までにおさえることができる制度です。
医療費が高額になりそうな時には、あらかじめ限度額適用認定証などの所得区分の『認定証』の交付を受けて医療機関の窓口で提示することで、入院、外来診療ともに窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。
また、『認定証』の申請をせずにいったん窓口で支払いをした場合も、後日、保険者に申請をして自己負担限度額を超えた金額の払い戻しを受けることができます。ただし、高額療養費を申請して支給されるまでには、少なくとも3ヶ月程度かかります。1ヶ月に1つの医療機関での支払いが高額になる可能性がある場合は、『認定証』をあらかじめ申請しておきましょう。
70歳未満の方、70歳以上で所得区分が現役並みIか現役並みIIの方、住民税非課税世帯の方で、高額の支払いが見込まれる治療(入院・外来)を予定する場合には、事前に所得区分の『認定証』(70歳未満の方、70歳以上で所得区分が現役並みIか現役並みIIの方は限度額適用認定証、住民税非課税世帯の方は限度額適用・標準負担額減額認定証)を自分が加入している保険者(保険証に記載のある)に申請し、入手しておきましょう。
なお、70歳以上で所得区分が、一般、現役並み所得IIIの方が治療する場合は、窓口での支払いが自動的に自己負担限度額までになるため手続きは不要です。
申請の際には保険証のほか、印鑑等が必要になることもあるので、あらかじめ自分が加入している保険者に電話等で確認するようにしてください。
<入院費に関するポイント>
◎ 差額ベッド代がかかるのか、利用する場合は費用を確認
◎ 請求書はいつ頃くるか、いつ頃までに支払うのか、支払い方法(カードは利用できるかなど)を確認
◎ 退院時は支払い前に概算金額を確認し、費用を準備しておく
【加入している民間保険の確認】
民間保険に加入している場合は、保険証書や問い合わせ窓口などを確認しておきましょう。治療方針が決まったら、保証内容、手続き方法などを保険担当者に問い合わせましょう。
契約されている保険によっては、診断書が不要な簡易請求(医療機関で発行される診療明細書や治療状況報告書で請求)が可能な場合や、他の生命保険会社に提出する診断書のコピーでの対応ができる場合がありますので、保険請求手続きをする前に確認をしましょう。
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