免疫治療研究部
免疫を用いてがんの治療を行う研究をします。
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研究内容・課題
研究内容(目的)
がん免疫療法は、本来身体に備わっているがんに対する免疫の反応を強化し、がんの増殖・進展を制御する治療法です。
患者さんの体内で免疫反応を積極的に誘導する能動免疫療法(樹状細胞ワクチン等)や抗腫瘍効果を持つT細胞や抗体などを体外で増幅・活性化し、体内に戻す受動免疫療法の開発研究を行っています。
最近新しく開発された一部の抗体医薬では、がんの増殖抑制や生存期間の延長が確認されており、手術や化学・放射線療法に続く第4のがん治療法として認識されています。
免疫治療研究部では、現在施行中のHOPE研究の成果に基づいてがんワクチンや抗体の作製を行い新しい免疫療法の開発を目指します。
研究課題(目的を達成するための方法)
(1) がん免疫関連遺伝子のプロファイリング(HOPEプロジェクト関連)
免疫応答関連遺伝子パネルを利用して発現・変異データを解析することにより、免疫チェックポイント分子のような新規の免疫標的分子や腫瘍由来の変異抗原(ネオアンチゲン)を同定します。
(2) がん特異的抗原に対する抗体の作製と治療モデルの開発
HOPEの関連研究にて同定された新規の標的免疫抗原に対するモノクロ―ナル抗体を作製し、診断や治療に応用可能な抗体を開発します。また免疫不全マウスのヒト化モデルを利用して抗体のがんに対する治療効果を検討します。
(3) がん特異的なネオアンチゲンに対する活性化樹状細胞ワクチンを用いた免疫療法
HOPE研究において5000例以上のがんの症例のゲノム解析よりがんに特異的なネオアンチゲン(がん組織にのみ発現する免疫抗原)を同定しています。このネオアンチゲン抗原に対する樹状細胞ワクチンを作製し、免疫療法に利用する新しい臨床試験の準備を行っています。近いうちに試験の開始を予定しています。
(4) 免疫チェックポイント分子を阻害する新しい薬剤の開発
現在がんの臨床において幅広く使用されている二ボルマブ等の免疫チェックポイント抗体と同様の抗腫瘍効果を持つ新しい薬剤(低分子化合物)の研究開発を行っています。これは、静岡県が保有する化合物のライブラリーから発見したものであり、すでに特許申請や論文での成果を公表しています。
研究スタッフ
免疫治療研究部 部長(兼任) 秋山 靖人(あきやま やすと)
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専門分野 | 腫瘍免疫、抗体医薬、免疫療法の臨床試験 |
免疫治療研究部 主任研究員 菊地 康文(きくち やすふみ)
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専門分野 | ———- |
免疫治療研究部 主任研究員 飯塚 明(いいづか あきら)
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専門分野 | 腫瘍免疫、腫瘍抗原を標的とした免疫学的癌治療研究 |
免疫治療研究部 会計年度任用職員研究員 芦澤 忠
免疫治療研究部 会計年度任用職員研究員 宮田 治男
免疫治療研究部 会計年度任用職員研究員 山下 和恵
免疫治療研究部 会計年度任用職員研究員 兼松 明里
免疫治療研究部 会計年度任用職員研究員 前田 千恵
免疫治療研究部 技術員 池谷 智淳