終末期を過ごす場所

末期になった時に、ホスピス治療を受けるべきか。
1件の体験者の声があります。
近辺に緩和ケアをやっているところがあるかどうかとても心配。
1件の体験者の声があります。
どのような終末医療を受けたいか、ホスピス病棟に入院するとどのくらい費用がかかるのか悩んだ。
1件の体験者の声があります。
すべて表示する>>   

助言

自分の助言集をつくる  EPUB形式でダウンロード  印刷用表示


【さまざまな場所で受けられる緩和ケア】
最初に、緩和ケア(緩和医療)について整理しておきましょう。緩和ケアというと、『終末期の医療やケア=ホスピスで行われる医療やケア』というイメージが強いと思います。けれども、緩和ケアは、終末期の医療やケアだけを指した言葉ではありません。緩和ケアは、からだのつらさ、こころのつらさ、社会的な問題によるつらさなどを取り除いたりやわらげるための治療やケアのことで、診断時から終末期まで、病気の段階に関わらず、いつでも受けられます。

終末期を過ごす場所を考えるときにも、緩和ケアを受けられるのは、緩和ケア病棟(ホスピス)だけというわけではありません。
繰り返しますが、緩和ケアは、からだの痛みやつらさ、こころのつらさ、社会的なつらさ、価値観や生きがいなどの実存的なつらさなどを取り除くことで、患者さんが自分らしく生きるための支援を重視して行われ、終末期をどこで過ごしても緩和ケアは受けられます。

実際には、主に以下のような選択肢があります。
◎現在かかっている病院でずっとみてもらう
◎緩和ケアチームのある病院でみてもらう
◎緩和ケア病棟やホスピスのある病院に転院する
◎在宅緩和ケア(在宅ホスピスケア)を受ける
『緩和ケアチーム』というのは、患者さんの担当医等と協働し、患者さんやご家族等のからだのつらさやこころのつらさなどをやわらげることに関する専門的な知識や技術を提供する医師や看護師、こころの専門家(精神腫瘍科医、精神科医、臨床心理士、心理療法士など)、薬剤師、栄養士、リハビリの専門家(リハビリテーション医、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など)、ソーシャルワーカー、ボランティアなど多職種で構成されているチームのことです。

現在かかっている病院でみてもらう場合や、緩和ケア病棟のある病院に転院しても、できるだけ自宅で過ごしたいという希望があれば、そのための環境調整(介護をする人手等を含めて)を行っていきます。具体的な希望があれば、ご家族や病院のスタッフに伝えて、相談してみてください。
自宅で『緩和ケア』を利用する場合、年齢や基準を満たせば、介護保険も利用できます。在宅介護などに関して不安があれば、かかっている病院の相談室、ソーシャルワーカーなどに相談してみましょう。
ただ、希望を実現するためには、家族や周りの人々の協力が欠かせません。体の状況や地域のサービスの充実度によっては、希望をかなえるのは難しい場合も確かにあります。

【緩和ケアを受ける場合の費用】
緩和ケア病棟の入院料は、1日単位で診療報酬点数が決まっている定額制です。
緩和ケア病棟に入院する際、1日分の入院費用の目安は、(A)1日当りの緩和ケア病棟入院料の自己負担分+(B)食事の自己負担金+ (C)差額ベッド料など(保険外費用) となります。

平成30年度の診療報酬改定で、緩和ケア病棟の入院料が変更になり、複雑になりました。これまでも、入院日数によって3区分に分かれていましたが、この区分に加え、施設の状況(施設基準)により、入院料は2種類(緩和ケア病棟入院料1か緩和ケア病棟入院料2のどちらか)に分かれるようになりました。
入院料の区分は複雑ですが、(A)<緩和ケア病棟の入院料>の部分に関しては、高額療養費制度が適用されるので、1ヶ月の自己負担額を一定の金額におさえることができます。

※高額療養費制度と所得区分の『認定証』について
医療費が高額になりそうな時には、あらかじめ限度額適用認定証などの所得区分の『認定証』の交付を受けて医療機関の窓口で提示することで、入院、外来診療ともに窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。
また、70歳未満の方で『認定証』の申請をせずにいったん窓口で支払いをした場合も、後日保険者に申請をして自己負担限度額を超えた金額の払い戻しを受けることができます。
なお、70歳以上で所得区分が一般、現役並みの方が入院する場合は、窓口での支払いが自動的に自己負担限度額までになります(住民税非課税世帯の方で、一般的な金額よりも低く設定されている限度額の適用を希望する場合には、限度額適用・標準負担額減額認定証の申請・提示が必要です)。

このように、緩和ケア病棟の入院料は、高額療養費制度で自己負担限度額がおさえられますが、(B)の食事代の自己負担分、(C)差額ベッド料(室料)などの保険適用外の費用等は高額療養費制度の対象にはなりません。入院を予定する病院であらかじめ概算など確認しておくようにしましょう。
なお、緩和ケア病棟の病床の半数以上は、差額ベッド料がかからない病床にする、という決まりがあります。費用負担が心配な場合には、差額ベッド料がかからない病床を利用できないかどうか、合わせて相談してみるとよいでしょう。

緩和ケア以外の病床や外来診療として緩和ケアを受けた場合の費用は、状況によってさまざまです。どの程度の費用がかかりそうかは、会計窓口や病院の医事担当者に質問してみてください。
また、自宅で緩和ケアを受ける場合は、介護保険の利用の有無、医療の内容、訪問看護・介護等のサービスの利用状況などによって、費用は異なってきます。詳しくは、病院の医療ソーシャルワーカーや地域のケアマネジャーに相談してみてください。

病院での診療、在宅診療ともに、緩和ケアを受ける場合の医療費については、『高額療養費制度』の対象になり、自己負担限度額以上の費用については支払の免除もしくは払い戻しを受けることができます。ただし、差額ベッド代や食事代の自己負担分等は高額療養費制度の対象にはならないので、入院を予定する病院であらかじめ確認しておくようにしましょう。

【在宅緩和ケアについて】
在宅緩和ケアを考えていく上で、重要なことが3つあります。
1.患者さん自身が在宅を望んでいるかどうか
2.ご家族全員が在宅で看取ることに納得しているか
3.安心してできるだけ苦痛なく過ごせるような環境を整えていくために、在宅医療サービスや在宅介護サービスなどを利用して体制を整えていく

患者さんの希望、ご家族の意思と納得が確認できたら、環境を整えていくための準備を始めましょう。
まず、今かかっている病院の担当医や看護師、あるいは相談窓口などで相談してみましょう。身近な医療者や相談窓口で相談することで、その患者さんの状況、ご家族のサポート体制、療養環境にあわせたサポート体制や環境整備を一緒に考えながら整えていくことができます。また地域の医療機関や訪問看護ステーションなどの情報を提供してくれるでしょう。麻薬処方ができ、在宅緩和ケアを行っている病院や診療所を希望する場合も、その旨を伝えて一緒に探してもらいましょう。
おかかりの医療機関に相談窓口がない場合は、お近くのがん診療連携拠点病院の相談支援センターで相談してみましょう。

在宅療養支援診療所の情報も参考になるでしょう。在宅療養支援診療所は、24時間体制で、患者さんやご家族からの連絡を受け、往診や訪問看護を提供できる仕組みを整えている診療所です。在宅療養支援診療所は、介護サービスを調整するケアマネジャー(介護支援専門員)との連携や、容体急変時に入院できる病院とも連携しています。
在宅療養支援診療所は、平成18年度から届け出が始まった比較的新しい制度です。
お住まいの近くの在宅療養支援診療所は、病院の相談窓口への問い合わせの他、インターネットで直接検索することもできます。



関連する情報


ご意見・ご感想

お寄せいただいた、ご意見・ご感想をそのまま公表することは致しませんが、個人情報保護のため、お名前・ご住所・お電話番号などのご記入はご遠慮ください。
注)なお、インターネット上での個別相談はお受けしておりません。ご相談のある方は、お近くのがん診療連携拠点病院の相談支援センターにご相談ください。

※この情報は役立ちましたか?
役立った 少し役立った どちらでもない あまり役立たない 役立たない
※あなたは  患者  家族  医療関係者  行政関係者  その他

がん体験者の悩みQ&A

がん体験者の悩みQ&A