「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

夫婦生活がなくなったことがつらい。
3 件の体験者の声があります。

助言

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【がんと性生活】

性は人生の大切な一部です。もしかすると、あなたは“がんになったのだから仕方がない”、“人に話すようなことではない”とお感じになっているかもしれませんが、そんなことはありません。信頼できる相手にきちんと相談することで、悩みを軽減する方法が見つかることもあります。
がんはいろいろな形で性生活に影響することがあります。がんという病気自体が影響することもあれば、がんの治療の結果として、性生活に影響が出てくることもあります。
薬物療法による膣の状態の変化、術後の創(きず)の痛みなど、からだに直接おきた変化以外にも、“創を見られたり、触られたりするのは嫌”、“病気が再発するリスクが増すのではないか”といったこころの負担も、性生活には大きく影響します。
さらに、あなた自身のことに加えて、あなたのパートナーが性生活についてどんな風に感じているか、ということも大切です。
あなたは、パートナーが性生活に消極的であることをお悩みなのかもしれません。ただ、あなたのパートナーは、否定的な気持からあなたを避けているのではなく、あなたのからだやこころを見守りたい、あるいは、どう大切にすればよいのかわからないので、今は少し距離をとりたい、と思っているのかもしれません。
すれちがいを避けるためには、気持ちを伝えあうことが大切です。


 
【一つずつ乗りこえましょう】

性生活に関して、特にからだや病気に関連する気がかりがある場合には、担当医や看護師に相談してみましょう。遠慮したり、恥ずかしがったりする必要はありません。性生活はパートナーあってのものですから、できれば二人で一緒に話を聞くとよいでしょう。
具体的に質問すれば、様々な助言をくれるはずです。たとえば、膣の潤いが不足し、性交痛がある場合には、潤いを補う潤滑ゼリーやゼリー付きのコンドームを勧めてくれるかもしれません。“セックスによって女性ホルモンが増え、がんが再発する可能性が高まるのでは?”といった疑問については、根拠のない誤解であることを教えてくれるでしょう。また、特に妊娠や出産については、担当医によく確認するようにしてください。あなたがこれまでに受けてきた、そして現在受けている治療によっては、特別な注意が必要なことがあります。
こころの面のサポートとしては、プライバシーがきちんと確保できる場所で、少しずつでも、気持ちを外に出していくことが大切です。病院に心理職がいれば、カウンセリングを受けてみてはどうでしょうか。パートナーと一緒にカウンセリングを受けることが効果的なこともあります。また、同性の、同じ世代の患者さん同士と情報を交換してみたり、患者会から情報を得たりすることも、参考になるかもしれません。
性生活の基本となるのは、パートナーとのコミュニケーションです。気がかりがあれば、きちんと言葉にして伝えあうことが大切です。『こうあるべき』というイメージに縛られる必要はありません。話しあいながら、お互いに納得できるあり方を探していきましょう。


 

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