「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

旅行など遠出ができるか不安だ。
2 件の体験者の声があります。

助言

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【心配があれば担当医に確認を】

お気にいりの土地を旅行することは、とてもよい気晴らしになります。
その一方で、旅行には、長時間の移動がつきものです。一時的とはいえ、環境が大きく変わることを不安に感じるかもしれません。
通常、病気や治療に関係して、何か生活する上で注意すべきことがあれば、担当医から事前に指示があります。ですが、もし旅行に関して心配なことがあれば、念のため担当医に確認しておくとよいでしょう。
せっかくの旅行も、体の負担が心配になっては、こころから楽しむことができないかもしれません。旅行の計画を立てるときには、体力的にも気持ちの面でも余裕を持つことができるように、ゆとりのあるスケジュールを組むようにしましょう。
重い荷物を手で持たないで済むようにキャリーバッグを使ったり、気温の変化にも対応できるような衣類の準備をしたりすることも、体をいたわる上で大切です。
出発する際には、処方薬と健康保険証を持っていることを、もう一度確認するようにしましょう。


 
【海外旅行中の治療費】

海外旅行中にがんに関連して医療機関を受診した場合、海外旅行傷害保険では既往症の扱いになり、補償を受けられないのが普通です。
しかし、公的な医療保険に加入していれば、既往症についても、受診した病院でいったん全額を支払い、帰国後に払い戻しを受ける『海外療養費』制度を利用することができます。
海外療養費が給付されるのは、日本で保険診療の対象となっている医療行為です。治療を目的に渡航した場合は対象外になります。
また、治療費の全額が払い戻されるわけではありません。日本国内で治療を受けた場合に給付される金額と、実際にかかった医療費を比べて、少ない額から、一部負担金(通常3割)を除いた金額が払い戻されます。
海外療養費は保険証に記載されている各保険者に申請します。申請に際しては、保険証、印鑑、預金通帳のほか、『診療内容証明書』と『領収明細書』が必要になります。海外旅行中に医療機関にかかることが予想されるときには、あらかじめ、この二つの書類を各保険者の窓口で入手しておきましょう。
海外療養費の払い戻し請求期限は、治療費を支払った日の翌日から起算して2年間です。


 
【海外旅行の際の薬の携行】

精神安定薬、睡眠薬、がんの痛みを抑えるために処方される医療用麻薬など、一部の薬については、海外旅行に携帯する際に、特別な配慮や手続きが必要になる場合があります。薬によっては、許可が出るまでにかなりの期間を要することもあります。
処方されている薬の中に気になるものがある場合には、担当医や薬剤師に、できるだけ早く相談するようにしましょう。


 

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