悩み

旅行など遠出ができるか不安だ。



助言


【心配があれば担当医に確認を】


お気にいりの土地を旅行することは、とてもよい気晴らしになります。
その一方で、旅行には、長時間の移動がつきものです。一時的とはいえ、環境が大きく変わることを不安に感じるかもしれません。
通常、病気や治療に関係して、何か生活する上で注意すべきことがあれば、担当医から事前に指示があります。ですが、もし旅行に関して心配なことがあれば、念のため担当医に確認しておくとよいでしょう。
せっかくの旅行も、体の負担が心配になっては、こころから楽しむことができないかもしれません。旅行の計画を立てるときには、体力的にも気持ちの面でも余裕を持つことができるように、ゆとりのあるスケジュールを組むようにしましょう。
重い荷物を手で持たないで済むようにキャリーバッグを使ったり、気温の変化にも対応できるような衣類の準備をしたりすることも、体をいたわる上で大切です。
出発する際には、処方薬と健康保険証を持っていることを、もう一度確認するようにしましょう。


 

【海外旅行中の治療費】


海外旅行中にがんに関連して医療機関を受診した場合、海外旅行傷害保険では既往症の扱いになり、補償を受けられないのが普通です。
しかし、公的な医療保険に加入していれば、既往症についても、受診した病院でいったん全額を支払い、帰国後に払い戻しを受ける『海外療養費』制度を利用することができます。
海外療養費が給付されるのは、日本で保険診療の対象となっている医療行為です。治療を目的に渡航した場合は対象外になります。
また、治療費の全額が払い戻されるわけではありません。日本国内で治療を受けた場合に給付される金額と、実際にかかった医療費を比べて、少ない額から、一部負担金(通常3割)を除いた金額が払い戻されます。
海外療養費は保険証に記載されている各保険者に申請します。申請に際しては、保険証、印鑑、預金通帳のほか、『診療内容証明書』と『領収明細書』が必要になります。海外旅行中に医療機関にかかることが予想されるときには、あらかじめ、この二つの書類を各保険者の窓口で入手しておきましょう。
海外療養費の払い戻し請求期限は、治療費を支払った日の翌日から起算して2年間です。


 

【海外旅行の際の薬の携行】


精神安定薬、睡眠薬、がんの痛みを抑えるために処方される医療用麻薬など、一部の薬については、海外旅行に携帯する際に、特別な配慮や手続きが必要になる場合があります。薬によっては、許可が出るまでにかなりの期間を要することもあります。
処方されている薬の中に気になるものがある場合には、担当医や薬剤師に、できるだけ早く相談するようにしましょう。


 
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