「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
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悩み
がんという病名への恐怖と、時に死への恐怖があった。
29 件の体験者の声があります。
- (患者本人、50代、女性、肺、2003年版)告知されたときにはがんイコール死、そればかり考えて恐ろしい毎日だった。
- (患者本人、40代、女性、肺、2003年版)がんイコール死と考えたので、治療前は精神的な恐怖の方が大きかった。
- (患者本人、50代、女性、皮膚、2003年版)がんと診断されれば死につながると思い、毎日が恐かった。
- (患者本人、70代、男性、骨髄腫、2003年版)不安と恐怖で夜眠れず、いつ死ぬかと毎日悩んだ。
- (患者本人、50代、女性、子宮、2003年版)がんイコール死であり、死までどのくらい苦しまなければならないのかという死への恐怖を感じた。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)がんイコール死という概念があったので、恐怖心でいっぱいになった。自分の気持ちをどうもっていけばいいのかわからなくなり、考え込んでばかりだった。
- (患者本人、50代、女性、卵巣・卵管、2003年版)がんイコール死と思っており、就寝時間になると自分はいつ死ぬのかと不安と恐怖から、布団の中で毎晩泣いていた。
- (患者本人、70代、女性、大腸、2003年版)死に至る病という認識で、落命の恐怖を感じ、活火山の火口にいる心地だった。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)がんイコール死、と考えただけで、不安と恐怖で何も手につかない日々だった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)がんイコール死という恐怖を感じた。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)頭の中が真っ白になり、これから先がんの進行具合がどうなのか、死を覚悟しなくてはと思いどうしたらよいか毎日不安と恐怖感で悩んだ。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)がんイコール死のイメージが強く、死の恐怖があった。
- (患者本人、80代、女性、肺、2003年版)がんイコール死ぬのではないかと恐怖で頭がいっぱいになった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)がんイコール死しか考えられなかったので、恐いという思いしかなかった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)世間一般に「がんイコール死」というイメージがあるので死への恐怖と闘うのが耐えられなかった。
- (患者本人、50代、女性、大腸、2003年版)がんイコール死ということが浮かび、死への恐怖の反面、まだすることがあるのにと、精神的に参ってしまった。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)「がん」イコール「死」という図式が当然という思いがあり、死に対する恐怖が1番大きかった。
- (患者本人、70代、男性、食道、2003年版)弟が食道がんで死亡しているため、2晩ほど死の不安と恐怖で悶々とした。
- (患者本人、40代、女性、悪性リンパ腫、2003年版)乳児をおいて死んでしまうと思い悩んだ。自分というものだけ存在しなくなることへの恐怖。
- (患者本人、40代、男性、腎臓・副腎、2003年版)がんイコール死というイメージからくる恐怖を感じた。
- (患者本人、60代、男性、大腸、2003年版)「不治の病」との先入観の為、これからの生き方に関して非常なる恐怖感にとらわれた。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)術後の痛みや思い通りにならない身体に焦りや苛立ちを覚え、死に対する恐怖は以前にも増して大きくなり自分を責める毎日だった。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)死の恐怖が頭をよぎりパニック状態となって自分を見失った。
- (患者本人、50代、女性、胃、2003年版)目の前が真っ暗になり手足が震えた。死の恐怖感にかられた。
- (患者本人、50代、男性、胃、2003年版)今まで死ということなんかは考えもしなかったので、いろいろ悩み始めてから非常に恐くなり始めた。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)がんという病名への恐怖で、誤診ではないか、何で自分ががんという恐ろしい奇病になったかと思い、時に死の恐怖もあった
- (患者本人、70代、男性、食道、2003年版)告知のあった後、2晩ほど死を見つめ不安、恐怖などで悶々とした。
- (患者本人、70代、男性、不明、2003年版)死期の迫る恐怖、誰にも言えない自分自身の心の葛藤に苦しんだ。
- (患者本人、40代、女性、子宮、2003年版)「死」の恐怖が感じられ、そこから始まる検査治療すべてが恐かった。
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【がんと診断されることは誰にとっても衝撃的な出来事】
がんと診断されることは、衝撃的な出来事です。特に、余命を告げられるということは、死を意識し、その衝撃はとても大きいと思います。今回の悩みの調査のなかにも何人も書かれていた「その瞬間頭が真っ白になってしまって、その後先生が何を話したのか全然覚えていない、どうやって自宅に帰ったのかもわからない。」、「呆然として何が何だかわからない。」などの言葉が、その衝撃の大きさをあらわしていると思います。混乱のなかで、気持ちが落ち込んだ状態が続き、部屋に引きこもってしまったり、誰とも話したくなくなることもあります。ご家族や親しい人々の何とか支えたいという思いからかけた言葉も、時には白々しく感じ、誰にも自分のつらさはわからないのに、簡単なことを言うな!と怒りの気持ちがわくこともあります。同時に、どうなるのかわからない未来への漠然とした不安が次々と頭をめぐります。
こういうときは、こころがとても過敏になっていますから、周囲の何気ない言葉や振る舞い、視線などに対して、悪い方へと考えがちで、自分だけが孤立してしまったような感覚にもなります。
こころの動揺や不安定さは、がんを告げられたとき、余命を告げられたとき、誰にでもあることです。ご家族や周囲の方々も、患者さんのこのようなこころの状態を理解することが大切です。
【つらい気持ちを抱え込まない】
がんになったことで、がんそのものや死への恐怖を感じたとき、どうしようもなくつらくなったときには、その不安やつらさを自分のこころの底に押し込んでしまわないようにしましょう。無理に押さえ込もうとしたり、がんばらなければ、こんなことを考えていてはいけないと自分を奮い立たせようとして無理をすると、こころがどこにも行き場がなくなってしまいます。こういうときは、こころの中のつらい部分のガス抜きができるように、自分の気持ちを受けとめてくれる人、家族や何でも話せる友人に、不安に思っていることや揺れ動く思いを話してみましょう。泣いてしまってもかまいません。あなたは一人ではありません。
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