自分の助言集をつくる
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手術の創(きず)の痛みは、誰もが感じるものです。ただ、痛みがどれくらいの期間続くのか、痛みがどの程度なのか、などは人によって異なり、本人でなくてはそのつらさがわかりにくいものです。また、手術から時間がたち、痛みが徐々にやわらいでほとんど感じなくなっていても、湿度が高い時などは神経痛のように痛むことがあります。
痛み止めを使えば痛みはやわらぐかもしれませんが、手術後の痛みに使われる痛み止めは、使いすぎると胃に負担がかかることがあります(これは、市販の痛み止めも同様です)。担当医があまり痛み止めを使わないように、あるいは湿布等で様子を見るように言う時があるかもしれませんが、それは痛みがわからないというより、痛み止めの副作用も考えての発言ということもあります。
痛みは個人差があり、主観的なものなので、伝わりにくいものではありますが、伝える時の工夫も必要だと思います。それは、ご自分で痛みについてよく知り、人にわかりやすく伝えるということです。
1. 痛みを整理してみましょう
(1) どのような時に痛みが出てくるのか、あるいは強くなるのか
例)歩いているとき、動き始めるとき、からだの向きで、からだをひねったとき、重いものを持ったとき、など
(2) どのへんが痛むのか
例)創(きず)跡全体、の創(きず)左側の奥の方、など
(3) どのくらい痛むのか
例)数字で表してみる
0-10の数字で表す(0: 全く痛くない.........10: 耐えられないくらい痛い)
一日のうち、時刻による変化を数字で表してみる
(4) どんなふうに痛いのか
例)きりきり痛い、ずきんずきんする、時々ぴりっと電気が走るよう、など
(5) 痛み止めを使っていればその効果
例)痛み止めをのむと、1時間くらいでいったん楽になるけれど、6時間くらいでまた痛くなる
痛み止めを飲んでも、痛くてよる眠れないときがある
2.痛みがあることで、生活のどのようなことに困っているか
例)家事ができない、食事がとりにくい、洗濯物をほしたり、布団をあげられない、など
ご自分なりの工夫で痛みをやわらげられることもあります。
そのためには、
○ どういう時に痛みを忘れているのか
例)お風呂であたたまったとき、家族と皆でおしゃべりをしているときなど
○ どういう姿勢の時に楽なのか、など
自分の痛みと生活の過ごし方について、いろいろ検討し、よいと思われることは、生活の中に取り入れてみましょう。
痛みが続きつらいようでしたら、ペインクリニックなど痛みの専門家に相談してみてもよいでしょう。
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