「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
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悩み
術後、日に何度もある下痢の状態が続き、いつまで続くのかと悩み、心配した。
19 件の体験者の声があります。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)胃を切除してから日に4食となり、胆嚢手術のためげっぷがたまらず、食事制限がある。下痢が非常に多い。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)手術後下痢が止まらず、下痢止めを退院後ずっと服用している。
- (患者本人、70代、男性、膵臓、2003年版)膵臓の一部切除のため、時々便が軟便になりやすくて困っている。
- (患者本人、70代、男性、大腸、2003年版)術後2週間ぐらいは順調にいたが、その後下痢が激しくなり、1日に最高23回になり意識不明になった。以後2週間くらいで体調もよくなった。
- (患者本人、70代、男性、胃、2003年版)胃全摘により週1回くらい水様性の下痢をし、ガスが異常に出るので人前に出られない。気力、体力の衰えが激しいが日常生活に支障はない。食事の量や質をよく考え少しずつ克服できそうだ。下痢の最大原因は精神的なものとわかってきた。
- (患者本人、70代、男性、膵臓、2003年版)現在も続いている1日7~8回の下痢はいつまで続くのか。一生涯続くのだろうかと悩む。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)下痢便は放っておいて良いのか心配だ。
- (患者本人、70代、男性、食道、2003年版)嚥下不良、水様排便が多かったことに悩んだ。
- (患者本人、70代、女性、膵臓、2003年版)下痢、吐き気で食欲がなく、足のむくみに苦しむ。
- (患者本人、50代、男性、食道、2003年版)腹の調子が悪く、下痢をすることに悩む。
- (患者本人、70代、男性、食道、2003年版)手術後、下痢が2、3日ごとに起こり、食後胃が痛むこともあり。体重が44kgから増えないので悩んでいる。
- (患者本人、40代、女性、胃、2003年版)少しずつ体調は改善したものの、貧血、下痢、腹痛、食事の摂取量の低下が起こり、イレウスも影響しての症状であったので職場復帰していいのか、しても仕事ができるのか悩んだ。
- (患者本人、60代、男性、食道、2003年版)手術後3年経過し、慢性的なダンピング症状や下痢、胃液の戻しなどの悩みがあるが、医師、家族に同じことを何年も言い続けられず1人で耐えていくしかないと思う。
- (患者本人、70代、男性、大腸、2003年版)下痢が続き、調子が良くなるまで長くかかった。
- (患者本人、50代、男性、胃、2003年版)食後に下痢をする。
- (患者本人、50代、女性、膵臓、2003年版)術後の後遺症の下痢に悩まされている。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)術後3年経過し、再発の心配と、併発している糖尿病の心配、下痢があることに悩む。
- (患者本人、50代、女性、胃、2003年版)治療後、不快さと、ダンピング、低血糖、下痢、体重減少に悩んだがあきらめていた。
- (患者本人、60代、男性、大腸、2003年版)いきなりの便通(ストレス等による、下痢)
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【新たな食習慣を身につけていく】
胃を切ったり大腸の手術をした後に、下痢を起こしやすくなることがあります。これは、胃や大腸の手術をすることで食べ物を消化したり吸収したりするはたらきが低下してしまうためです。
これまでの食習慣を見直し、新たな消化能力にあわせた食習慣を身につけていくことが大切になります。これまで意識せずに行ってきた「食べる」ことを意識的に変えていきましょう。また、もともとの食習慣、生活習慣、消化機能、手術範囲や術式も異なりますから、術後の経過は全ての方が同じ訳ではありません。食べるスピードのとり方や一度に食べられる量なども異なってきます。
ただ、基本は、「少しずつ」、「よくかみ」、「分けて」食べることです。
食べ物を消化するということは、食べ物を口に入れたときから始まります。胃を切ってしまうと、食べ物が胃のなかでよくまぜあわされ消化していく働きが落ちるということですから、そのはたらきをどこかで補っていく必要があります。
口の中で、よくかむことで食べ物は小さくなり消化されやすくなりますし、唾液のなかの酵素も消化を助けます。食べ物が小さくなれば消化管を通りやすくなりますし、唾液の酵素で消化をサポートできます。特にこれまで、早食いやほとんど丸呑みしていた人は、上記のことを特に意識して行っていきましょう。
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