【新たな食習慣を身につけていく】
胃を切ったり大腸の手術をした後に、下痢を起こしやすくなることがあります。これは、胃や大腸の手術をすることで食べ物を消化したり吸収したりするはたらきが低下してしまうためです。
これまでの食習慣を見直し、新たな消化能力にあわせた食習慣を身につけていくことが大切になります。これまで意識せずに行ってきた「食べる」ことを意識的に変えていきましょう。また、もともとの食習慣、生活習慣、消化機能、手術範囲や術式も異なりますから、術後の経過は全ての方が同じ訳ではありません。食べるスピードのとり方や一度に食べられる量なども異なってきます。
ただ、基本は、「少しずつ」、「よくかみ」、「分けて」食べることです。
食べ物を消化するということは、食べ物を口に入れたときから始まります。胃を切ってしまうと、食べ物が胃のなかでよくまぜあわされ消化していく働きが落ちるということですから、そのはたらきをどこかで補っていく必要があります。
口の中で、よくかむことで食べ物は小さくなり消化されやすくなりますし、唾液のなかの酵素も消化を助けます。食べ物が小さくなれば消化管を通りやすくなりますし、唾液の酵素で消化をサポートできます。特にこれまで、早食いやほとんど丸呑みしていた人は、上記のことを特に意識して行っていきましょう。