若手職員の声

2025年掲載
令和6年度入職 勝又雄祐

 静岡がんセンターに入職してから8カ月が経過しました。
 入職したばかりの時は、病院薬剤師の業務についてほとんど知識もなく、やっていけるか不安でしたが、先輩方に丁寧にご指導いただき、調剤室業務、注射薬センター業務、持参薬業務、IVHミキシング業務など徐々にできる業務が増えてきました。8カ月を通じて、入職して良かったと感じたこと、業務、職場という点で感想を書きたいと思います。
 私が入職して一番良かったと感じた点は、しっかりと教育を受けられる点です。当院では入職後2カ月間、毎日教育担当の指導者の下で、基本的な業務や臨床で必要な知識を教わることができます。更に日々のレポートを通して、知識の補足や疑問点を解消することができます。また様々な講義を通して、働いていく上で必要な知識を身につけることができます。2カ月が経過した後も、新しい業務が始まるごとにしっかりと教育を受けることができます。今も日々分からないことに直面していますが、その度に先輩方にフォローいただき感謝していると同時に、相談しやすい環境だと実感しています。
 業務については当院ではシフト制で業務を行っているため、毎日いろいろな業務に携わることができます。ある一日のシフトを例に挙げたいと思います。朝は8時半から始業します。この日は8時半から13時半まで入院持参薬チェックのシフトでした。入院持参薬チェックは、院内の持参薬コーナーで、その日に入院される方にお手持ちの薬を持ってきてもらい、服薬状況を確認するという業務です。また持参薬の中には、術前休止薬も含まれているため、きちんと休薬されているのか確認が必要になります。日によってはたくさんの方が入院するため一人一人見落としがないよう注意を払いながら業務にあたりました。13時半から14時半までは1時間昼休憩を取り、14時半から17時15分までは、調剤室業務でした。調剤室では経口抗がん剤をはじめ、様々な処方を目にすることができます。また調剤室業務では、個室にて経口抗がん剤、麻薬の初回指導も行います。私はこの初回の麻薬、経口抗がん剤の指導には特にやりがいを感じています。薬に関して勉強した知識をもとに、服薬方法や副作用について説明するのですが、患者さんによってどういった説明の仕方が良いか模索しながら行わなければなりません。ただ説明するのではなく、不安に思われていることや疑問を引きだし、患者さんにとって有意義な時間だったといえるよう工夫することが求められます。時にもっとこうすべきだったと後悔することもありますが、その分患者さんに感謝してもらえたときの喜びは大きいです。正解は無いとは思いますが、これからも工夫していきたいと思います。
 職場は人数も多く、若手からベテランまで幅広い年齢層の職員がいるため、毎日活気に満ち溢れています。若手が多いというところも魅力の一つだと思います。また、労働組合が定期的に企画しているイベントを通して、多職種の方々ともつながりを持つこともできます。
 来月からは病棟業務も始まり、さらに患者さんと近い距離でかかわっていく機会が増えます。まだまだ一人前の薬剤師には程遠いと痛感していますが、毎日一つ一つ積み重ねて、少しでも患者さんのためになれる薬剤師を目指したいと思います。

令和6年度入職 飯田浩隆

 静岡がんセンターに入職してもうすぐ10か月になります。受け身のままで良かった大学生のころとは異なり、自分の行動に責任が生まれるため、積極的に学ぶ必要性を強く感じます。入職したてで右も左も分からなかったころと比べたら出来ることも増えてきましたが、まだまだ先輩方に迷惑をかける毎日です。そんな私がこの病院を選んでよかったと感じる点は、主に2つあります。
 1つ目は新人教育の手厚さです。新入職員にはそれぞれ1人ずつ先輩が教育に付いてくれて、1日の学んだ内容をフィードバックしてもらえるようになっています。調剤室(主に内服薬の調剤・監査)と注射薬センター(主に注射薬の調剤・監査)で、業務の内容がかなり異なり、はじめのうちはかなり頭が混乱しました。そういったときに聞きやすい先輩がいるのはとても心強かったです。その他にも吸入薬や抗がん剤、医療用麻薬の初回指導を、直接患者さんに行う前にロールプレイ形式で練習させてもらい、アドバイスをしていただけるのも助かりました。特に先輩方が過去に答えるのに困った質問などを教えていただき、とても参考になりました。
 2つ目は勉強できる環境が整っていることです。静岡がんセンターでは抗がん剤を使う治療が多いため、求められる知識も専門性が高くなります。特にがん領域では新薬が出たりガイドラインが変わったりすることも多いので、定期的に情報をアップデートしなければなりません。当院では職員用の図書館があり、気軽に文献を探すことができます。また薬剤部にも抗がん剤治療に関する本も置いてあるため、気になったことがあればすぐに調べることが可能です。難しいことも多いですが、勉強した知識を患者さんにどう還元するか考えることは、テストのために勉強していた頃よりもずっとやりがいを感じています。
 今後はさらに病棟業務や抗がん剤のミキシングなどが始まる予定です。患者さんや多職種との関わりが増えていく中で出来ることをひとつひとつ増やしていき、安心して治療を受けてもらえるように日々研鑽していきたいと考えています。

令和6年度入職 永山虎太郎

 静岡がんセンターに入職して8か月が経過しました。3か月の研修期間の後、半年弱業務に携わり、だんだんとできる仕事も増えてきました。
 私の静岡がんセンターへの入職は、「患者満足度が高い病院である」と病院実習(当院ではありませんが)の指導薬剤師から話を聞いたことがきっかけでした。患者さんと深く関われそうであり、興味があるがん分野も深く学べると考えたため入職を決めました。
 現在行っている業務は調剤室や注射薬センターでの業務、IVHの混注や外来で抗がん剤治療をする患者さんのレジメンチェックなどのほか、患者さんと直接関わる機会として、窓口での外来処方の交付、持参薬コーナーでの聞き取りが挙げられます。当院は外来も院内処方を行っているため、入院患者だけではなく外来患者に対してもどのような薬が出ているかを知ることができます。内服の抗がん剤を使用している人については、検査値や用法用量が載ったシートを用いて処方の妥当性を検討しており、特に休薬期間のある薬は、システムに投与量や服用日数の記録を行い、正しく休薬されているかスケジュールの確認を行っています。窓口ではその情報をもとに患者さんが正しく薬を服用できるよう必要に応じて指導を行い、医療用麻薬や抗がん剤を初めて使用する患者さんには使い方や副作用を詳しく説明するなど、患者さんの助けになることができているとやりがいを感じています。持参薬コーナーでは入院前に、薬の服用状況を確認することで病棟に引き継ぎを行ったり、術前の患者さんの休薬状況を確認したりして、薬のトラブルで治療に影響がないようサポートしています。ここでも患者さんと実際にお話しすることで、入院直前の患者さんの悩みや不安をお聞きすることもあり、和らげる一助になれたらという思いで取り組んでいます。
 日々分からないことも多くありまだまだ知識・経験の不足を感じますが、教育担当の先輩方をはじめ先輩薬剤師の方々に頼りながら、勉強の毎日を送っています。これから病棟業務や抗がん剤ミキシングなど、ステップアップした業務の研修も始まっていきます。患者さんやほかの医療従事者から信頼され、患者満足度に貢献できるような、一人前の薬剤師となれるよう努力していきたいと思います。

令和6年度入職 木村幹音

 大学を卒業し、静岡県立静岡がんセンターでの薬剤師としての生活が始まってから早くも9か月が経とうとしています。
 入職当初は薬の知識も無く、社会人として組織での立ち振る舞いもわからない中、大きな病院で薬剤師として働いていけるか不安な気持ちでいっぱいでした。
 病院薬剤師の業務は多岐にわたりますが、静岡がんセンターでは3か月の研修期間中に毎日記載する業務日誌や、業務習得のチェック表を用いて研修が進められることで、確実に日常の業務を身に付けることができます。また、一人ひとりに薬剤師の先輩が教育担当についてくださるため、気軽に業務について相談することができ、とても心強いです。当院はがんの専門病院ですので、日常的に様々な抗がん剤に触れることになります。患者さんへのリスクが大きい薬剤ですので調剤には一層の注意を払う必要がありますが、薬剤部では内服の抗がん剤の場合、各種抗がん剤の適応症、用法用量、減量基準、患者さんの検査値などが一覧となったチェックシートを用いて調剤監査を行っています。また、注射薬でもレジメンごとにチェックシートを用いた処方監査を行うことで、適正使用に漏れがないように確認しながら調剤を進めることができます。このような研修体制やチェックシステムをもってして、専門的ながん治療に関わることができるのが、当院の大きな魅力であると感じています。
 調剤業務を身に付けた後は、麻薬の初回説明、内服抗がん剤の初回説明といった患者さんへの服薬指導を経験します。大きな不安を抱えている患者さんに対し、どうすれば必要な情報を伝えられるか、試行錯誤の日々です。
 最近では入院される患者さんとの持参薬面談の業務が始まりました。実際に患者さんと話をする中で、ほとんどの患者さんががん以外の併存疾患を抱えていることが印象に残ります。抗がん剤以外のハイリスク薬を使用している方も少なくありません。
 例えば心疾患で抗凝固薬を服用している患者さんががんの切除を予定している場合、適切な休薬期間がおかれているか確認しなければなりませんし、周術期には糖尿病治療薬にも注意が必要です。抗がん剤の支持療法に用いる薬の中には血糖値を上げてしまうものなどもあります。患者さんの治療を適切に行っていくためには、併存疾患にも目を向け、抗がん剤のみならず様々な薬の知識が必要であると日々痛感しています。
 今後は病棟業務の研修が始まります。より患者さんに近い場所でチーム医療に参加することができるという楽しみもありつつ、患者さんや他職種からいち薬剤師としての働きを求められるという責任感を感じています。知識も経験も足りないことだらけですが、日々勉強を重ね、いち早く薬の専門家として患者さんの治療に貢献できるよう、努力したいです。

2024年掲載
令和5年度入職 及川和典

 私は北海道大学病院で3年間、虎の門病院で6年間病院薬剤師として勤務し、大学生の時からがん治療専門病院での勤務を希望していたため、2023年4月より静岡がんセンターに入職し8カ月程が経過しました。
 新しい環境で多くのことを学ぶことができました。その中でも前施設と比較して業務を行う上で参考になった、良かったと感じている点が2つあります。
 1つ目は抗がん剤処方に対するチェックシステムです。抗がん剤はハイリスク薬の中でも細心の注意を必要とするため、処方鑑査を徹底する必要があります。そこで静岡がんセンターでは内服抗がん剤は薬剤ごとに、注射抗がん剤はレジメンごとに、適応や用法用量、投与・中止基準、検査値etc.が記載されたチェックシートを利用して調剤鑑査を行います。年々抗がん剤の数は増え、処方をチェックしていく上で上記のことが多岐にわたり複雑化してきたため、日常業務を行っている中で不明瞭な薬剤、レジメンに対面する場面があります。チェックシートを利用することで必要なことを漏れなく処方鑑査できるため、とても素晴らしいシステムだと感じています。
 2つ目は、がん疼痛緩和に関することです。静岡がんセンターでは多くの医療用麻薬を始めとするがん疼痛緩和に関する処方が多いため、処方から様々な背景をもった患者に応じた処方の形を学ぶことができます。また、緩和医療科医師より薬剤部で医療用麻薬の講義があり、基礎的なことから症例を用いた処方例などについて話を聴くことができ、とても参考になりました。
 現在、いくつかの業務で研修を行い先輩方に迷惑をかけることもありますが、今後は今までの経験を活かし積極的に患者さんや他職種の医療従事者、薬剤部の皆様に貢献できるよう、目標とする薬剤師像を目指して研鑽していきたいと思います。

令和5年度入職 天井華子

 静岡がんセンターに入職して、また薬剤師としてのキャリアをスタートさせてから9ヶ月が経とうとしています。私が静岡がんセンターに入職するきっかけとなったのは病院見学会です。学生時代研究室のテーマががん領域だったこともあり、元々がんに携わる仕事に興味がありましたが、病院内の雰囲気が明るく、さらによろず相談の設置など患者さんの心のケアに重点を置いている点に魅力を感じ、入職を決めました。
 入職してからは最初に注射薬センターや調剤室で調剤、監査業務を行いました。学生時代に学んだことのあるお薬を実際に手に取った時には国家試験の勉強が臨床の現場で生かされていると感じる一方、まだまだ初めて見る薬も多くあり、自己研鑽の重要性を痛感しています。基本的な調剤、監査業務を習得した後は麻薬・抗がん剤の初回説明が始まり、徐々に患者さんとお話しする機会が増えていきます。麻薬・抗がん剤の初回説明では最初にロールプレイを通して先輩方からアドバイスをいただき、更に先輩方の説明を見学させていただきます。このため事前に重要なポイントや流れのイメージを掴んでから指導に行くことができます。独り立ちしてからも、患者さんによって治療に対する姿勢や理解度、薬を使用する背景はそれぞれ異なるため、どのように説明すると分かりやすいか試行錯誤しながら指導を行っています。
 他に高カロリー輸液の無菌調製では初めに先輩方についていただき、連結管やハイカリックバッグを使用した調製など基本的な業務を習得します。混ぜるだけでなくカリウム濃度や配合変化にも注意することが大切だと学びました。
最近では持参薬コーナーでの業務が始まりました。持参薬コーナーでは患者さんが持ってきた薬の用法・用量を確認する他、休薬する薬がないか、休薬が必要に応じてされているかを調べます。確認漏れがないか常に細心の注意を払いながら業務を行っています。
 今後は病棟業務や抗がん剤のミキシング業務も始まります。今は知識不足を痛感することも多く先輩方の力をお借りすることもありますが、日々の研鑽を積み重ね、できる業務を増やしていきたいです。

令和5年度入職 髙橋瑞季

 大学を卒業し、静岡がんセンターに入職してから、早くも9ヶ月が経とうとしています。入職したての頃に比べ、できることが増え、やりがいを感じつつ、薬剤師の責任の重さに日々身の引き締まる思いです。
 当院では、まず内服薬、注射薬の調剤監査など基本的な業務について学びます。学んだことをレポートに記し、フィードバックをいただくことで業務の振り返りができるため、安心して仕事に取り組むことができます。また、新入職員向けの講義では、業務に必要な基礎知識や意義などについて学ぶことができ、仕事への理解を深めることができます。覚えることは多いですが、新卒でも着実に成長できることが当院の大きな魅力の一つではないかと思います。初めての業務は緊張しますが、初めのうちは先輩についていただくので、わからないことがあってもすぐに解決しやすい環境の中で仕事を覚えられます。また先輩方は皆さん知識が豊富で、いつも冷静に対応される姿に憧れます。新人の私たちに気さくに話しかけてくれる方も多く、励みになっています。
 ここで、私が日々の業務の中で特に印象的だと感じるものについてお伝えしたいと思います。当院では、投与量やタイミングなどに慎重さを要する抗がん剤や医療用麻薬を多く扱うことから独自のシステムを使用した業務があります。例えば、抗がん剤の中には休薬する期間が必要な薬もありますが、毎回処方日数等を記録し休薬期間を確認するため、新人でも間違いなく患者さんに薬をお渡しすることが可能となっています。医療用麻薬についても用法等を記録し、今までどのように使用していたかを履歴に残すシステムがあるため、調剤時には毎回それを見て、妥当性を確認しています。
 また、抗がん剤や医療用麻薬を初めて使う患者さんには相談室等で説明も行っています。患者さんに合わせた説明をしなければ、服薬アドヒアランスが低下してしまう恐れもあり、難しい業務の一つであると感じます。毎回自分の説明で良かった点と反省点を振り返り、次回に活かせるように考えています。
 患者さんや他職種の方と接する中で、薬に関する質問をされることは多く、自分の知識不足に反省することも多い毎日ですが、日々の学習を積み重ね、信頼される薬剤師を目指したいです。

2023年掲載
令和4年度入職 渡邉吉博

 静岡がんセンターに入職して約10か月が経ちました。
 静岡がんセンターでは入職してから約3か月間、毎日業務についてレポートを書き、先輩にフィードバックしていただくことになっています。この中で、調剤室や注射薬センターでの基本的な業務について、業務中に遭遇した薬学的な疑問点などについてもしっかり学ぶことができたと思います。また、IVHのミキシング業務、抗がん剤のミキシング業務についても先輩が指導についてくださり、独り立ちできるまで手厚いサポートがあります。こういった充実した教育制度が静岡がんセンターの良いところだと、入職してから一番感じました。
 最近では、病棟業務にも一人で取り組むようになりましたが、まだまだ知識不足、経験不足を痛感する毎日です。特に、医師や看護師から薬に関する相談をよく受けますが、日々の業務で触れているはずの薬でも、改めて学習不足だった部分を痛感することが多いです。その度に添付文書やインタビューフォームなどを調べ、薬ひとつずつの知識を身に付けています。また、病棟業務では、抗がん剤治療を受ける患者さんに初回説明を行っています。事前に抗がん剤の特徴や注意点に加えて患者さんの背景を確認し、今回の治療についてどのような伝え方をすればよいか、イメージをつけてから説明するようにしています。説明後は患者さんに「丁寧に教えてくれて、ありがとう」などと感謝の言葉をいただくこともあり、とてもやりがいを感じます。また、自身の説明を振り返り、良かった点と改善できる点を書き出し、次回に生かすようにしています。
 まだまだ一人前の薬剤師には程遠いですが、日々の自己研鑽を怠らず、患者さんや他職種の方から信頼していただけるような薬剤師になりたいと思います。

令和4年度入職 小林柚葉

 静岡がんセンターに入職して約1年になります。右も左も分からなかった入職直後に比べ、出来る業務が増えてきました。それと共に、医療現場で働く薬剤師としての責任の重さを身をもって感じています。
 現在は、調剤室や注射薬センターでの調剤・監査、外来患者さんへの薬の交付や内服抗がん剤、医療用麻薬の初回説明、入院持参薬コーナーでの面談、レジメンチェック、高カロリー輸液のミキシング等の業務を行っています。これらの業務を行う中で、まだまだ分からないことや失敗することも多く、その都度調べたり、先輩方にアドバイスを頂いたりと、日々模索しながら業務にあたっています。
 業務の基本となる調剤・監査において、特に内服抗がん剤では用法用量に加え、休薬期間や検査値、医師のカルテの記載事項等、確認事項が沢山あります。休薬期間や処方日数等、疑問に思った点は、医師や患者さん本人に直接確認を行い適切な薬を払い出すこと、患者さんの安全を保障する薬剤師としての使命に、やりがいと共に責任を感じます。
 また、入院持参薬コーナーでは、限られた時間内で持参薬の飲み合わせや用法用量に問題はないか、手術前に休薬すべき薬はないか、ある場合はしっかり休薬できているか等について面談を行い、必要事項は他の医療スタッフに情報共有を行うなど、入院中に安全な治療が行えるよう個別に確認を行っています。
 最近は、病棟での研修も始まりました。入院患者さんに、抗がん剤の投与スケジュールや主な副作用の説明を行ったり、投与してから数日経過した後の体調を伺ったりと、直接患者さんの声を聴きながら薬物治療の評価を行っています。患者さんや他の医療スタッフと関わり合いながら仕事をする上で、より幅広い知識やコミュニケーションが必要となります。学ぶべきことは多く、大変ではありますが、多くの先輩方に支えて頂きながら日々奮闘しています。
 チーム医療の一員として責任を持ち、信頼される薬剤師になれるよう、一歩ずつでも着実に、経験を積み、知識を増やし、努力を重ねていきたいと考えています。

令和4年度入職 前野由依

 静岡がんセンターに就職して1年弱が経過しました。
 入職前に何度も読んだ「若手職員の声」を書く立場になったことに驚いています。
この1年弱を通して、医療に携わる責任の重さ、そして病院薬剤師の業務の幅広さを感じています。覚える業務はとても多いですが、ひとつずつ確実に身につくよう研修が組まれています。始めの3ヶ月は調剤室と注射薬センターで研修し、ルーチンワークを身につけます。この期間は毎日学んだことや疑問に思ったことをレポートに記録し、インストラクターの先輩に確認してもらいます。フィードバックの中で、さらに知識を深められるよう新たな問いかけを頂くこともあります。レポートでのやりとりにより、知識が身につくだけでなく日常業務での不安の解消にもつながり、とても心強いです。調剤室や注射薬センターの研修が終わってからは、IVHのミキシング研修やハザード室での抗がん剤のミキシング研修が始まります。どちらの研修もカリキュラムに沿って、段階的に手技を身につけていくことができます。指導者の先輩方からアドバイスをいただき、不器用な私でもゆっくりと確実に手技を身につけていくことができました。
 また、外来患者さんの院内処方率が高い当院ではおくすり窓口で患者さんと関わる機会があります。飲み方の注意や、処方日数の確認などは短い時間の中で行います。短い時間でどのように上手にコミュニケーションをとるか、試行錯誤の日々です。
 入職前は、抗がん剤の知識をひたすらに身につけなければならないと思っていましたが、業務の中で抗がん剤以外の知識が非常に重要であることを痛感しています。患者さんによってはがん以外にも併存している疾患があることも多く、高齢の患者さんでは特に腎機能にもより一層の注意が必要です。静岡がんセンターの薬剤部には、がんだけでなく他の分野についても知識が豊富な先輩がたくさんいらっしゃり、いつも多くのことを学ばせていただいています。目指したい薬剤師像そのものの先輩方がたくさんいるため、モチベーション高く業務に当たることができます。
 これからは病棟業務の研修が始まります。患者さんや他職種と密接に関わる機会が増えることへの緊張感と、病院薬剤師ならではの業務が始まることへの楽しみがあります。患者さんが安心して治療に臨めるようサポートしたいです。
 業務は覚えて忘れての繰り返しでまだまだ知識不足を痛感してばかりですが、患者さんや先輩方との関わりの中で学んだことを患者さんに還元していけるよう、薬剤師としても人間としても成長していきたいです。

令和4年度入職 杉山右京

 新社会人として静岡がんセンターへ入職してから約10カ月が経ちました。
 当院での業務内容は、調剤監査だけでなくレジメンチェックやミキシング、持参薬の確認など多岐にわたり、はじめは分からないことばかりでしたが先輩方の指導もあり、ようやく日常業務に慣れてきました。業務中は自身が疑問に思ったこと以外にも先輩方から多くの問いかけがあり、今でも日々勉強の毎日です。しかし、そのおかげで大学では学ぶことができなかった臨床現場での問題や、自分が目を向けていなかった側面からの発見があり、非常に充実した日々を送れています。
 まだ病院薬剤師として十分な知識を有しているとは言えないと思いますが、それでも薬剤師としての知識をもとに医師へ処方提案することができるとやりがいを感じます。実際に他院処方からの切り替えで医師から問い合わせを受け、当院採用薬では簡易懸濁をすることができなかったため、別剤形の適切な投与量を提案し、その提案をもとに患者さんへ処方がされたということがありました。その他にも検査値や休薬期間を考慮して抗がん剤の疑義照会したこともあり、こうした提案や疑義照会ができるよう、日々の勉強は欠かせないと感じています。
 日常業務において特に難しいと感じるのは、医療用麻薬や経口抗がん剤の初回指導です。当院はがん治療の専門病院ということもあり、医療用麻薬や経口抗がん剤が多く処方されます。これらを正しく使用してもらうためにも、初めて処方された患者さんには相談室にて初回指導を行っており、この指導に苦労することがあります。指導自体は基本的に説明書通りに進めていくのですが、すべてを説明書通りに進めるのではなく、追加の情報提供をしたり、重要な点は強調したりと説明の技術が求められます。さらに、患者さんごとに様々な背景があり、それに合った説明をしなければならないため、毎回どうしたら患者さんが理解しやすいかを考えながら指導する必要があります。私自身、指導後にもっとこうしていれば良かったと思うことが何度かありましたが、この反省をもとに次の指導へと活かしていきたいです。
 現在行っている調剤監査業務でもまだまだ新たな発見があります。さらに、今後は病棟業務や抗がん剤のミキシングなど多くの覚えるべき業務がありますが、日々勉強を続け、薬の専門家として患者さんの治療に貢献できるよう頑張ります。

令和4年度入職 田上優月

 私は、静岡がんセンターの明るい雰囲気に惹かれて入職しました。入職して改めて、外来でがん治療を行っている患者さんの多さに驚きました。私も少しでも治療の支援ができればいいなと思って働いています。静岡がんセンターは薬剤師の人数が多く、専門資格を持っている先輩もおり、相談相手が多くいることが心強いです。初めは、教育担当者や周りにいる先輩に教えてもらいながら少しずつできることが増えました。教育研修の期間は、レポートにて毎日フィードバックをもらい、学んだことの確認に加えて更なる知識をもらうことができ、とても勉強になりました。
 静岡がんセンターは外来患者さんに院内処方での調剤を多く行っているため、抗がん剤はもちろんですが、降圧薬や糖尿病薬など様々な薬について学ぶ機会が多くあります。また、注射薬についても、配合変化や投与速度、抗菌薬の選択など臨床での使い方を多く学びました。カルテを見れば多くの情報を得られますが、処方箋や注射箋だけでも得られる情報がたくさんあることが分かりました。知らないことに直面することもありますが、その都度調べたり先輩に相談したりして確認しています。カルテでの添付文書検索や、iPadを利用した検索、薬剤部内の書籍など、情報をすぐに得やすい環境が整っていることもとても素晴らしいと思います。
 最近では、病棟業務も始まり、患者さんと接する機会が増えました。治療の効果や副作用についてアセスメントする上で、薬の半減期や作用機序まで考えられるとより深く考察でき、学ぶことが多くあると痛感する日々です。ガイドラインも数年ごとに改定され、自分の知識も更新が求められる現場であると感じております。まだまだ自分の業務で手一杯ですが、看護師など他のスタッフと一緒によりよい医療を提供したいと思っています。薬剤師は業務内容が多岐にわたり大変ではありますが、成長できるチャンスがたくさんあるのでこれからも頑張ろうと思います。

令和4年度入職 徳武和馬

 静岡がんセンターに入職して10か月が経ちました。入職した頃は日々の業務をやりきることで精一杯でしたが、先輩方の指導の下、今では少しずつ自信をもって業務を行うことができています。
 静岡がんセンターでは若手からベテランの方まで幅広い層の多くの先輩から知識や技術を学び、自分自身の実力へと変えていくことができると実感しています。学生時代に勉強した知識を、現場で患者さんや他の医療従事者に対して発揮することの難しさを痛感する日々ですが、相手への伝え方や処方に対する考え方や見方などを丁寧に教えていただけることで、自信につなげることができています。また、わからないことを教え合える同期が多いことは とても心強いです。
 私は患者さんに寄り添った医療を提供していきたいという思いで静岡がんセンターに入職しました。当院では入院時に病棟ではなく、入院持参薬コーナーで持参薬や副作用などを確認しています。薬について薬剤師が最初に介入することができ、手術予定の患者さんの抗凝固薬の休薬確認や入院中の必要な薬剤の過不足、要望など、実際に患者さんと話すことで、入院への不安を少しでも和らげることができるのではないか、と考えています。他の医療従事者へ薬剤に関する情報提供を行うことで、患者さんに使用している薬剤について何度も同じことを聞く必要がなくなり、業務の円滑化、患者さんへの負担軽減に寄与できています。
 また、外来で経口抗がん剤や医療用麻薬が初めて処方された患者さんには個室で用法用量や副作用、治療に関する注意事項などを説明しています。診察の際に医師や看護師に話していない情報を話す患者さんもいらっしゃいます。必要に応じて医師に相談しながら適切な情報を提供し、どんな小さな不安でも取り除くことができるような説明をし、話しやすく相談しやすい雰囲気となるよう心がけています。
 今後は病棟業務が本格的に始まり、患者さんと接する機会が増えてきます。患者さんに寄り添った医療を提供するとともに、患者さん、医療従事者のどちらにも安心感を与えられるような理想の薬剤師に一歩でも近づけるよう努力していきたいです。

薬剤部

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