治療前:今後の治療に関する気がかり

手術やその後の後遺症の不安があった。
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これからの治療に対して不安や恐怖があった。
63件の体験者の声があります。
手術の時や手術後痛いのではないかと不安だった。
18件の体験者の声があります。
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助言

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【わからない点、不安な点は担当医や看護師に確認する】
治療前は、これからの治療効果への期待とともに、合併症や副作用などへの不安があると思います。むしろ、期待より不安の方が大きいかもしれません。
治療に関する不安や悩みがある場合、その根底には治療への理解が不十分であったり、未知の事柄への漠然とした不安があったりします。
治療を行う前には、患者さんが治療に耐えられるか、治療に影響する病気はないかなど、多方面から検討します。そして、治療による合併症や副作用をできるだけ予防し、もし起こった場合にも早めに適切な対応を行います。患者さんが安定した気持ちで治療にのぞめるよう、担当医、看護師、他スタッフらで支えます。

ご自身の治療について、わからない点は、納得いくまで担当医に確認してください。その際、外来などでは時間も短いため、効率的に確認できるように、わからない点、もう一度説明してほしい点などを整理してメモ書きにしておき、そのメモを見ながら、あるいは担当医に渡してメモに沿って説明を聞くなどの工夫をしてみましょう。
質問が多い場合、看護師にまず相談してみてください。看護師がお話を聞きながら問題を整理したり、看護師で説明できることはお話したりができると思います。
また、看護師のなかには、特定の分野で熟練した看護技術と知識を用いて看護実践ができる認定看護師(がんに関連した分野では、がん化学療法看護、がん放射線療法看護、がん性疼痛看護、緩和ケア、乳がん看護、摂食・嚥下障害看護、皮膚・排泄ケアなど)、がん患者さんのからだや心などのつらさに対して、患者さんやご家族に起きている問題を総合的にとらえて判断する力と視野を持ち、専門的な知識と技術でケアを提供する専門看護師(がんに関連した分野では、がん専門看護師や精神看護専門看護師、家族支援専門看護師、在宅看護専門看護師など)などもいます。

がんや治療法について書かれた本を読んだり、インターネットで調べたりするのも良いでしょう。ただ、情報を集めるときに注意したいのは、自分のペースに合わせることです。最初は膨大な情報に圧倒されたり、焦ったりしてしまいますが、自分のペースで収集を進めるうちに、情報を選び、消化して理解するための力が、あなたのなかに自然に育っていきます。ただ、この時期は、がんや治療に関しての理解や知識もまだ少なく、不安も強いため、信頼できる情報を見極める力は弱いと考えられます。また、書籍や雑誌、インターネットで収集する情報は[一方向性の情報]で、限界があります。間違った情報、根拠のない情報なども含まれ、それを判断するのが難しい場合もあります。また[一方向性の情報]は、どこか漠然と感じ、(では、自分の場合は?)と具体的に自分に結びつけて考えにくい場合もあると思います。
双方向性で情報のやりとりができるあなたの担当医、看護師などの医療者は、あなたが納得して治療を受けるための重要な情報源ともいえると思います。

【自分の頭の中を再整理する】
具体的に説明された内容を振り返りながら、メモに書き留め整理してみると、自分の中で不安に思っていたこと、気がかりなこと、聞きそびれてしまったことなどが具体的にでてくると思います。
あなたは、担当医から病気や治療についてどのような説明を受けましたか。一緒に説明を受けたご家族が近くにいらっしゃれば、担当医の説明内容をお互いに確かめ合ってみるとよいでしょう。また、説明の際に書いてもらったメモや資料があれば、それを見ながら話し合うのもよいと思います。

例えば以下のことをもう一度整理してみましょう。
◆手術予定の場合
○ どのような手術をするのか
○ 危険性(リスク)、機能障害や合併症などの可能性はどうなのか
○ 退院後、日常生活や社会生活に出る影響としてどのようなものがあるのか
○ 入院後の予定

◆抗がん剤治療予定の場合
○ どういう薬の組み合わせなのか。
○ 治療の目標はどこになるのか、治療の効果はどのくらい期待できるのか。
○ どのような副作用がいつ頃起こり、どのくらいの期間続くのか。
○ 副作用に対して、予防するためにできることはあるか。副作用症状がでた場合は、どのような対応策があるのか。
○ 治療の期間と間隔。何コースの予定か。
○ 入院して行うのか、外来で行うのか。
○ 日常生活や社会生活にどのような影響がでると考えられるのか。
○ 治療にかかわる制限事項はあるか。

◆放射線治療予定の場合
○ 治療の目標はどこになるのか、治療の効果はどのくらい期待できるのか、いつ頃わかるのか。
○ どのような副作用がいつ頃起こり、どのくらいの期間続くのか。
○ 副作用を予防するためにできることはあるか。副作用症状がでた場合は、どのような対応策があるのか。
○ 治療の予定
○ 日常生活や社会生活での注意点はあるか、影響が出ることはあるか。
○ 治療にかかわる制限事項はあるか。

頭の中で整理していった後は、具体的にイメージできた不安な点、気がかりな点、不明な点を箇条書きなどにして、外来時に担当医に確認してみましょう。

【治療前にできること、やらなければいけないことを実行する】
これからの治療に向けて、自分にできることを実行することも、大切です。治療前の期間、これから治療を受けるあなた自身のために、自分ができることがあります。
自分のためにできる行動をすることで、あなたの不安な気持ちを軽くする場合があります。

◎治療に向けて体調を整える
◎仕事や家事の調整をする
◎病気や治療について、理解して納得できているか、自分自身に問いかけてみる

自分なりの具体的な目標を決めて、達成するために行動してみましょう。
たとえば、体調管理の具体的な目標としては、睡眠を十分にとる、栄養のバランスを考えて食事を摂る、体力維持のために毎日ウォーキングをするといったことが挙げられます。

【治療前に、あなたのからだのためにできること】
◆たばこは吸わない
たばこを吸っていると全身麻酔の手術後に痰が増え、肺炎を起こしやすくなります。また抗がん剤治療や放射線治療の副作用である肺の障害も起こりやすくなると言われています。必ず禁煙しましょう。禁煙が難しい場合は禁煙外来などがある病院もあるので、医師か看護師に確認してみましょう。

◆お酒は控えめに(できれば禁酒しましょう)
アルコールはがん治療により負担がかかる肝臓にさらに負担をかける可能性があります。また抗がん剤治療や放射線治療などで傷ついている消化管の粘膜への刺激にもなり、副作用が強くなる可能性もあるため、控えめに(できれば禁酒)しましょう。
飲む場合には、1日あたり、日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本、焼酎や泡盛なら1合の2/3、ウイスキーやブランデーならダブル1杯、ワインならボトル1/3程度までにしましょう。
また、病気や治療の種類によっては禁酒が必要になりますので、医師の指示に従ってください。

◆持病の管理やお薬の管理をしっかり行う
高血圧や糖尿病などの持病の管理がしっかりできていないとがんの治療に支障をきたすことがあります。必要な薬をしっかり内服し、かかりつけ医とも相談してきちんと管理しましょう。
サプリメントや健康食品もがんの治療に支障をきたすことがあります。これらを利用している場合は必ず担当医に伝えて相談しましょう。
病院に受診する時には、お薬手帳(飲んでいる薬がわかるもの)を持参しましょう。

◆口の中をきれいにする
口の中が不衛生な状態で全身麻酔の手術を受けると、肺炎などの合併症が起こりやすくなります。また抗がん剤治療や放射線治療の副作用である口内炎が起こりやすくなったり悪化しやすくなります。
合併症を少なくするために、がんの治療前から口の中をきれいにしておくことが重要です。治療前に歯科に受診し、虫歯や歯周病の治療をしておくようにしましょう。

◆十分な睡眠をとる
がんの治療に向けて、しっかりと睡眠をとるようにしましょう。もともと睡眠剤を飲んでいる人は、薬の種類によって、治療中や後に睡眠のパターンが乱れたり「せん妄」という意識が混乱してしまうような症状が起きやすくなることがあります。治療前に睡眠剤の調整が必要になる場合がありますので、担当医に相談しましょう。

■感染に気をつける
風邪やインフルエンザなど、からだが細菌やウィルスに感染していると、がんの治療に支障をきたします。また抗がん剤治療などにより身体の抵抗力が下がり、感染症にかかりやすくなる場合もあります。
普段から手洗いをしっかり行って風邪などをひかないようにしてください。入浴やシャワーなど、体を清潔にしておくことも大切です。
うがいは、口の中の清潔に役立ちます。少なくとも1日に4回以上、水や生理食塩水(500mlの空きペットボトルを利用して、水500ml+食塩4.5gの割合で作れます。口は直接つけないで、コップに移してうがいしましょう)などを使って、うがいやすすぎをしましょう。
冬季のインフルエンザや肺炎球菌のワクチンなどは、担当医に相談し、治療の前に受けておきましょう。

【こころのガス抜きも必要です】
病気や治療のことを考えて、気持ちが落ち込んでしまったり、一日中ふさぎこんだ状態が続いたり、眠れない日々が続くようであれば、家族や何でも話せる友人に、不安に思っていることや揺れ動く思いを聴いてもらうことは、気持ちを楽にします。一人でつらさを抱え込まないで、周囲の人に話してみましょう。

こころのガス抜きは、つらいと感じていることを、言葉にして出してみることです。つらさや不安をためこまないで、時々気持ちを外に解き放してあげることは、自分のこころのケアとして大切なことです。
ただ、身近な人だとどうしても話しにくいことがあるかもしれません。自分のとって大切な人だからこそ心配かけてはいけないと、相手を気遣って言えないこともあります。
そういう場合は、電話相談のある相談窓口などを利用してみましょう。相手の顔が見えない方が気持ちを出しやすいかもしれませんし、身近な人でない方が気遣いせずにすむかもしれません。

【がん相談支援センターを利用する】
全国のがん診療連携拠点病院には、がん相談支援センターが設置されています。がん相談支援センターでは、患者さんやご家族のいろいろな不安や悩みを聴き、問題を整理するお手伝いをしたり、必要な情報を提供したりしています。病気や治療について、今後の療養や生活のことが心配などの質問や相談にお答えしています。
また、誰かに話を聴いてもらいたい、でも身近な人には相手への気遣いもあり言いにくい、というようなときも、相談窓口を利用してみるとよいでしょう。
相談員は、研修を受けた看護師や社会福祉士、心理療法士などです。相談方法は、面談、電話相談、電子メールなどありますが、病院によって相談方法も異なり、また予約が必要な場合もあります。がん相談支援センターの情報は、国立がん研究センターの「がん情報サービス」で確認することができます。
相談支援センターの名称は医療機関によって異なる場合があります。



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