自分の助言集をつくる
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最近では、がん薬物治療(抗がん薬などの薬の治療)を通院で実施することが増えてきました。これは、抗がん薬の副作用を軽減するための薬(吐き気止めなど)やその他の対処方法が進歩してきて、通院で可能な治療は通院で行われるようになってきたからです。
また、病院によっては、通院治療センターなどが整備され、外来で薬物療法を受ける環境も整ってきました。専任スタッフを配置したり、リクライニングチェアやベッドを備えたりしています。
ただ、がん薬物治療にしても、放射線治療にしても、副作用があるので、通院での治療がつらくなる時もあります。
また、入院での治療とは異なり、その日の治療が終わって病院を出ると、医療者がすぐそばにいなくなるので、不安がつのることもあるでしょう。
けれども、入院治療に比べ、通院での治療は自分の生活リズムで過ごせるので、リラックス、気分転換ができやすいという良い点(メリット)もあります。精神的な状態にも左右されやすい吐き気や食欲不振は入院時より少ないという方もいます。
入院中は、ある意味『患者』としての生活が続きます。けれども、外来での治療の場合は、病院に行き、診察を受けたり、治療を行うときは『患者』ですが、日常、仕事に行ったり、学校に行ったり、家事をしたり、近所の人とお話ししたり、友人や知人と出かけたりと、『社会のなかで生活している自分』がいることを再認識したり、社会のなかで地に足をしっかりつけて立っているという感覚を感じることもあります。
ただし、両方の役割を常に全力投球で行っていますと、自分でも無理をしたり、自分自身がつらくなったりしてしまいます。
治療前、治療中、治療後の体調の変化を見きわめながら、自分のペースで生活のリズムを作り出していくことが大切です。
同じ治療を何コースか繰り返すとき、1~2回目は、特に注意深く体調の変化、副作用の出方や変化等をメモするなどして、1コースから次のコースまでの自分の体とこころの全体のバランスを把握しましょう。メモを取っておけば、後で担当医に確認できますし、以後の治療を受ける際に自分の体調の変化を予想しやすくなります。
また、自分自身で試みた副作用への対応(食べやすい食事、吐き気があるときに一番楽な姿勢、生活環境の中で吐き気が強くなるニオイのするものの整理など)で効果があったものを次にも実行してみましょう。
自分の治療に積極的に参加する気持ちをもつことで、医師の話も集中して聞くことができるようになります。不明な点、気がかりがあれば、その都度確認するようにしましょう。
(最終更新日 2024年6月10日)
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