自分の助言集をつくる
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『新聞や雑誌に載っている食品や薬』というのは、健康食品やサプリメントのことではないかと思います。
まず、きちんと理解しておかなければならないことは、きちんと科学的に検証されて、健康食品やサプリメントに、がんの再発を抑える効果が認められたことは、これまでにない、ということです。
あなたの体の状態や受けている治療の内容次第では、健康食品やサプリメントの利用が、逆にあなたの健康を害したり、受けている治療が効果を発揮するのを妨げたりすることもあるのです。
健康食品やサプリメントを使う時には、事前に担当医に相談するようにしましょう。相談する際には、新聞や雑誌の記事を切り抜いて持っていくなど、商品の内容を具体的に伝えるようにしましょう。
健康食品等の情報を得るときには、誰が、どのような形で情報を発信しているか、確かめてみてください。もしそれが、以下のようなものであれば、特に注意してください。
1. 特定の商品の宣伝や、それに近い情報発信
新聞や雑誌に掲載される宣伝広告は、読み進めるうちに思わずその効果を確信してしまうような、たくみな文章で書かれます。また、一見、ある物品の効果を中立的に紹介するように見せている書籍の場合も、巻末に特定の商品の取り扱い業者の連絡先を書いたり、商品のチラシを折り込んだりしているようなものについては、宣伝に準ずる情報発信と理解して、注意深く読んでください。
2. 臨床試験以外の結果の強調
ある物品のがんに対する治療効果について、試験管内での実験や動物実験で確認しただけで、人に対しても有効的であるかのような紹介のされ方をすることがあります。このような情報は、一見科学的ですが、人のがんに対する効果は、あくまでも人を対象にする臨床試験でしかわかりません。
3. 個人的な体験談
健康食品を紹介する書籍の中の体験談については、執筆者の創作であることが明らかになり、問題になったことがあります。わかりやすい言葉で書かれた体験談には共感を覚えますが、信頼性を確認しにくい場合が多く、注意が必要です。また、知人から何かを勧められて、その方の体験談を聞くこともあるかと思いますが、体質や病気の状況は人によって差があります。その方の体に合った物が、あなたにも必ず同じ効果を発揮するとは限りません。
がんの再発そのものを完全に防ぐことができる薬や食べ物、生活習慣、気持の持ち方などは、現在まだ見つかっていません。
しかし、不安とどこかで折り合いをつけて、自分らしい生き方を探し出すことができている患者さんがたくさんいることも、事実です。
不安と折り合いをつける方法は、人それぞれ違います。これまでの人生を振り返って、大きな不安を乗り越えるときに、自分がどうしてきたか考えてみることで、ヒントが見つかるかもしれません。
それでももし、強い不安が頭から離れないときには、家族や信頼する友人に、気持ちを打ち明けてみてください。泣いてしまってもかまいません。
精神科医、心療内科医、心理療法士などのこころの専門家や、おかかりの医療機関の相談員、あるいはがん診療連携拠点病院の相談支援センターの相談員に相談してみるのもよいでしょう。
誰かに話をすることで、気持ちが楽になるはずです。
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