自分の助言集をつくる
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家族の一人ががんにかかるということは、本人だけではなく、他のご家族にも同じようにつらさがあります。
奥様も一生懸命なのだと思いますが、一生懸命になりすぎて大切にしなければならない患者さんの意思や希望が見えにくくなっているのだと思います。患者さんは、奥様の不安が伝わり、気持ちが落ち着かなくなり、余計にいらいらしてしまいます。
例えば、患者さんは、“お前の心配も分かるが、先生を信頼して任せているから大丈夫だよ”と思っていても、口ではつい「私が決めることだから、お前は何も言うな」という言葉にかわっていたりします。また、奥様のほうは“あなたの体が心配だし、私も精一杯支えていきたいのよ”と思っていても、「あなたは私の言うことを全くきかないんだから。自分の体のことを考えずに無茶して」という言葉で応戦になったりするわけです。
言い争いを避ける良い方法のひとつとして、どちらかが一歩引くことです。そして言い返す前に、相手の言葉の奥にある気持ちを支持することが大事です。
患者さんから何か言うとすれば、まず「お前も一生懸命、私のことを考えてくれているんだね」というような言葉をかけます。
口論では「私が・・・私が…」となりがちですが、どちらかが相手の気持ちにいたわりを示すと、お互いに言葉も変わってきます。
そして、やりとりのなかで少しずつ、”自分はこう思っている、こうしたいんだ”ということを伝えあうことが大切だと思います。
患者さんとご家族が、素直に自分の気持ちを話したり、支え合ったりして、共通の目標に向かえるようになることが理想です。
もし、お二人で改善していくことが難しければ、おかかりの病院の相談室かがん診療連携拠点病院の相談支援センターにいる相談員に相談してみるとよいでしょう。
また、病気に対する疑問をもっている当人に代わって別の人が質問したり、担当医から聞いたことをその場にいなかった人に説明したりするのは、なかなか難しいことです。患者さんとご家族が同席している場で、担当医に確認するとよいでしょう。
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