自分の助言集をつくる
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ご親族にがんにかかった方がいることから、“自分はがん家系なのではないか?自分の子どももがんになるのではないか?”と不安に思われる方もいらっしゃいます。
けれども、がんはいまや決して珍しい病気ではなくなっています。
現在、男性の2人に1人、女性の3人に1人が、がんにかかると言われています。
数字のうえから考えると、たとえご親族にがんにかかった方が複数いらっしゃったとしても、そのこと自体はそれほど珍しいということではないのです。
がんは遺伝子の傷が原因だと言われることがあります。こう聞くとどうしても、“がんは遺伝するのではないか?”と考えてしまいがちです。
けれども通常、転んでついたけがの傷が子どもには遺伝しないように、生まれた後についた遺伝子の傷そのものが遺伝することはありません。
その一方で、肌の傷つきやすさ、傷の治りやすさ、といった体質は遺伝することがあります。これと同じような意味では、がんの発生に関係する体質も、遺伝する可能性があると言えます。
ですが、がんはふつう、非常に多くの要因(喫煙や食事などの生活習慣、体質的な要因、環境的な要因など)が複雑にからみあってできると考えられています。“ある体質の遺伝が、ある種のがんをほぼ確実に引き起こす”といった遺伝と特定のがんとの強い関連は、ごく希にしかありません。このことは、一卵性双生児や移民のがんの発生状況に関する研究でも裏づけられています。
いわゆる“がんの家系”には、体質の遺伝だけでなく、喫煙習慣や塩分の多い食事など、がんになる危険性を高める生活習慣を、家族として共有していることも関係があるのではないか、と考えられています。
ただし、例外的に、家族性大腸腺腫症から生じる大腸がんなど、ごく一部のがんについては、遺伝との結びつきが知られています。遺伝に関係するこのようながんでは、家族で同じ種類のがんにかかるだけでなく、腫瘍が複数できたり、比較的若く発病したり、一人の人が複数の種類のがんにかかったりすることが、よくあります。
もし、自分の家族で思い当たる場合には、担当医もしくはお近くの病院の遺伝相談外来で相談されると、専門家としての意見や生活上の助言を得られることがあります。
![]() 国立がん研究センター『がん情報サービス』 https://ganjoho.jp/public/index.html 検索窓に、遺伝性腫瘍と入力して検索してください。 原因や遺伝形式、主な遺伝性腫瘍症候群、遺伝相談(遺伝カウンセリング)などの解説や情報があります。 |
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