自分の助言集をつくる
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患者さんの多くは、病気の進行度合いや再発・転移の有無にかかわらず、日常生活のなかで、「自分ががんである」ということをなかなか忘れることができないといわれます。また、このデータベースのもととなったがん体験者の悩みや負担等の実態調査からも、調査に参加された約8千名のがん体験者の方々の半数は、不安などの心の問題を抱え、再発や転移への不安を抱える方が多い実態がわかりました。
がん体験者の方々の悩みには、“特別な眼で見るのはやめてほしい”、“周囲に気遣われるのが負担”というのもあれば、“がんの治療後でからだも心もつらいのに誰もわかってくれない”、“がんでない人に私の気持ちはわからない”というのもあります。どれも、患者さんの率直な気持ちだと思います。けれども、同時に、人によって周囲の人の言葉や態度に対しての感じ方、受けとめ方が多様であるということも示しているのだと思います。
職場というのは、家族や友人ほど、あなたとの関係が近いわけではありませんが、毎日あなたが多くの時間を過ごす場所でもあります。あなたが伝えなければわかってもらえないこともあると思います。また伝えることで、がんでなくても、あなたのこころ、あるいはあなたの状況を理解してくれて、仕事の面からサポートしてくれる人も見つかるかもしれません。
このように考えると、からだの状況等から、配慮をして欲しいと思うことに関しては、自分の口から、周囲の人に伝えて理解してもらうことが大切だと思います。
患者会などに参加し、同病者のサポーターとの出会いがある人もいれば、同じ病気ではなくても、お互いがお互いを理解し何でも気軽に言い合えたり、気兼ねなく頼めるサポーターを以前からの友人や職場の仲間の中に見いだす人もいます。
確かに同じ病気でなければわからないつらさや気持ちの揺れもあると思いますが、同じ病気であっても、つらさを感じる度合いも、何を大切にしているのかも、がんとの向き合い方も異なります。それだけ、これまでの生き方や、人との関わり方、価値観の持ち方など人によって様々なのだと思います。
仕事場に少なくとも一人、あなたのサポーターがいることは、あなたにとっても心強いはずです。これまでの職場での付き合いを振り返ってみましょう。少しでも心が許せた人、あるいは仕事をするうえでのサポーターだった人、お互いにとってお互いがサポーターだった人はいなかったでしょうか。もしそういう人がいれば、新たな関係を築き上げることなく、あなたが気持ちを言葉にして伝えることで、仕事場にもサポーターを得ることができると思います。
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