「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
「がん相談支援センター」をご利用ください。
悩み
社会から取り残されたような気がしてつらかった。
10 件の体験者の声があります。
- (患者本人、60代、男性、肺、2003年版)1人暮らしなので、入院すると自宅を閉めきりになり、一般世間との付き合いが遮断され、情報や交際に支障をきたすことが苦になった。
- (患者本人、50代、男性、胃、2003年版)社会とのかかわりがだんだん遠ざかっていく感じがして、社会の変化に対応できるように頑張りたい。
- (患者本人、70代、男性、咽頭・喉頭、2003年版)社会的に全く取り残されたことが辛かった。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)副作用で社会的に仕事ができないことで、何か取り残されたような感じを持つ。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)仕事もできず、何か世間から取り残されたような気がして少し落ち込んだ。
- (患者本人、40代、女性、胃、2003年版)手術前に働いていたパートをやめ、現在家にいるとあまり外とのつながりがなく、一人取り残されたような気がして生活に張り合いもなくだんだん女を忘れていくような気がする。
- (患者本人、60代、男性、膵臓、2003年版)社会的独立、それまで所属していた各団体から離れていくことも寂しさが募る。
- (患者本人、40代、女性、大腸、2003年版)診断されたとき退院しても仕事などできないと思い退職してしまったが、意外と早く回復したので社会から取り残されたような気がした。
- (患者本人、40代、女性、不明、2003年版)仕事を休職にしたが、復職は難しいかもしれないと思い、社会から切り離されていく思いをした。
- (患者本人、50代、女性、大腸、2003年版)社会から切り離されたという感覚。
助言
自分の助言集をつくる
EPUB形式でダウンロード
印刷用表示
【新しい役割ができる】
仕事や近隣との関わりが減ると、“社会の流れについていけない、取り残される”といった気持ちになることがあります。
一時的に役割を譲って、また復帰できる場合もありますし、健康状態によっては、以前より活動の範囲を狭くすることもあると思います。自分が行ってきた役割を人に譲るとき、自分の存在が小さくなったように感じるかもしれません。けれども、社会生活だけでなく、家庭のなかでも生活しているので、家庭内で新しい役割ができる場合が多いと思います。ご家族が帰ってきたときに「おかえり」と迎える、夕食後にご家族のお茶をいれるということでも家族間の結びつきが再確認できると思います。
これまでに周囲の人が困っていると、放っておけないと思って手助けしたり、逆に、助けられたと感じたことがあると思います。人はこのように、お互いに助け合い、影響し合って生きているので、存在が無意味ということはありません。
日々の生活の過ごし方を決めるのは、その人自身です。“今までできていたことができなくなった”と思うよりも“今まで気づかなかったこういうことができた”という喜びなど、プラス思考の出来事や思いを大切にし、かみしめていくことが、からだとこころの底力になるのではないかと思います。
ご意見・ご感想
よりよい情報提供を行うために、ご意見やご感想をお寄せください。
いただいた評価やご意見・ご感想は、今後、このコンテンツ(情報のなかみ)に役立たせていただきます。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、下記「がん相談支援センター」をご利用ください。
【がん相談支援センター】
お困りごとやご相談がある方は、
●静岡県内の方は、
静岡がんセンター「よろず相談」
もしくは、静岡県内のお近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」
●静岡県外の方は、
お近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」
にご相談ください。