自分の助言集をつくる
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がんと診断された後のこころは、がん告知時、治療を待つ間、治療中、治療終了後と大きく揺れ動き、不安定になります。でも、その一方でこころの中は、何とかそのショックや動揺、つらさ、不安定さを落ち着かせようとがんばっている状態です。また、がんと向き合い、治療のための自己管理をし、自分の生活を再構築する過程で、その人なりのペースと対処法をみつけて一つひとつ問題を乗り越えてきています。
そんななかで、がんばっているのにがんばれと言われると、“こんなにがんばっているのに”とか“がんでない人にはわからないんだ”と思ったり、「無理しないで」という周囲の気遣いが、逆に一線をひかれ、がんになったことで自分と周囲が別の次元にいるような、特別な眼で見られているような感覚に陥ったりします。
その一方で、周囲から特別な眼で見られたくないと一生懸命になり、自分のこころとからだに負担をかけてしまう場合もあります。
こういう時の対処の仕方は人それぞれです。また、言われた相手があなたにとってどういう人かによっても、対応は異なるかもしれません。ただ、同じようなことがこれまでのあなたと周囲の人々との関係にもあったはずです。相手の言葉に傷ついたり、負担に感じたとき、あなたはどのように対応したでしょうか。うまくいった対応を試してみましょう。また、あなたと同じ体験者の方々の話を読んだり聞いてみてもよいでしょう。そこにあなたの参考になる知恵があるかもしれません。闘病記やインターネット上のブログやホームページにも体験談を綴っている方がいらっしゃいます。あるいは、患者さん同士の交流の場である患者サロンや患者会に参加してみてもよいでしょう。
人の思いや考えは言葉だけでなく、態度からも表現され、受けとる側は、知覚を通して頭のなかで総合的に解釈します。その人のものの見方や考え方が影響することは避けられず、次は表現を発する側となって、コミュニケーションを通わせていきます。そして、相手の状況や考え、気持ちが分かってくると、対応も一層自然な形へと変わります。言い換えると、自分の姿勢が定まると、相手も受け入れやすくなるのだと思います。このようなやりとりの時間を経て、それぞれにあった関係が成立していくと思います。
![]() 健康と病の語りディペックス・ジャパン https://www.dipex-j.org/ ディペックス・ジャパンは、英国オックスフォード大学のDIPExをモデルにした日本版の健康と病いの「語り」のデータベースです。 がん経験者に関連した語りでは、乳がん経験者、前立腺がん経験者の語り、臨床試験・治験の語りなどが収録されています。映像や音声、テキストを通じて、がん経験者の声を知ることができます。 |
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