自分の助言集をつくる
EPUB形式でダウンロード
印刷用表示
がんという病気は、仕事も含め、あなたの人生にとって本当に大切なことは何か、見つめなおすためのきっかけにもなります。
大切なことは、自分自身の気持にできるだけ正直になることです。
あなたが本心から望むのであれば、“職場に迷惑をかけたくない”という思いは、決断の根拠になるでしょう。
ただ、自分が心の底からそう思っているのかどうか、よく考えてみてください。
仕事は、お金を得る手段であると同時に、あなたが自分らしく生きていくための、大切な支えにもなるものです。
もし、本心では仕事を続けたいのに辞めなければならないような状況になっているのであれば、病院の『相談支援センター』や『医療相談室』にいる相談員に相談してみるのもよいでしょう。
あなたの職場に産業医がいるのであれば、仕事の状況を理解したうえで病気の相談に乗ってくれる、よい相談相手になってくれると思います。
また、労働基準監督署等に設置されている『総合労働相談コーナー』でも、病気に関係した就労上の悩みを相談できます。
“職場に迷惑をかけたくない”と心配されているとのことですが、何か直接、そのことをほのめかすような態度や言葉を見聞きされたのでしょうか。
体調が優れず、気持ちが落ち込んでいるときには、周囲の何気ないしぐさや物言いの一つひとつを、悪い方へ悪い方へと考えてしまいがちです。もしかすると、あなたの心配はとりこし苦労かもしれません。
がんの患者さんが『家族に負担をかけている』と思っているとき、家族の方では実際にはそれほど負担には思っておらず、むしろもっと患者さんのために力を尽くしたいと感じている、ということは、よくあることです。
同じような状況は、職場でも起きることがあります。
たとえば、あなたの職場で、あなた以外の誰かが病気になり、仕事の負担が多少増えたとして、あなたはそれを迷惑に思うかどうか、考えてみてください。もしもその方がそれで病気の治療に専念できるのであれば、あなたは喜んでそれを引き受けるのではないでしょうか。
ただ、合理化が進む近年の就労環境にあっては、一人が働けないことで、周囲の人に振り分けられる仕事の量が相対的に大きくなっていることも事実です。
“迷惑をかけているのではないか”という思いがどうしても拭えないようであれば、信頼のできる上司や同僚に相談し、意見を聞いてみるのもよいでしょう。
よりよい情報提供を行うために、ご意見やご感想をお寄せください。
いただいた評価やご意見・ご感想は、今後、このコンテンツ(情報のなかみ)に役立たせていただきます。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、下記「がん相談支援センター」をご利用ください。