「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

仕事を続けるか辞めるかどうか悩んだ。
6 件の体験者の声があります。

助言

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【仕事は『あなたらしさ』を支えてくれる】

仕事は、お金を得る手段であると同時に、あなたが自分らしく生きていくための、大切な支えにもなるものです。
あなたはきっと、自分自身の仕事に対して誇りや思い入れを感じているのではないでしょうか。それは、すばらしいことです。
ただ、がんという病気は、場合によっては人生を左右するような病気である、ということもまた事実です。
仕事と病気の治療のどちらを優先するか、ということについて、『どんな人でも絶対にこうするべきだ』という答えはないと思います。
その選択をすることで、得ることができるもの、ゆずれないもの、代わりに手放さなければならないものを総合的に判断しながら、最終的にはあなた自身で決断していくしかありません。


 
【自分に正直になること、後悔しないこと】

がんという病気は、仕事も含め、あなたの人生にとって本当に大事なことは何か、見つめなおすためのきっかけにもなります。
大切なことは、二つあります。
まず、『自分自身の気持にできるだけ正直になること』です。
あなたが本心から望むのであれば、“職場の同僚に迷惑をかけられない”、“家族の生活を支えたい”といった思いは、選択の根拠になります。ただ、義務感だけに縛られる必要はないでしょう。
もう一つ、『後悔しないこと』も大切です。
その時々の決断は、体やこころの状態、時間、情報など、たくさんの制約がある中で、あなたができた『最善の選択』だったということを、忘れないでください。
もし、家庭や職場の状況によって、病気の治療を受けたいのに受けられないような場合には、何かほかに方法がないか、考えてみましょう。
必要に応じて、おかかりの医療機関の相談室やがん診療連携拠点病院の相談支援センターにいる相談員に相談してみるのもよいでしょう。


 
参考になるホームページ
国立がん研究センター『がん情報サービス』:相談先を探す
https://hospdb.ganjoho.jp/
成人や小児の相談先・病院一覧(がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院)が掲載されています。

 
【仕事と病気の治療は人生の両輪と考えてみる】

ぜひ考えてみて頂きたいことは、仕事と病気の治療がぶつかるとは限らない、ということです。
もしあなたががんと診断されて間もない方で、病気の状態や今後の治療方針についてまだ十分な情報を得ていないのでしたら、まずはその点を担当医によく聞いてみることが大切です。
がんという重い病気になることで、焦りや不安から、何もかも投げ出して治療に専念したい、という気持ちになるかもしれません。
しかし、がんを治して社会復帰される方も大勢いますし、その数は増えています。また、がんになったからと言って、ずっと病院で入院しているわけではありません。職場の理解を得ることができれば、仕事を続けることは十分に可能です。まずは信頼のおける上司に相談してみてください。
仕事は、あなたの生活に張りや生きがいをもたらします。仕事に没頭している間は、病気のことを忘れる時間を持つことができますし、仕事を通じて社会に接点を持ち続けることは、生きる活力につながります。
仕事と病気の治療は、必ずしもどちらかがどちらかを犠牲にするような関係にあるのではなく、むしろ互いに支えあいながら、あなたの人生を進めていく両輪の役割を果たすことができるものです。
『どちらかを優先する』という発想を、『どちらもうまく両立させるための折り合いをみつける』、『互いに支えあいの関係にするにはどうすればいいか』という発想にうまく切り替えていくために何か方法がないものか、手立てを考えてみてください。


 

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【がん相談支援センター】
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●静岡県内の方は、
静岡がんセンター「よろず相談
もしくは、静岡県内のお近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター
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