「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
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悩み
医療費がかかるうえ、がんに効果があるといわれる健康食品が月平均12万円かかり高額で経済的に大変だ。
16 件の体験者の声があります。
- (患者本人、60代、男性、膵臓、2003年版)がんに効果があると言われる健康食品の経費が高額で負担が大変だ。
- (患者本人、50代、男性、胆道・胆のう、2003年版)再発の不安と恐怖で、体調が悪くても主治医と充分な話ができず、漢方薬などを飲用し費用がかかり悩んでいる。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)再発防止のためアガリクスを服用しているが効果がわからず高価で悩んでいる。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)再発防止のため始めた代替医療の費用の捻出に悩んでいる。
- (患者本人、50代、女性、大腸、2003年版)自分の苦しさを聞いてくれる場が無くてつらかったことと、代替療法の漢方薬など経済的に大変だった。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)日常生活は何とかできるが、高価な健康食品とどう向き合うか悩んでいる。
- (患者本人、60代、男性、肺、2003年版)厚生省も認定しているからとサルノコシカケを煎じて飲み続けたりしているが、いつまで続けられるか治療費を心配している。
- (患者本人、40代、女性、不明、2003年版)今後他に転移したら余命を区切られるのか不安で、民間療法の薬を飲用しているが金額が高すぎて悩んでいる。
- (患者本人、50代、女性、卵巣・卵管、2003年版)再発の心配で民間の薬をいろいろ飲んでいるがお金がかかって悩んでいる。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)転移性肺がん、原発性肺がんと発症し、手術後抗がん剤は服用していないが、再発を心配し、定期検査と健康補助食品に多額の支出をしている。
- (患者本人、40代、男性、口腔・舌、2003年版)入院中リストラにあい、退院後ようやく就職できたので、健康食品のお金を払えなくなってしまうので再発して入院しないか心配している。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)病院からの薬以外のサプリメントが高額で続けるのが負担だ。
- (患者本人、60代、女性、白血病、2003年版)免疫を高めるためのプロポリスやアガリクスを購入して服用しているが高額なので家族に申し訳ないと悩んでいる。
- (患者本人、70代、男性、腎臓・副腎、2003年版)代替療法を長期間続け、経済的負担が大きく、いつまで続くか見通しが立たないことの不安がある。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)再発を恐れ、健康食品にお金をかけ、経済的にかなり苦しいが無理して服用している。それでも再発したらと不安だ。
- (患者本人、40代、女性、胃、2003年版)再発の恐怖と、夏場の体力の減退、食事の量が減ったための健康食品への出費が経済的につらい。
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【相談窓口に相談してみる】
病院では、「医療相談室」など相談専用の窓口を設置し、医療ソーシャルワーカー(以下ソーシャルワーカー)と呼ばれる専門職が常駐しているところがありますので、困ったことがあったら一度相談してみましょう。(病院によっては、ソーシャルワーカーは医事課などの事務部門に所属している場合もあります)。また、ソーシャルワーカーがいない場合でも、医療費の支払いのことで困ったら、病院の会計の担当者に相談してみましょう。
ソーシャルワーカーは、医療費の支払いや介護保険に関すること、障害者手帳や福祉制度、療養中・退院後の生活などの相談にのってくれます。
医療費がかかったとき、保険適用の医療費に関しては、医療費の負担を軽くするような制度や、支援する制度があります。また、生活費なども困っているようであれば、最低限度の生活を保障し、自立を助けることを目的とする生活保護などの制度もあります。
相談窓口に相談してみると、少しでも負担感を軽くするための良い情報を得られるかもしれません。また、いつでも相談できる先を見つけておくことは、今後のサポートとしても心強いと思います。
【健康食品を利用するかどうか】
健康食品による治療の効果は確認されていません。体験談に症状等が改善されたのはこの健康食品のおかげと書いてあっても、科学的に証明されていないことに注意が必要です。また、健康食品でも、副作用が出る可能性があります。
ただ、健康食品を飲むことが安心につながるようでしたら、健康食品の特徴を理解したうえで慎重に検討しましょう。
利用されるときは、健康食品とお薬の相互作用を避けるため、主治医にご相談ください。また、高価だから効果があるとは限らないので、経済的に可能な範囲にとどめ、負担に感じるようであれば中止しましょう。
健康食品に関しては、以下のホームページが参考になります。
 「統合医療」情報発信サイト:代替医療、健康食品、サプリメントなど https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html 「統合医療」情報発信サイトは、厚生労働省の事業の一つで、民間療法などを含む補完代替療法とどのように向き合い利用したらよいかを考えるために、根拠に基づいた情報を紹介しているサイトです。統合医療の定義、インターネットやマスメディアの健康・医療情報の見極め方、関連する冊子や資料、海外の情報などがあります。 『冊子・資料』には、厚生労働省の研究グループが作成した冊子『がんの補完代替医療ガイドブック 第3版』などの冊子PDFがあり、閲覧・ダウンロードできます。また、健康食品やサプリメントについて、注意点や正しい利用法など書かれた冊子類のPDFも、閲覧・ダウンロードできます。 |
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【がん相談支援センター】
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もしくは、静岡県内のお近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」
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