「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

自分の看病のために夫が退職し、経済的なことに悩んでいるだろうと思うと心配だ。
1 件の体験者の声があります。

助言

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【今後の見通しを担当医に確認する】

退職という選択については、おそらくご主人もよく考えて選ばれたのだと思います。あなたを支えたい、というご主人の思いがよい形で実を結び、ご夫婦が安心して暮らしていくためにも、経済面の気がかりは早めに解消しておきましょう。

いろいろな状況が考えられ、取るべき対処法もそれぞれに異なると思いますが、前提として、今後の治療やからだの状態の見通しについて、担当医から話を聞いておくことが大切です。
治療がどのくらい続き、その間にどの程度の医療費の負担が見込まれるのか、また、看病のために人の手を借りなければならない状態がどのくらい続きそうなのか、担当医に確認して、ある程度の目安を教えてもらいましょう。
今後必要になるお金や人手について、おおよその見当がつけば、具体的に準備を整えていくこともできるでしょう。


 
【活用できるかもしれない制度の例】

お悩みについてですが、かかっている医療費の額、からだの状況、家庭の状況、ご夫婦の希望、といった条件が合えば、次のような制度が活用できるかもしれません(かっこ内は問い合わせ窓口)。なお、これらの制度は変更になる場合があるので、ご注意ください。

○ 高額療養費制度(保険証記載の保険者)
保険診療の対象となる医療費について、1か月の自己負担を一定の金額におさえることができる制度です。

○ 介護保険制度(市区町村の担当課)
65歳以上の介護が必要な方は、市区町村に申請して認定を受けることで、さまざまな介護サービスを1割から3割(年金等の所得金額により異なる)の自己負担で受けられます。40歳以上65歳未満の方も、特定の疾病にかかっている場合で要介護認定を受けると利用できます。

○ 身体障害者手帳(市区町村の担当課)
病気や病気の治療で回復の見込みがない障害が残った場合、身体障害者として認定を受けることで、医療費助成、福祉機器の交付、交通機関・公共施設・携帯電話の料金の割引など、さまざまな支援が受けられます。

○ 障害年金(社会保険事務所等)
加入している年金の種類、障害の程度に応じて、年金や一時金を受給できます。

○ 老齢基礎年金の繰り上げ支給(社会保険事務所等)
60歳以上であれば、通常65歳から支給される老齢基礎年金を申請によって繰り上げて受給することができます。

○ 年金担保貸付事業(独立行政法人福祉医療機構)
年金を受給していて、急にまとまった額のお金が必要になった場合には、受給権を担保に融資を受けることができます。

○ 生活福祉資金貸付制度(社会福祉協議会)
低所得者世帯、高齢者世帯は、福祉費として社会福祉協議会から貸付を受けることができます。民生委員も相談に応じます。

○ 傷病手当金(保険証記載の保険者)
患者本人が会社員や公務員であった場合、病気の療養等で仕事を休んでいる期間、標準報酬日額の3分の2に相当する所得保障を受けられます。条件が整っていれば、退職した場合も引き続き受給できます。支給期間は最長1年6か月です。

○ 医療費控除(税務署)
1世帯で1年間に合計10万円(所得金額が200万円未満の人は所得金額の5%)以上の医療費を支払った場合、申告によって税金の一部が戻ってきます。

○ 生活保護(市区町村の担当課)
使える手段をすべて活用したとしても最低限度の生活を保つことができない場合に、足りない部分を補うために、金銭や現物(医療サービスなど)が支給されます。

これらの制度は、それぞれ利用するための条件があり、問合せや申請の窓口も異なります。インターネットで調べたり、各窓口に問い合わせたりするほか、当ホームページで公開している『がんよろず相談Q&A第1集 医療費・経済・就労編』、学びの広場シリーズ暮らし編『医療費控除のしくみ』、『医療費のしくみ』でも情報を得ることができます。


 
【ソーシャルワーカーに相談してみましょう】

制度の詳しい内容を調べ、自分たちの場合にどう活用していけばよいか検討するためには、時間もエネルギーも必要になります。
調べるのが大変なときには、おかかりの病院のソーシャルワーカーに相談してみるのがよいでしょう。ソーシャルワーカーは、あなたの状況を詳しく伺った上で、制度の活用を含めた生活に関する様々な助言をくれると思います。

おかかりの病院にソーシャルワーカーがいない時には、お住まいの近くのがん診療連携拠点病院の相談支援センターを調べて、ソーシャルワーカーが担当している相談支援センターに電話等で相談してみてもよいでしょう。なお、ソーシャルワーカーへの相談は一般的には無料です。


 
参考になるホームページ
国立がん研究センター『がん情報サービス』:がんの相談
https://ganjoho.jp/public/institution/consultation/index.html
『がんの相談』のページで、がんの相談窓口「がん相談支援センター」の説明やがん相談支援センターを探すへのリンクがあり、全国のがん診療連携拠点病院等に設置されているがん相談支援センターを探すことができます。

 

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なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、下記「がん相談支援センター」をご利用ください。

【がん相談支援センター】
お困りごとやご相談がある方は、
●静岡県内の方は、
静岡がんセンター「よろず相談
もしくは、静岡県内のお近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター
●静岡県外の方は、
お近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター
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