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一般に延命治療というと、回復の見込みがなく死が数日、あるいは数時間後にせまっているような患者さんに対して、人工呼吸器などの生命維持装置をつけたり、心肺蘇生(心臓マッサージや人工呼吸)などの処置を行うことをさしています。
一方、がん医療の中での延命治療にはもう一つ別の意味があります。
がんの治療の目的には、『治すための治療(治癒をめざした治療)』と『がんとできるだけうまくつき合っていく治療』があります。この後者の治療の場合に、延命治療という言葉を使ったり、イメージされたりすることがあります。
転移している状況でがんが見つかったり、がんの再発や転移がわかったりした場合、治療の目的は『がんとできるだけうまくつき合っていく治療』です。このような時、患者さんやご家族は、医師から治療の説明を受ける中で、『がんとできるだけうまくつき合っていく治療』ではなく、『治すための治療(治癒をめざした治療)ではない治療』という否定的な意味合いを感じ、強いショックや動揺を受けることがあります。
ただ、『がんとできるだけうまくつき合っていく治療』というのは、決して後ろ向きの治療でもないし、意味がない治療という訳でもありません。
患者さんの生活の質(QOL)を大切にし、生活の質(QOL)を維持しながら、がんの進行をできるだけ抑えたり、がんに伴うつらさをやわらげたりする治療を行っていくのです。現在は、新しい治療薬もいろいろ開発され使われてくるようになって、症状をコントロールしながら長期間の生存も可能になってきています。
何が起ころうと、患者さん自身、配偶者(パートナー)、お子さんたちは、家族で、お互いに助け合いながら生活しています。お互いに相手を思いやる心があり、その思いやりがお互いを支えているのだと思います。患者さんが“家族に迷惑をかける”と思われる一方、ご家族は“余計な負担はかけたくない、助けになりたい”と思っています。
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