自分の助言集をつくる
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がんという病気は、いろいろな形で性生活に影響することがあります。からだの変化にともなう喪失感や機能的な問題から性生活がうまくいかなくなることもありますし、逆に性生活がうまくいかないことで自信を失くしてしまうこともあります。
あなたの場合、まずはパートナーであるご主人とよく話をすることが大切だと思います。
性は「人に話すようなことではない」と一般に考えられてきました。このため、周りの人とはもちろん、自分のパートナーとの間でも、性についてきちんと話し合うことに気が引けてしまう方も少なくありません。
ですが、性は大切な生活の一部であり、こころやからだの状態と密接に結びついています。
きちんと話しあい、互いに納得のできる性生活の形を、パートナーと一緒に探していきましょう。
パートナーに『拒否される』というのは、とてもつらいことだと思います。
ただ、ご主人としては、拒否するということではなく、治療後のあなたのこころやからだにどのように触れればよいのか分からず、“傷つけたくない”という思いから距離をとっているのかもしれません。こういったすれ違いをなくす意味でも、まずは話し合うことが大切だと言えるでしょう。
もう一つ大切なことは、『こうあるべき』という思い込みにしばられる必要はないということです。性生活は人それぞれですが、その時々で自分たちにあった形を探してももちろんかまわないのです。
たとえば、手術の創(きず)が気になるようであれば、その部分が隠れるような下着をつけたままベッドに入ってもよいでしょう。また、性生活には必ずしも性交を伴う必要はありません。性交しなくても、愛情の確認など、互いが性に求めるものを満足させる方法を探すことはできるはずです。
性生活はプライバシーに属することですが、これは誰かに相談してはいけない、ということを意味するわけではありません。必要に応じて、あなたが信頼できる相手に、悩みを打ち明けてみてください。
大切なことは、プライバシーがきちんと確保できる場所で、少しずつでも、思いや気持ちを外に出していくことです。病院に心理職がいれば、カウンセリングを受けてみるのもよいと思います。パートナーと一緒にカウンセリングを受ける、ということが効果的な場合もあります。
また、同性、同じ世代の患者さん同士と情報を交換してみたり、患者会から情報を得たりすることも、参考になるかもしれません。
医学的なことについては、担当医に相談してみてください。医学的には根拠のない心配や誤解を解消することが、あなたとパートナーの幸せな性生活につながることもあります。
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