「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
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悩み
頭の中が真っ白になった。
90 件の体験者の声があります。
- (患者本人、60代、女性、卵巣・卵管、2003年版)頭が真っ白になって、何歳まで生きられるのか、どんな食物が「がん」によいのか、何で私がこんな病気になるのかと悩んだ。いつ再発するか不安。
- (患者本人、50代、女性、胆道・胆のう、2003年版)とにかく頭が真っ白になった。
- (患者本人、60代、男性、膀胱、2003年版)全く症状のない時期に自発的に検査を依頼したところ、がんであることを告知された。その時は頭の中は真っ白になった。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)頭の中が真っ白になり、泣いてしまった。娘が看護学校の教師だったので1番に相談し、いろいろ話を聞き、少しは落ち着いた。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)転移していないか1番に思った。子どもの生活、あとは頭の中が真っ白の状態で、何もする気持ちにならなかった。
- (患者本人、60代、男性、腎臓・副腎、2003年版)頭の中が真っ白になり、まず年度末の予定がびっしり詰まった中、どのようにして検査入院の日程を確保したものやら、大いに困った。次いですっかり落ち込んでしまい、気分的に参ってしまった。
- (患者本人、60代、男性、膀胱、2003年版)がんと診断されたとき頭の中が真っ白になった。今まで他人事のように思っていたことが自分自身になり、自分の人生はこれで終わりかと思った。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)頭の中が真っ白になった。転移していないか、これからどのくらい生きられるのか、これからどのように生きたらよいのか等本当に悩んだ。
- (患者本人、70代、女性、大腸、2003年版)死という字が浮かんだ。自分も苦しむが、家族に心配をかけたくないと頭の中が真っ白になった。
- (患者本人、60代、女性、卵巣・卵管、2003年版)頭の中が真っ白になった。
- (患者本人、不明、男性、口腔・舌、2003年版)がんと診断され頭の中が真っ白になり、もうこれで自分の人生が終わったなと思った。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)精神的に動揺し、一時的に頭が空白になった。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)肉親のがんの苦しみを見ていたので自分もと思い一日でも早く手術をしてほしいと思った。頭の中が真っ白になった。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)がんと診断された時、頭の中が真っ白になり何もわからなかったと思う。
- (患者本人、70代、男性、膵臓、2003年版)肝臓がんの生存率はきわめて低いため、一瞬頭の中が真っ白になった。何も考えられなかった。主治医は1日も早く手術をしないと危険だというが、長男は今会社で最終の登用試験を目前にしており、がんとはどうにも知らせることができない。
- (患者本人、70代、男性、不明、2003年版)何がなんだかわからなかった。将来への不安。生きられるか、医学のことは全然わからない。頭の中が真っ白になり何にも考えられなかった。
- (患者本人、60代、女性、肺、2003年版)頭の中が真っ白で何も考えられなかった。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)頭の中が真っ白になった。これから先がんの進行具合がどうなのか、死を覚悟しなくてはと思いどうしたらよいか毎日不安と恐怖感で悩んだ。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)頭の中が真っ白になってしまった。きれいに全部取ってもらった後は、小さながんが転移してないかとても心配だった。
- (患者本人、20代、男性、白血病、2003年版)これから先のことやこの病気は本当に治るのかとか悩んだ、というか頭が真っ白で放心状態だった。
- (患者本人、40代、女性、悪性リンパ腫、2003年版)頭の中が真っ白な状態だったが、これからどうなるんだろうと不安だった。抗がん剤治療をすることにより副作用がどうなるんだろうかと悩んだ。
- (患者本人、不明、不明、肺、2003年版)診断された時は頭が真っ白になり、これからどうなるのか、治るのか、どのくらい生きられるのか、早く治療しなければ大きくなりはしないか、色々考えて夜も眠れなかった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)自分にがんがあると思っていないのでびっくりして、どうして、どうすればいいか頭の中が真っ白でした。それから時間が流れていくとともに向かい合っていった。
- (患者本人、60代、男性、肝臓、2003年版)頭の中が真っ白になり、何も考える余裕などなかった。ただ毎日ベッドの上で茫然としていた。
- (患者本人、70代、男性、前立腺、2003年版)がんと診断されたときは、頭が真っ白。これで我が人生も終わりか、何年生きられるのだろうか、他への転移はあるのだろうか等悩んだ。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)先生にがんと言われた時は頭の中が真っ白になった。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)がんと診断された時、頭の中が真っ白になった。でもなってしまったものはどうしようもないので先生に任せて、1日でも早く良くなるように神に祈る気持ちだった。
- (患者本人、70代、女性、胃、2003年版)頭の中が真っ白くなったが、長男長女に励まされ、先生からもまったくの早期ですからと言われ、私も安心して先生にお願いをした。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)死を1番に考えた。おばを乳がんで亡くしているので、母をおいて死ぬことに頭の中が真っ白になって何も考えられなかった。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)自分は40代になったばかりでがんになるとは思ってもいなかったので、頭の中が真っ白になり今後どのようになるのか大変不安になった。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)がんイコール死、目の前が真っ白になった。検診を受けていなかったことを後悔した。
- (患者本人、50代、男性、大腸、2003年版)がんと診断された時頭が真っ白になり、人生終わりかと思った。大腸、その他への転移、痛みがなかったので心配であった。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)乳がんと診断受けた時は頭の中が真っ白になり、もう終わりと思った。早期発見で医者から必ず治ると言われて元気になったが、女だから胸がなくなることは悲しかった。自分のがんの進行状態が1番気になった。
- (患者本人、60代、男性、大腸、2003年版)健康時にはもしがんになった場合には告知されることを希望していたのに、いざその時には頭の中が真っ白になった。しかし担当の先生より詳しく病状の説明を受けるうちに前向きの気持ちとなり、悩むよりも闘うことだと考えるように努めた。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)頭が真っ白になり、今からどうしてよいものか。私はどうなるのか不安だった。
- (患者本人、40代、女性、不明、2003年版)とにかく死にたくないと思い続けた。あと半年我慢したら手遅れでしたと先生に言われ、その後3日間泣き続けた。頭の中は真っ白になり、説明書きされた胃の絵入りの紙を何回も見て「死にたくない、やりたいことはまだいっぱいあるの」と心の中で叫び続けた。
- (患者本人、70代、男性、肺、2003年版)父親ががんで死亡したので、自分もがんが発生したのかと悲観と悲しみに瞬間(約3分間程度)真っ白になり、年齢的にも多少のあきらめも考え直すよう努力し、平静さを保つように主治医の指示に従った。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)どうしたらいいものか頭の中が真っ白になってしまった。でも入院が早く、手術までの日が短かったために、あまり深く考える時間がなかったことが幸いだった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)検査中がんでなければと祈りつつ告知された時、頭が真っ白で涙も出ないくらいだった。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)担当医に病名は何ですかと質問した時、直接直腸がんと言われ、そしてがんはリンパ腺のほうで恐ろしい病気だと黒板で説明された。その時私は頭が真っ白になった。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)告知された時は頭の中が真っ白になり2、3日はぼーっとしたが、後はがんは絶対治ると信じ、前向きに手術を受けた。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)頭の中が真っ白になり、何も手につかなかった。
- (患者本人、60代、男性、肺、2003年版)がんと診断された時、頭が真っ白になり何も考えられなかったが、必ず治すと自分に誓った。
- (患者本人、60代、男性、食道、2003年版)先生から食道がんと告知された時は、頭の中が真っ暗になった。家族の者に知らせた方が良いか、あと何年位生きられるのか、暇さえあれば食道がんのことしか頭の中に浮かばず、ずいぶん悩んだ。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)元気だった私がまさかがんになるとは思わなかったので、死にたいと思うほど気持ちがうつになった。乳がんと言われた時は考えもしなかったことで、頭が真っ白になって何も自分から聞くこともできなくなり、先生の前で泣きくずれてしまった。突然の告知は私にとっては生きているのもつらかった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)頭が真っ白になり、どうしたかわからなかった。そしてまだ死にたくないと主に詰め寄った。
- (患者本人、50代、女性、甲状腺、2003年版)頭は真っ白で何も考えられなかった。仕事のことが一番の悩み。
- (患者本人、50代、女性、大腸、2003年版)今まで病気に縁がなかったので頭が真っ白になり、いかに漠然とした知識しかなかったか『1日でも早く診察を受けていると、診断までの経過を振り返ると、早期に発見できて治療の方法も変わっていたかもしれない等々』を考えた。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)この世も終わりか。頭が白くなった。
- (患者本人、60代、男性、前立腺、2003年版)がんと診断された時、頭が真っ白になり口数も減り、毎日毎日が元気のない日が続いた。
- (患者本人、不明、女性、乳房、2003年版)いつまで生きられるのか、また再発のこと、家族のこと、頭の中は真っ白だった。
- (患者本人、60代、女性、肺、2003年版)会社の健康診断で異常が見つかり、病院を紹介され、病院で1mm程の腫瘍が見つかり、先生が説明された時は頭が真っ白になり、震えが止まらなかった。
- (患者本人、40代、女性、大腸、2003年版)診断時、子どもが中3、中1、小5とまだ小さく、自分が死んだら子どもたちはどうなるかを心配で真っ白になった。
- (患者本人、50代、女性、胃、2003年版)子どものこと、経済的なことすべてのことで悩んだ。どうしたらよいのか真っ白な状態だった。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)大腸がんと先生から伝えられた時は頭の中ががんで真っ白になった。肛門直上のがんで人工肛門かもと1番に悩んだ。
- (患者本人、30代、女性、乳房、2003年版)医療行為(検査など)の説明がなく、ようやく求めて結果を知らされた時は頭が真っ白になった。
- (患者本人、50代、女性、肝臓、2003年版)診断が下った時、真っ先に考えたことは、老人の介護をしているけどどうなるの、私自身の病気治療なんてできるわけない、このまま放っておこうかとも思った。半分やけくそ状態でもあったと思う。頭の中は真っ白で足が宙に浮いていて何も手につかなかったような感じがした。
- (患者本人、70代、男性、前立腺、2003年版)頭が真っ白くなり、後どのくらい生きられるのか心配だった。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)まずどうして自分が。そして頭が真白になった。毎年検診していたので絶対自信をもっていたのにとか、いろいろ考え、暗い毎日だったことを覚えている。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)思いもよらぬ診断で頭の中が真白ということを実感し、家族にどう説明しようということでいっぱいだった。
- (患者本人、70代、男性、食道、2003年版)頭の中が真白になり、腕の良い外科医を早く探して手術することを考えた。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)手術でどのくらい乳房が残るのか。初めは頭が真っ白になった。
- (患者本人、70代、女性、子宮、2003年版)診断された時は頭の中がまっ白になり、全身から力がぬけてゆく思いで立っていられなかった。主人もがんで入院中だったので、相談する人も、力になってくれる人も、支えてくれる人も無く、悲しい思いをした。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)頭の中が真白になり、何も考えることができず、ただひたすら冷蔵庫の中を掃除していた。私ががんになるなんて考えたこともなかったので、これからの人生どうなるのかなと思った。
- (患者本人、60代、男性、皮膚、2003年版)小さなおできほどの皮膚がんだったので、がんと言われた時はやはり頭の中が真っ白になった。リンパ節に転移した時は進行が早いかなと思い、不安になった。
- (患者本人、60代、女性、卵巣・卵管、2003年版)がんと診断された時は一瞬頭が真っ白になった。主、娘たちと一緒に泣いた。いつまで生きられるかとそればかり一時は悩んだ。
- (患者本人、70代、女性、肺、2003年版)突然のがん宣告で頭が真っ白になり、どうしたらいいのかわからず涙も出なかった。今までが元気だったので、がんに対して詳しい知識も少なく、これで死ぬのかと思ったが、先生の話を聞く中で少しずつ元気になり、手術をする気持ちになった。
- (患者本人、70代、女性、乳房、2003年版)がんの告知。頭が白くなった。その後は病気と一緒に過ごすことに切替えたが、家族の方が死に連想して未だハラハラしている日々だ。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)頭の中は真っ白で、何も考えられなかった。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)がんと診断された時、頭の中が真っ白になり、何をどうしたらいいのかわからなくなり、主人も亡くなり、子どもが小さく、もしものことがあったらと考えてばかりだった。
- (患者本人、70代、女性、子宮、2003年版)子宮頸がんと言われた時は、頭が真っ白になり、何を言われているのかが分からず、ただうなずいて聞くだけだった。その前10年間も検診を受けていたのでまさかと思った。最初は老人性膣炎と言われ、そのつもりでいたのが、手術も難しいと言われた時は人には言えない位、悩んだ。でも検査をしていたから見つかるのが早かったと言われ、それもそうかと決心して手術にかけた。
- (患者本人、50代、女性、子宮、2003年版)初めはびっくりして頭の中が真っ白になったが、時間が(日数)過ぎると、これからの生き方を考え、自分のために生きたいと思った。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)がんと診断された時、夫は8年前に亡くなっていたので、夫の母と妹とで三人暮らしだった。義妹も病弱で働けない身体だったので、これからの生活がもうどうなることかと頭が真っ白だった。
- (患者本人、70代、男性、大腸、2003年版)がんと告知された瞬間、頭は真っ白。思考力はゼロ。医師の問いにも答える状態になかった。
- (患者本人、60代、男性、膵臓、2003年版)一瞬、頭が真っ白。しかも運命に従うしかない。弱気ではいけない、前向きに立ち向かうしかないと決心した。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)今は再婚しているが、早くに夫と死別して3人の子どもを育てるのに精一杯だった。何で私だけという気持ちで頭が真っ白くなり、出るのは涙だけだった。とにかくがんは死ぬと思っていたので、子どもたちのことを考えると病院代、これからのこと、本当に口では言えないほど悩んだ。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)家族に説明した時は末期と言われ、私は頭の中が真っ白になり、何も聞こえなかった。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)頭の中が真っ白になって何も考えられず、どうしよう、どうしようという思いだけが先になり、その次には死の一文字だけが頭の中でぐるぐるまわっていた。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)まさか自分ががんになるとは、頭が真っ白になった。旦那も死んでるし、これから先のことを考えると不安だった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)がんイコール死と考えていたし、近くの人に乳がんで亡くなった人がいたので、頭が真っ白になった。平気な顔で簡単に口に出す医者にもびっくりした。
- (患者本人、不明、不明、大腸、2003年版)何がなんだか頭が真っ白でわからなかった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)「がん」、何で私に、頭が真っ白で何もしたくない、考えたくなかった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)これから先自分がどうなるのか、わからず不安でいっぱい。何をしていいかもわからず、ただただ頭の中は真っ白になった。入院するまで日々不安に思い悩んでいた。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)頭の中は真っ白になった。人に話しても心の中は晴れず、がんの本を読んだりした。
- (患者本人、50代、女性、卵巣・卵管、2003年版)がんと言われて頭が真っ白になった。食事、健康に気をつけていたので、なぜ私が「がんなのか」と悩んで落ち込んだ。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)頭の中は真っ白だった。今までの生き方すべてに亀裂が入り、不安と恐怖から抜け出すのに3年以上かかった。
- (患者本人、50代、女性、子宮、2003年版)まずこの世からいなくなる、もう私は死ぬのかと思うと気持ちが沈んだ。頭の中は真っ白だった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)生検後外科で「悪性ですのですぐ手術しましょう」と言われたが、自分一人だけだったので頭の中が真っ白になり(周囲が白黒写真のようになり、すべての音が消えた感じ)うなだれて廊下に出た時、看護師長の声かけが嬉しかった。しかし乳房を失うことがつらかった。
- (患者本人、50代、男性、白血病、2003年版)あまりのショックで頭が真っ白。
- (患者本人、70代、女性、卵巣・卵管、2003年版)頭の中が真っ白になった。
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【がんと診断されることは誰にとっても衝撃的な出来事】
がんと診断されることは、衝撃的な出来事です。特に、余命を告げられるということは、死を意識し、その衝撃はとても大きいと思います。今回の悩みの調査のなかにも何人も書かれていた「その瞬間頭が真っ白になってしまって、その後先生が何を話したのか全然覚えていない、どうやって自宅に帰ったのかもわからない。」、「呆然として何が何だかわからない。」などの言葉が、その衝撃の大きさをあらわしていると思います。混乱のなかで、気持ちが落ち込んだ状態が続き、部屋に引きこもってしまったり、誰とも話したくなくなることもあります。ご家族や親しい人々の何とか支えたいという思いからかけた言葉も、時には白々しく感じ、誰にも自分のつらさはわからないのに、簡単なことを言うな!と怒りの気持ちがわくこともあります。同時に、どうなるのかわからない未来への漠然とした不安が次々と頭をめぐります。
こういうときは、こころがとても過敏になっていますから、周囲の何気ない言葉や振る舞い、視線などに対して、悪い方へと考えがちで、自分だけが孤立してしまったような感覚にもなります。
こころの動揺や不安定さは、がんを告げられたとき、余命を告げられたとき、誰にでもあることです。ご家族や周囲の方々も、患者さんのこのようなこころの状態を理解することが大切です。
【その後のこころの動き】
こころが落ち着いてくるまでの期間は人によって異なりますが、2~3週間くらいすると、少しずつ具体的なことを考えたり、気持ちが落ち着いてきます。これは、こころがすっかり落ち着きを取り戻したということではなく、まだ不安定ではありますが、その中でも少しずつ変化が出てくるということです。
この時期になると、周囲の人々の自分へのいたわりや、自分を必要としてくれる気持ちが少しずつ素直にこころの中にも入ってきます。
【つらい気持ちを抱え込まない】
とてもつらい時、自分の気持ちを受けとめてくれる人、家族や何でも話せる友人に、不安に思っていることや揺れ動く思いを聴いてもらうことも、気持ちを楽にします。一人で、つらさを抱え込まないで、周囲の人に話してみましょう。泣いてしまってもかまいません。
また、口にしなくても、ふっと自分を心配し気遣う周囲の人々の思いが感じられた時、一人ではないと感じて温かい気持ちになれたり、そんな時間がほんの少しでも気持ちを楽にしてくれると思います。
【こころが不安定な状態が続く時は、こころの専門家もサポートしてくれる】
不安定なこころの状態が続く時には、一度こころの専門家に相談してみるという方法があります。
こころが不安定で、他には何も考えられなくなった、何事にも集中できない、誰とも話したくない、夜眠れない、食欲がない、などそういった症状が続くような時は担当医やこころの専門家(精神腫瘍科医、心療内科医、精神科医、臨床心理士、心理療法士、リエゾンナースなど)に相談してみてください。気持ちを落ち着けるお薬を飲んだ方がいい場合もあります。
こころの専門家というと、“自分がおかしくなったのではないか”と思い抵抗がある方もいらっしゃると思いますが、このようにこころが不安定な状態になることは、がんにかかった多くの方が経験することです。
がんと向き合う時、からだの方は担当医がサポートしてくれますが、こころの方は周囲の人とともにサポートしてくれる専門家に少し頼ってみることで、どうしていけばよいのか、自分なりの答えがみつけられることがあります。
【家族や周囲の方の対応】
ご家族や身近な方は、患者さんのこころが不安定な状態になっていることを、心に留めておきましょう。患者さんが、ご家族の言葉やふるまいに過剰とも思える反応があっても、それは患者さんが心を許せるご家族だから自然に出ていることです。また、大きな衝撃を何とか乗り越えようと、患者さんのこころの中では本当に大変な努力が行われているのです。
このような時期には、特に「がんばれ」や「しっかりしろ」という励ましや、「考えるな」という言葉は禁句です。患者さんは一生懸命がんばっているし、しっかりしたいと誰よりも願っているからです。この時期には、「見守る」ことが大切です。
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