自分の助言集をつくる
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同病者の経験談は、同じ病気を体験したからこそ分かりあえるつらさやこころの動きがきめ細かく描かれています。そういった言葉に触れて、共感を覚えたり、励まされたりすることは、多々あるかと思います。また、多くの場合、医学的な視点よりも、日々の暮らしの視点を中心に書かれているので、療養生活上の実践的な工夫など、参考になる情報が得られることも少なくありません。
しかし、がんという病気は、たとえ同じ場所にできたものであっても、性質や状態は人それぞれです。あなたがこれまでどんな治療を受けてきたかによっても、状況は変わってきます。また、体のつくりはもちろん、考え方、感じ方も、人それぞれに異なります。
ですから、たとえばある治療法について、実際にそれを受けた同病者が「すばらしい治療法だ」と評価したとしても、あなた自身の病気に対して同じ効果をあげたり、あなた自身が同じような感想を持ったりすることの保証にはなりません。
その一方で、同病の誰かの体調が悪化した時に、“自分もいずれ、そうなるのではないか”と落ちこむ必要もないのです。
インターネット等で入手できる個人的な経験談は、あくまで参考と考えてください。一定の距離を保ちながら、上手に活用しましょう。
インターネットに加えて、書籍、雑誌、新聞、テレビ、親戚や友人からの口コミなど、がんに関する情報は本当にたくさんあります。
しかし、『あなた自身の病気』に関する情報を一番多く、正確に持っているのは、担当医です。
あなたの担当医は、あなたの体や病気の特徴はもちろん、過去から現在に至る治療の経緯を知っています。このような知識を前提として提供される担当医の情報は、ほかの情報源から得る一般的情報とは異なる、適切な情報になるのです。
自分がこれからどういう経過をたどるのか、心配になった時には、まずは担当医の説明をよく聞いて、詳しく聞きたい点を質問するところからはじめしょう。
“そうは言っても、担当医はいつも忙しそうで、気後れする”とお感じになるかもしれません。しかし、病気の治療に関する情報を提供し、患者さんの質問に答えることは、医師の大切な職務の一つです。遠慮しないで、あなたの方から積極的にたずねてみましょう。
担当医とのコミュニケーションがうまくいっていない、と感じた時には、おかかりの医療機関(病院など)の相談室やがん診療連携拠点病院の相談支援センターにいる相談員に相談してみるとよいでしょう。
相談員はあなたの話をきちんと受け止め、整理しながら、次に目標になりそうなことを提案します。場合によっては、担当医とあなたとの間で、上手に橋渡しをしてもらえることもあるはずです。
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