自分の助言集をつくる
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がんにかかった方の中にも、無事に治療を終えて、社会復帰されている方はたくさんいらっしゃいます。そして、医学の進歩とともに、その数は年々増えています。
しかし、がんが命を左右することもある重大な病気であるということは、やはり事実です。そのため、がんになるというのは、危機的なライフイベント(人生における生活上の大きな出来事)の一つといえるでしょう。先行きが見えない不透明さを感じ、足下がおぼつかなく感じるかもしれません。このように、再発への不安、病気の進行や今後の生活に対する不安を感じ、気持ちが動揺したり、落ちこんでしまったりするのは、こころの自然な反応です。
将来の計画や希望というのは、普段あまり意識しないまま生活している人の方が多いと思います。また、将来の計画や希望を細かく設定している人であっても、ある意味、先のことは誰にも予想ができない部分があり、修正や変更は大なり小なり必要といえるかもしれません。
大きな計画、長期間にわたる計画であっても、実際には、具体的で小さな目標をたて、一つひとつ実行していくことの積み重ねといえます。
そこで、まず目の前にある課題をみていきましょう。そして、具体的で小さな目標をたて、一つひとつ実行していきましょう。この小さな目標は、病気に関連したものでもかまいませんし、生活に関連したものでもかまいません。
自分の体や将来の生活に対する漠然とした不安は、病気に関する事実をきちんと理解することで、軽くできる場合があります。
まずは担当医とよく話しあってみてください。家族や信頼する友人などと一緒に話を聞くとよいでしょう。
将来の見通し、これから起こるかもしれない症状、そして、それが仮に起こった時にどのような対応を取ることができるか、十分に確認しておきましょう。
その上で、自分で積極的に情報を集めることも大切です。情報を得るには、インターネット、書籍、患者会など、さまざまな方法があります。
情報を集めるときに注意したいことは、自分のペースに合わせるということです。最初は膨大な情報に圧倒されたり、焦ったりしてしまいますが、自分のペースで収拾を進めるうちに、情報を選び、消化して理解するための力が、あなたのなかに自然に育っていきます。
自分の体や病気についてよく知っておくことは、あなたが今感じている、将来に対する不安をやわらげるだけではなく、将来実際に何か症状を経験することが仮にあったときにも、そのショックをやわらげ、冷静に対処することに役立ちます。
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注)なお、インターネット上での個別相談はお受けしておりません。ご相談のある方は、静岡がんセンター「よろず相談」、もしくはお近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」にご相談ください。