自分の助言集をつくる
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医療全般の技術や機器の進歩により、治療に発展がみられ、高齢者が手術を受ける機会は増えています。高齢になるほど、同年齢でも体の働きには個人差がかなりあるので、術前に検査をして、患者さんが手術に耐えられるかを判断します。
ほかにも、手術による治療効果が高いかどうか、患者さん個人のQOL(生活の質)といったことを考えたうえで、担当医は治療を提示します。
患者さん本人の意思やご家族の気持ちを尊重して、治療を決定するためにも、疑問点や心配な点は担当医にお尋ねください。
また、術後はご家族の協力や社会福祉制度の活用が必要になる場合も考えられます。生活するうえで不自由と思われることなどを、早い時期から、患者さん、ご家族、医療スタッフで話しあっておくことが大切です。
入院治療では、生活の変化に早く慣れてもらうとともに、術後に備えていくつかの練習を行ないます。
○ 呼吸
腹式呼吸(深呼吸)の仕方を看護師から術前に習います。術後は、麻酔や手術の影響で浅い呼吸になりがちです。麻酔から覚めたら、肺炎などの呼吸器合併症の予防のために、腹式呼吸を意識しましょう。また、痰をしっかり出すようにしましょう。
喫煙をされている方は、手術の2ヶ月以上前からの禁煙が望ましいと言われています。
○ 運動
術後、ベッド上の生活を続けると、筋力が低下したり、関節が動かしづらくなったりします。筋力低下を予防するために、ベッド上でできる運動を教えてもらいましょう。
活動量の減少は、筋力低下だけでなく、呼吸や循環の働きを弱めて、術後合併症の誘因になるので、術後早期からベッドを離れて、歩行などがすすめられます。術後何日目にどのぐらいの活動が目標となるかは、治療によって異なり、順調な回復に向けて、1人ひとりにあった方法で行われます。段階的な目標が回復の励みになると話される患者さんもおられます。
術後は体力低下を感じるかもしれません。基礎体力という意味では、高齢になるほど予備力が少なくなっています。また、治療によっては機能障害が生じて、生活の仕方の変更を余儀なくされることもあるかもしれません。体力の回復を促すと同時に、これまでの生活習慣を見直したり、新たな生活をつくりだす必要があると思います。
からだがつらいときには気持ちもマイナス方向を向いてしまいます。からだのつらさをできるだけ取り除くこと、こころのつらさをためこまないことが大切です。治療の効果や見通し、日常生活での注意点や工夫などについて、担当医や看護師と話し合うことで、不安をやわらげることができます。
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