「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

抗がん剤治療は副作用も大きく出てくるし、元気なところの細胞もやられるから元通りにはならないと思い悲しかった。
1 件の体験者の声があります。

助言

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【治療に対しての不安があれば納得・理解のために行動する】

治療方法や治療に伴う苦痛などへの不安や悩みがある場合、その根底には治療への理解が不十分であったり、未知の事柄への漠然とした不安があったりします。
そこで、納得いくまで担当医にわからない点を確認したり、がんや治療方法について書かれた本を読んだり、インターネットで調べたりしてみましょう。治療方法については、期待できる効果、副作用、起こりうる合併症、他の治療法と比べての長所や短所をまずよく理解することが大切です。


 
参考になるホームページ
(1)国立がん研究センター『がん情報サービス』:それぞれのがんの解説
https://ganjoho.jp/public/cancer/index.html
がんの部位別に、基礎知識、検査、治療、療養に関する情報があります。
(2)がん情報サイト :PDQ日本語版(米国国立がん研究所のがん情報サービス)
https://cancerinfo.tri-kobe.org/
がん情報サイトには、『PDQ最新がん情報』、『PDQがん用語辞書』、『NCCNガイドライン日本語版』などの情報があります。
『PDQ最新がん情報』は、治療(成人、小児)、支持療法と緩和ケア、スクリーニング(診断と発見)、予防、遺伝学的情報、補完代替医療の情報があり、それぞれ『患者様向け』と『医療専門家向け』の2つのボタンがあり、より詳しい情報は『医療専門家向け』から得られます。

 
【抗がん剤の副作用について】

抗がん剤治療の副作用は、いろいろなものがあります。『大きく出てくる』というのは、どういうことを『大きく』と考えていらっしゃるのでしょうか。
抗がん剤の副作用には、自覚的なものとして、吐き気やおう吐、脱毛、便秘や下痢、食欲不振、しびれなどがあります。白血球や血小板の低下や貧血等の骨髄抑制は、自覚症状が乏しく血液検査から把握します。臓器(肝臓や腎臓、肺、心臓など)などの影響についても検査を行なって判断します。
多くの副作用は短期間で回復してきます。患者さん自身が特に苦痛に感じられるのは、脱毛、吐き気やおう吐、食欲不振、倦怠感などが多いようですが、時期がくれば落ち着いてきます(ただし、脱毛は治療開始後2~4週目頃から起こり、治療を何コースか繰り返すために回復が間に合わず他の副作用に比べて長期に感じられますが、最終的には全治療が終了すれば生えてきます)。
抗がん剤は、分裂の盛んながん細胞の分裂を抑えて破壊するような働きをするため、同じように分裂の盛んな正常な細胞にも影響を及ぼします。ただし、繰り返しますが、時期がくればほとんどの副作用は回復します。
また、最近では分子標的薬という薬が開発され、ある種のがんでは使われるようになりました。分子標的薬というのは、がん細胞に特異的な分子の働きを妨げる薬で、正常な細胞への影響を減らせると期待されています。


 
【副作用症状への対応も行われます】

抗がん剤治療の際、副作用症状を少しでも緩和するために、お薬を使ったり様々な対応策が行われます。適切な対処をとり副作用を最小限にするためにも、副作用のことで悩まれることがあれば、きちんと担当医に伝えましょう。
副作用をやわらげるためのお薬を例にすると、吐き気をやわらげるお薬もいろいろな種類がありますし、下痢や便秘の時は、その症状にあわせたお薬などで対応します。白血球数が下がったときには、白血球をあげる注射などもあります。それ以外にも、症状にあわせて、できるだけ副作用を軽減するための対応をしていきます。
また、患者さん自身もその副作用を少しでも軽減するためにできることがあります。自分なりの工夫が副作用の軽減につながることも少なくありません。他の治療方法も同じですが、治療を医療者にまかせておくのではなく、治療に一緒に参加することが大切です。


 

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