自分の助言集をつくる
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リンパ浮腫の症状、注意することなどの説明を受けても、どのようにあらわれるのかイメージしにくいかもしれません。退院後に「家事をするとき炊飯器を持つけれど、これも重いなって思ったの、どのぐらいの重さまでいいの?」と聞かれたことがありました。
過度の制限は、本来ならできることを減らし、生活を狭めてしまいます。
腕の場合、一律に決まった重さを制限するのではなく、自分自身で、どの程度なら手術側の腕のリンパの流れが滞らないか、つまり負担がかかる目安をみつけて調節していくことが大切です。足の場合の立ち仕事も同様です。
手術した側のリンパの流れが悪くならないようにすること、傷をつくらないことが目標(注意点)で、そのために行うこと(行動)は、生活の状況によっていくつもあります。
リンパ浮腫の日常生活での注意について、医療者から話を聞くとき、退院後生活ではどういったことを避けてくださいと、代表的な行動の例が示されますが、自分の日常生活を思い浮かべて、たとえば“自宅で、重いものをもつ機会は”、“どのぐらいの時間、何回ぐらい”、“外出のときは”と考えてみると、確認しやすくなります。
リンパ浮腫は、予防と早期発見が大切です。リンパ浮腫が起こる可能性が考えられる場合、できるだけ浮腫が起こりにくいように注意しながら生活していきましょう。ただし、仕事や家事などいろいろな状況から予防的なことが十分できない場合があります。その場合でも、早期に発見して対処していくことが大切です。
日常生活のなかでも、以下のような点に気をつけましょう。
◎ 怪我や虫さされなどによる感染を避ける
患肢(乳がんの場合、乳がんの手術・腋窩リンパ節を切除した側の腕)は、リンパの流れが低下しているため、感染や炎症を起こしやすくなっています。土いじりなどのときは、手袋をしたり長袖を着用するようにしましょう。また、万が一、虫にさされたときには、ひっかいたりして皮膚に傷をつけないようにかゆみ止めの薬を塗るなどしましょう。また、日焼けの炎症でむくみが悪くなることがありますので、日焼け止め対策を心がけましょう。
◎ スキンケア
肌の乾燥や角化を防ぎ、皮膚の保湿を心がけましょう。保湿クリームは、香料なども刺激物が少ないものを選びましょう。
◎ 重いモノをできるだけ持たない
手術したほうの腕で重いモノはなるべく持たないようにして、やむを得ず持つ必要があるときには、小分けして持つようにしましょう。また、買い物などはショッピングカートを利用するなどしましょう。赤ちゃんや小さなお子さんを抱く場合には、膝やクッションなどを利用し、赤ちゃんなどの体重を分散するように心がけましょう。
◎ パソコン使用時の注意
乳がんで利き腕の腋窩リンパ節を切除した場合で、仕事等でパソコンをよく使う必要がある方は、肘を長時間圧迫することで、わきにリンパがもどっていくのを阻害しやすいので、肘枕(リストレスト)を使って手の重さを分散させたり、途中で手を休め肘の屈伸運動をするなどしましょう。
◎ 衣類について
下着などは、できるだけ締め付けないゆったりしたものを選びましょう。
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