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5年生存率は、がんと診断された患者さんのうち、診断から5年後に生存が確認できた割合を意味します。診断時の進行度別や年代別、治療別などの5年生存率も計算されていますが、提供元によりデータの取り方や生存確認の方法が異なり、それにより信頼性も変わってきます。
部位によって異なりますが、全部位のがんで計算したときに、5年生存するとその後がんで亡くなる可能性が低くなるため、多くの場合、5年生存率を、そのがんが治る可能性として、とらえる方が多いようです。多くの種類のがんでは、治療時に目に見えなかったがんが、再び見つかるのが5年以内であることから、5年生存率をだしています。しかし、比較的ゆっくりと大きくなる種類のがんでは、5年以上の年数としている場合もあります。
5年生存している人が全員それまでに再発していないとは限りませんし、5年生存した後に再発する可能性もあります。5年生存率からは、再発する、しないはわからないのです。
例えば、「5年生存率が70%」というのは、診断から5年後に生存している患者さんが最初の人数の70%で、診断から5年までの間に亡くなられた患者さんが30%であったことを示しています。患者さん個人について言っているのではありません。
現在、我が国で収集しているデータからは、ひとりひとりの患者さんについて、将来、再発するかどうかは、確実に予測することはできません。そのため、同じ診断、治療を受けた集団の5年生存率が、治療効果の目安として使われますが、診断・治療は進歩しており、数年前の時点で診断された患者さんのデータで集計された5年生存率の値よりも、最近診断された患者さんの生存率のほうが良くなっていることもあります。
担当医は、治療の移り変わりと治療効果、そして、患者さんの経過と全身状態を最も把握しています。治療効果について、これまでのデータと患者さん個人の両方の観点から慎重に考え、治療にあたっていると思います。今後の経過観察や治療について、不安があれば、数字について悩む前に、担当医に相談して下さい。
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