自分の助言集をつくる
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このような思いは、どんな患者さんにも起こりうることです。周囲の方は「神経質になりすぎているのではないか」とか「そんなことばかり考えてないで、元気をだしなさい」と言ってしまいがちです。しかし、がんという病気は、神経質にもなりますし、体調が変化すると、すべてがんに結びつけて考えがちになってしまうのです。だから、これは特別なことではありません。
「忘れようとしているが、頭の片隅から離れない」とありますが、この思いは、多くのがん体験者の方が同じように感じていることです。7,885人のがん体験者の方が参加されたこの悩みの調査でも、半分以上の方はこころの問題を抱え、不安のなかで一番多かったのは、『再発・転移の不安』でした。この再発・転移の不安は、病状や治療などに関係なく抱いている方が多いということも、調査の結果わかりました。
忘れようと自分に強いることは、自分自身がつらくなり、自分を追い込んでしまいます。“誰もが皆そうなんだ。忘れようとしても忘れられないのは当たり前なんだ”というように、自分を責めずに、そういった不安が自分のこころにあることをそのまま認めましょう。
不安が強く、とてもつらいとき、家族や何でも話せる友人に、不安に思っていることや揺れ動く思いを話してみましょう。つらいこころのガス抜きをすることは、気持ちを楽にします。
また、何かに集中する時間というのも良いかもしれません。映画をみる、趣味があればそれをやってみる、スポーツをする、友人と会う、何でもかまいません。意識して、忘れようとするのではなく、何かに集中していると、後で“あのときは病気のこと忘れていたな”と感じるかもしれません。最初から、“忘れるために”ではなく、自分がこれまでに気持ちが落ち込んだり、いらいらしたり悩んだりしたとき、行ってみて成功したやり方を試してみましょう。
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