自分の助言集をつくる
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がんの再発そのものを完全に防ぐことができる薬や食べ物、生活習慣、気持ちの持ち方などは、現在まだ見つかっていません。この事実は、多くの患者さんに不安をもたらします。
その一方で、不安とどこかで折り合いをつけて、自分らしい生き方を探し出すことができた患者さんもたくさんいます。
不安と折り合いをつける方法は、人それぞれ違います。それは、これまでの人生で、自分の中で育ててきた『強さ』の種類が、人によって異なるからです。
『恐れの対象に、毅(き)然(ぜん)として立ち向かっていくこと』は、もちろん『強さ』の一つですが、それがすべてではありません。『つらいことが過ぎ去るのをひたすら耐えて待つことができること』や、『問題から目を反らして楽しいことを考えることができること』もまた、その人のかけがえのない『強さ』なのです。
あなたの本当の強さは、なんでしょうか。これまでの人生を振り返って、大きな苦難を乗り越える時に、自分がどうしてきたか、考えてみてください。また、あなたが大切にしている人や物事を、ノートに書き出してみてください。大切な何かのためには、あなたは自分が考えている以上の力を発揮できるかもしれません。
そして、時間をあなたの味方だと考えてみてください。一般的には、時間が経つごとに、その分だけがんの再発の可能性は少なくなります。また、再発に対するあなたの不安も、薄皮がはがれるようにして、少しずつ、自然に癒されていくはずです。
もし、強い不安が頭から離れない時には、精神科医、心療内科医、心理療法士などのこころの専門家や、相談支援センターや医療相談室にいる相談員に相談してみてください。話をすることで、自分がどれだけ重荷を抱え込んでいたか、はじめて気づくこともあります。誰かに助けを求めることは、あなたの弱さではなく、あなたの持つ強さの一つだと考えてください。
検査結果を聞くまでは、つい悪い方へと考えがちになり、不安や心配は大きいと思います。この不安や心配は、結果がでるまで完全にとれることはありません。経過観察中の方は、次の検査が近くなれば、また検査と結果が気になるという繰り返しで、気持ちが晴れないとおっしゃいます。
気持ちの切り替え方ですが、結果が出るまではできるだけ気分転換をしたり、何かに気持ちを集中させたりして、検査結果のことは考えないようにしましょう。検査結果が問題なければ、“今回は大丈夫だった”と考えるより“次の検査までは大丈夫だ”と区切りを前に置いてみてはどうでしょうか。次の検査までの間の気持ちの持ちようが軽くなると思います。
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