「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
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悩み
3年以上経過したが、今後、再発・転移するのではないかという不安がある。
22 件の体験者の声があります。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)現在、手術後4年過ぎたが、再発の不安が少しある。
- (患者本人、70代、女性、肺、2003年版)3ヶ月ごとの検診の際は先生の前で絞首台にのぼる心境だが、おかげさまで満4年を迎え永らえさせていただいている。日によって背中に鉄板を背負ったようで重い気分になり、転移を案じて不安な毎日である。
- (患者本人、60代、男性、前立腺、2003年版)3年経過(手術、放射線治療をした)したが、今後の再発がないか、いつ頃か等、他への発生転移しないか(現在血液検査では安定しているが)という不安。
- (患者本人、40代、男性、胃、2003年版)手術後3年経ったが、再発、転移におびえながら生活している。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)4年目になるが、この先また何か他の部位で再発、もしくは新しいがんが出るのではないかとすごく心配である。
- (患者本人、70代、男性、肺、2003年版)手術後約3年だが、やはり再発(転移)が1番である。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)もう3年経つのでいつかは再発するだろうと思っている。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)手術して3年10ヶ月になるが、やはり再発のことを考える。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)3年経過(手術以降)したが、やはりまだ再発が心配である。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)手術後3年過ぎ、経過は極めてよく術前通り仕事をしており、転移、再発の確率は低くなっていると思っているが、なお心配している。
- (患者本人、30代、女性、不明、2003年版)術後3年半経った現在でも、再発、転移への恐怖はなくなっていない。
- (患者本人、60代、女性、肺、2003年版)3年経った今でも、いつ再発するかと不安はある。自分が死ぬことよりも家族を悲しませないためにも再発しないことを願っている。
- (患者本人、50代、女性、卵巣・卵管、2003年版)手術後4年が経過したが、時々思い出したように再発の恐怖に怯える。
- (患者本人、50代、男性、胃、2003年版)術後4年目を迎えているが、この後再発しないのかどうか不安な気持ちでいっぱい。
- (患者本人、40代、男性、肺、2003年版)4年間再発せずなんとか仕事にも復帰できたが、再発の可能性がいつまであるか心配。
- (患者本人、40代、男性、大腸、2003年版)術後4年経つが、再発が恐い。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)がんと診断され4年半になるが、今でも再発の心配があり、いつも不安である。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)もうすぐ術後4年になるが、再発がないかと心配している。
- (患者本人、60代、男性、腎臓・副腎、2003年版)4年経過しているが、いつ再発(転移)するか常に頭の中にある。
- (患者本人、80代、男性、食道、2003年版)3年過ぎ転移はないと言われているが不安がある。
- (患者本人、50代、女性、卵巣・卵管、2003年版)今のところ何の問題もないと言われていても何かにつけて再発のこと頭に浮かぶ。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)丸3年になるが、1番は他に転移しないかどうかが気になることである。
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【不安との折り合い】
再発の不安は、がんを経験された方のほとんどが感じています。こみあげてくる不安や恐怖が抑えられなくなり、涙を流してしまうこともあるかもしれません。それは、ある意味では、がんという病気に向き合うための、あなたのこころや体の自然な反応です。こういった不安が薄らいでくるまでは、とても時間がかかるものです。そして、いったん不安が薄らいでも何か症状があったときや、同病者の再発や訃報を聞いたときなど、生活している中でのいろいろな出来事のなかで再び強い不安を感じてしまうこともあります。
その一方で、不安とどこかで折り合いをつけて、自分らしい生き方を探し出すことができた患者さんもたくさんいらっしゃいます。
不安と折り合いをつける方法は、人それぞれ違います。それは、これまでの人生の中で、自分の中で育ててきた『強さ』の種類が、人によって異なるからです。
『恐れの対象に、毅(き)然(ぜん)として立ち向かっていくこと』は、もちろん『強さ』の一つですが、それがすべてではありません。『つらいことが過ぎ去るのを耐えて待つことができること』や、『問題から目を反らして楽しいことを考えることができること』もまた、その人のかけがえのない『強さ』なのです。
あなたの本当の強さは、なんでしょうか。これまでの人生を振り返って、大きな苦難を乗り越える時に、自分がどうしてきたか、考えてみてください。また、あなたが大切にしている人や物事を、ノートに書き出してみてください。大切な何かのためには、あなたは自分が考えている以上の力を発揮できるかもしれません。
そして、時間をあなたの味方だと考えてみてください。一般的には、時間が経つごとに、その分だけがんの再発の可能性は少なくなります。また、再発に対するあなたの不安も、薄皮がはがれるようにして、少しずつ、自然に癒されていくはずです。
もし、強い不安が頭から離れない時には、精神科医、心療内科医、心理療法士などのこころの専門家や、相談支援センター(よろず相談)や医療相談室にいる相談員に相談してみてください。話をすることで、自分がどれだけ重荷を抱え込んでいたか、はじめて気づくこともあります。誰かに助けを求めることは、あなたの弱さではなく、あなたの持つ強さの一つだと考えましょう。
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