悩み

手術した側の腕(脇の下、腕、手の甲など)のむくみがでてきて、悩んだ。後遺症については事前の説明がほしかった。浮腫の治療のリンパドレナージやスリーブ等の保険適用がなく自費で苦しい。
1 件の体験者の声があります。

助言

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【情報を集めて今後のことを考えていくようにしてみましょう】

以前、乳がんの手術はハルステッド手術と呼ばれる手術が一般的に行われてきました。これは、乳房、大胸筋、小胸筋、わきの下(腋窩部)のリンパ節をすべて切除する手術です。この手術は大きな手術で、手術後に腕の動きが悪くなったりむくんできたり、外見的な変化も大きく患者さんにとってはからだの面だけではなくこころにも大きな負担のある治療でした。しかし、その後、様々な研究や調査が行われ、がんの治療も進歩してきました。また、生活の質(QOL)を大切にしていく考え方が医療の中にも入ってきて、ただがんを治すのではなく、生活の質をできるだけ維持できるように、からだへの負担がなるべく少なくて済むような治療方法が開発されてきました。
現在では、乳房温存療法と胸筋を温存する非定型乳房切除術が標準的な手術の術式です。

事前に何の説明もなかったまま、突然に腕がむくみだしたら動揺やショックも大きかったと思います。
事前に説明がなかったのは残念なことですが、過去に関しては変えようがありません。つらい気持ち、くやしい気持ちはあるかもしれませんが、むくみに対して、今後どのように自己管理していけばよいのかという先のことを考えていくようにしましょう。
乳がんでわきの下(腋窩部)のリンパ節郭清術を行ったときのリンパ浮腫の頻度は、これまでの報告されたなかでも10~50%台とばらつきがありますが、手術方法が改良され、以前よりも少なくなってきていると言えます。

関係する方々の熱心な啓蒙運動によって、身体的・精神的なつらさや日常生活等への影響などが社会の中でも少しずつ認知されるようになってきました。
現在では、リンパ浮腫の治療やケア、指導を行っている施設も増えてきています。インターネットで『リンパ浮腫外来』で検索すると、ずいぶんリンパ浮腫外来が増えてきていることがわかります。
また、2008年度からリンパ浮腫の弾性着衣に関して保険適用となりました。近年、普及してきているリンパ浮腫に関する『複合的理学療法』は今回は保険適応にはなりませんでしたが、リンパ浮腫予防のための『リンパ浮腫指導管理料(入院中1回)』というのが、新設されました。


 
【リンパ浮腫に関する保険適用】

2008年度の診療報酬改訂で、リンパ浮腫に関して保険適用となりました。わきの下(腋窩)や骨盤腔内の広範なリンパ節郭清術を行ったがん患者さんの術後に腕や足に起こるリンパ浮腫がひどくなるのを予防するための弾性着衣(弾性ストッキング、弾性スリープ、弾性グローブ)などを購入する費用を支給することになりました。
支給対象となる疾病は、リンパ節郭清術を伴う悪性腫瘍(悪性黒色腫、乳腺など腋窩部のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍、子宮悪性腫瘍、子宮付属器悪性腫瘍、前立腺がん及び膀胱をはじめとする骨盤内のリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍)の術後に発生する四肢(腕や足)のリンパ浮腫です。

手続きは、まず保険者(保険証に記載してあります)から指示書を取り寄せ、担当医に『弾性着衣等 装着指示書』の作成を依頼します。弾性着衣を購入時、領収書をもらっておきます(領収書は『弾性着衣等 装着指示書』の記入日より後に発行されたものが有効となります)。
保険者に『療養費支給申請書』、『弾性着衣等 装着指示書』、領収書を提出します。このとき印鑑、口座番号がわかるものが必要になります(詳しくは各保険者にご確認ください)。

療養費に関しては、いったん代金を全額自分で支払い、その後保険者から自己負担額を差し引いた金額が払い戻されます。

一度に購入する弾性着衣は、装着部位ごとに2着までになります。前回の購入から6ヶ月後以降に再度購入した場合は、療養費の支給対象になります。製品の着圧は30mmHg以上の弾性着衣が支給対象です。ただし、関節炎や腱鞘炎で強い着圧では支障をきたす場合は20mmHgでもよいことになっています。

療養費としての申請費用は、下記金額を上限として、購入費用の範囲内になります。
◎ 弾性ストッキング 28,000円(片足用は25,000円)
◎ 弾性スリーブ 16,000円
◎ 弾性グローブ 15,000円
◎ 弾性包帯 上肢 7,000円、下肢 14,000円
ただし、弾性包帯に関しては、弾性ストッキング・弾性スリーブ・弾性グローブを使用できないと医師の指示がある場合のみが対象となります。

申請に関してわからないことがあれば、病院の相談窓口、あるいは保険者にお問い合わせください。


 

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