「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

抗がん剤治療の副作用で、脱毛や爪の変化など外見が変わってしまい、人に会うのがおっくうで、家にこもりがちになった。
1 件の体験者の声があります。

助言

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【できることから、こころとからだを慣らしていく】

脱毛、皮膚の黒ずみや乾燥、爪の変化など外見の変化というのは、とてもつらいものです。けれども、これらは、治療が終了すれば時間とともに改善してきます。ですから、それまでの期間をどのようにしていくかを考えてみましょう。
治療がすべて終了するまでの長い期間、家にこもってばかりでは、かえって気が滅入ってしまったり、よけいに、こういった外見の変化のことばかり考えてしまいがちです。また、家にこもっていても、人がくれば対応せざるをえないこともあります。家事を行っていたり、一人暮らしのときには、買い物にも行く必要があります。

そこで、できることから、こころとからだを慣らしていきましょう。
事前にできることを準備したり、実際に行ったりすることで、心構えも変化してきます。副作用を理解したり、副作用に対応するための準備をすすめていくことは、こころの準備もすすめることになります。
いつ頃から、どういった副作用が出てくるのか、副作用に対してはどういうふうに対応していけばよいのかなど、一つ一つ情報を集めたり、必要な物品を準備したりしてみましょう。
また、外出も少しずつからだとこころを慣らしていくようにします。買い物が必要なときは、最初は人が少ない時間を選んでもよいでしょう。見知った人の眼が気になるようでしたら、人の視線が少しずつ気にならなくなるまで、少し離れたお店に行ってもよいかもしれません。


 
【清潔と保護】

脱毛、皮膚の変色や爪の変化が起こるときは、頭皮、皮膚、爪など敏感になったり弱くなっています。清潔を心がけるとともに、スキントラブルをできるだけ防ぐために、皮膚や爪は、ハンドクリーム(栄養クリーム)などでマッサージしたり、保湿・保護していくようにしましょう。クリームや石けん、シャンプーなどは無香料など刺激の少ないものを選びましょう。また、手足の爪を保護するために、やわらかい綿などでできた手袋やゆったりした靴下などをつけてもよいでしょう。


 
【自分でできることを実行してみる】

脱毛が起こりやすい抗がん剤の場合、治療や副作用の説明があったときから、できることを準備してみましょう。脱毛が始まってからも、髪や地肌をいたわるためにできることを実行してみましょう。

1. 脱毛が起こる前にできること
かなりの確率で脱毛が起こる抗がん剤を使用する場合で、かつらの購入を考えているようであれば、事前に自分の頭の写真をとっておきましょう(正面、側面、後ろ側)。こうしておくと、実際にかつらを購入するとき、あるいは購入したかつらを整えるときに、今までの自分の髪型に近いものを選ぶことができますし、購入先で相談する際にも役立ちます。
また、脱毛が始まる前に、髪を短く切っておいたほうがよいでしょう。脱毛が始まると、髪を洗ったときなどに髪がからまり、ほぐれなくなることがある(最終的には、その部分を切らざるをえなくなります)ので、からまらないようにするためです。また、ヘアカラーやパーマは、刺激になるので、やめましょう。

2. 脱毛中のケア
脱毛中は、頭皮も敏感になっているので、低刺激のシャンプーを使用し、こすらずに、優しく洗い流すようにしましょう。リンスやトリートメントは、基本的に髪に対して使用するものなので、頭皮を中心に洗い流すときは、お湯や低刺激のシャンプーだけで構いません。ドライヤーも刺激になるので、できるだけ控え、かけるときは冷風にしましょう。育毛剤も刺激になりますので、脱毛中は使わないようにしましょう。
また、脱毛は髪の毛だけではなく、眉毛・まつ毛・鼻毛などの体毛にも起こります。鼻毛がないと、鼻の中が乾燥し粘膜がいたみやすくなるため、外出時などはマスクなどを使用するとよいでしょう。眉毛は、眉ずみなどで書き、まつ毛がないと眼にごみが入りやすいため、注意しましょう。
かつらや帽子を選ぶときは、よく検討しましょう。
かつらは、借りることもできますが、手続きや申し込みから届くまでの期間などもあるので、借りることを検討しているときは、事前にホームページで確認しておきましょう。
かつらを購入するときは、1)自分にあった素材を選ぶ、2)自分にあったスタイルを選ぶ、3)自分にあったカラーを選ぶ、4)価格を検討する、5)商品の機能特性を確認する、ことが大切です。
どこで、かつらを購入したらよいかわからないときは、かかっている病院の看護師や相談室に相談してみましょう。そこでもわからないときには、お近くのがん診療連携拠点病院の相談支援センターに相談してみましょう。
帽子を選ぶ場合、生え際が気になるときは、つばの広い帽子を選びましょう。ご自宅では、スカーフやバンダナを使ってもよいかもしれません。なかには、帽子にかつらのような毛がついたタイプのものもあります。


 

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