「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

食べ物が気管に入りかけたり、喉にひっかかったりして咳き込むことが辛く、呼吸困難になることもある。
1 件の体験者の声があります。

助言

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【嚥下障害とは】

嚥下障害とは、食べるとむせたり、飲み込みにくくなったりして食べることが困難になることです。嚥下障害は加齢や体力低下、治療の影響によって起こります。
うまく飲み込めずに、食べ物が気管や肺に入ってしまうと(誤嚥:ごえん)、窒息や肺炎を起こすことがあるので、大変危険です。

飲食物を飲み込むというからだの仕組みは複雑です。飲食物が咽頭に入ると、鼻、気道との通路がふさがれ、食道が開いて胃に送り込まれていきます。この複雑な協調運動のどこに原因があるかによって、対処法は異なります。
咽頭筋の収縮が不十分であれば、あごをひくと飲み込みやすくなります。一方、食べ物を後方に送り込む舌の力が弱いときには、あごを上げるとよいです。
食事の飲み込みに困られているなら、担当医に相談して下さい。飲み込みに関するリハビリの専門家として、言語聴覚士がいる病院もあります。原因別に、食事のときの姿勢や、飲み込むコツを教えてもらうとよいでしょう。

姿勢のほか、食物の形態も飲み込みに関係します。サラサラしたもの、あるいはドロドロしたもの、どういった飲食物が摂りやすいかは、患者さんご自身がよく把握されていると思います。


 
【食べやすくする工夫・対応】

飲み込みにくいものは、ひと手間かけて安全な食事を心がけましょう。
飲み込みにくいもの別に、食べやすくする工夫・対応をまとめました。

(1)サラサラした液体(水、汁もの)
とろみをつけましょう。
 ○市販のとろみ剤を利用する
 ○片栗やくずを使う
 ○粘りけのある食材を使う

(2)バラバラするもの(口の中で小片となってばらけるもの)
まとまる工夫をしましょう。
 ○あんでとじたり、とろみをつけたりする
 ○ゼラチンや寒天で固める
 ○つなぎをいれる

(3)パサパサするもの(パン、ふかしいも、ゆで卵の黄身、焼き魚)
適度な水分・油分を加えましょう。
 ○煮たり、蒸したりする
 ○あんでとじる
 ○マヨネーズなど油脂類を加える

(4)かたく、かみにくいもの(こんにゃく、イカ、こぼう)、はりつきやすいもの(のり、わかめ、もち)
 ○繊維質を断つなど、切り方を工夫する
 ○やわらかくする下処理をする
 ○他の食べやすい食材に混ぜる
 ○肉はひき肉を利用するなど材料を考える
 ○無理なものは控える


 

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【がん相談支援センター】
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