自分の助言集をつくる
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一般に、手術や薬物療法などの治療によっていったん低下した体力や体の機能は、時間が経つにつれて徐々に回復していきます。
ただ、人の体には個性があり、必ずしも担当医の予想通りに体力が回復するとは限りません。
そんなときには、焦りは禁物です。
つい過去の自分と比較して、“以前はこんなにすぐ疲れなかったのに”、“今まであんなに簡単だった○○ができない”等考え出し気持ちが沈んでしまい、“あれもできない”、“これもできない”といつのまにか『できない自分』ばかり数えてしまいがちになります。
けれども、手術を受けた直後、薬物療法でとてもつらかった時期、一つひとつ目の前にある課題を乗り越えてきた自分がいるはずです。
また、がんになったことで、これまで無理しがちだった部分を改め、からだとこころに負担をかけすぎない、ちょっと余裕を残すくらいのペースを意識して生活を送るようになったという方もいらっしゃいます。あるいは、これまでは忙しさや面倒くささを理由に受けていなかったがん検診などの各種検診を積極的に受けるようになったという方もいらっしゃいます。どちらも、がんになったことで、これまで意識していなかった『健康』に眼を向けるようになり、からだとこころにプラスの要素が加わっています。
ナイチンゲールは、健康とは、よい状態をさすだけではなく、持てる力を最大限に活用している状態をさすと言っています。
医療技術の進歩に伴い、病気をもちながら生活する人々が増えています。生活の価値観が多様になっている現在、いかに自分らしい生活を送るかが重要といえるでしょう。
その人らしさは、これまでの生活体験や人間関係などからつくり出されます。過去の経験は今後に活かされていきます。いろいろなことを経験して、歳を重ねるごとに、ますますその人らしさが際だってきます。
これまでを振り返り、自分が生活のなかで大切と思うことを考えてみて下さい。自分らしさと、持てる力を確認できると思います。
本来のからだの働きを整えるためには、バランスのよい食事を摂ったり、運動と休息のバランスを見直してみたりすることが大切です。リズムの乱れを受けとる感覚を高め、体調に変化を感じた場合、早期に調整するよう心がけましょう。
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