自分の助言集をつくる
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口周囲の放射線治療により、口のなかに炎症が起きたり、唾液が少なくなったりすると、思うように食事がすすまないことがあります。
食事について、『味』、『におい』、『温度』、『食感』の点から考えてみると、工夫のポイントが見つかりやすいように思います。
治療開始後、まず味の変化を感じると思いますが、味とにおいには相互作用があることが知られています。実際、患者さんから、「においが強いと味を感じやすい」「妻が作る食事は、私の好きなものを知っているせいか、味がわかる」という声も聞かれます。
個々の患者さんの味覚の変化に合わせて、だしなどで味をはっきりさせる調整をすることが基本ですが、においから味を連想しやすい食事を試してみるのもよいと思います。
遅れて、口のなかの痛みや唾液減少の症状がでてきたときには、水分が多くやわらかい、口当たりのよい食感のものが食べやすくなります。食事はさましたほうが、口の中の痛みがやわらぎます。この頃には、においの強いものはだめと言われる方が多いようです。
これらは一般的な傾向であり、食事には、個人の好みやこれまでの食習慣の影響がかなりあります。症状の程度や食の好みに合わせて、いろいろ試してみてください。
口の中には、もともとたくさんの雑菌(細菌)が存在します。本来なら、唾液が自然と口の中をきれいにしてくれたり、歯磨きやうがいで口やのどをきれいにしたりしています。
しかし、治療により唾液が出にくくなったり、口の中やのどの粘膜がただれて痛み、歯磨きが十分にできなくなったりすると、口の中の雑菌が増え、感染を起こすことがあります。食事の前後にうがいや歯磨きをし、口の中をいつもきれいに保つよう、心がけましょう。
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