「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
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悩み

抗がん剤投与の副作用による便秘に悩んでいる。
3 件の体験者の声があります。

助言

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【時には薬も使いながら調整しましょう】

便秘というのは、便が長いあいだ腸のなかにとどまり、便のなかの水分が減って便がかたくなった状態で排便が困難な状態をいいます。
便秘を起こしやすい抗がん剤のなかには、オンコビンR(Rは薬の商品名をあらわします)、ビンブラスチンR、ナベルビンRなどがあります。また、抗がん剤ではないのですが、抗がん剤治療の際に吐き気止めで使用されるHT3受容体拮抗剤(ゾフランR、カイトリルRなど)でも便秘が起こることがあります。抗がん剤による直接的な影響だけではなく、治療による消化器症状で食事量や水分量が減少したり、だるさから横になっている時間が長かったりということも便秘の原因の一つです。

便秘に対しては、一般的には、食物繊維の多い食品をとる、水分補給を心がける、適度な運動を行い腸蠕動を促す、おなかをマッサージするなどが試みられています。
ただし、抗がん剤治療で吐き気や食欲不振が強いとき、まただるさが強いときなどは無理をせず、できることを行っていきましょう。
たとえば、
◎ 便意がなくても毎朝、朝食後(胃ー結腸反射が起こりやすい)にトイレに行き排便を試みてみましょう。食事が食べられないときでも、毎日決まった時間にトイレに行く習慣を身につけましょう。
◎ 横になったままでもかまいませんから、おなかのマッサージをしてみましょう。

抗がん剤治療中は前述したように、様々な要因で便秘が起こります。便秘がひどくなると、それが原因で吐き気や食欲不振がひどくなることもありますから、緩下剤などの薬剤の使用も担当医に相談してみましょう。
便通を整えるために便をやわらかくする薬や腸の動きをよくする薬などを処方してもらったときは、便の状況をみながら、便の薬を調整しましょう。下剤の効き目には個人差があります。最初は寝る前に、処方された量を飲んでください。コップ一杯ぐらいの少し多めの水で飲むとよいでしょう。排便がみられなければ、少し多めに調整してみてください。下痢になってしまったら、薬を減らすか、日を空けて飲んでください。薬の袋に書いてある下剤の量は目安ですので、下剤の量を増やしたり、減らしたりして、自分にあった量に調整してください。


 

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