「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

手術後、発音がうまくできず、言葉が言いにくくなり、困った。
6 件の体験者の声があります。

助言

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【舌がん術後の障害について】

舌は会話をしていくための動きや音を作り出す筋肉でできています。舌がんの場合、がんの進行度によって切除する範囲が異なります。舌の1/2程度の切除では発音の障害(構音障害といいます)や飲み込みに関する障害は軽いのですが、切除する範囲が深く広くなるにつれてこれらの障害の程度が強くなります。
舌がん術後の構音障害の特徴として、タ行、ダ行、カ行、ガ行などの発音の明瞭度が低下しやすいといわれています。また、母音ではイの発音が不明瞭になりがちです。これ以外にもくちびるがうまく動かない場合には、パ行、バ行、マ行の発音も不明瞭になります。
このように、舌をどの程度切除したか、再建術を行ったかどうかなどによって、構音障害の状況は変わります。手術後は、このような特徴をふまえて評価をしながらそれぞれの患者さんにあった対応を行っていきます。
舌の部分切除の場合は、数ヶ月で構音障害は軽快してきます。構音障害の著しい改善は、術後6ヶ月から1年ですが、場合によっては長期間改善傾向がみられる場合もあります。


 
【運動機能訓練】

構音障害に対する訓練として、運動機能訓練と構音訓練があります。訓練は、言語聴覚士(ST)を中心に行われます。
運動機能訓練は、残っている舌の部分や舌根部の運動機能、頬や口びるの筋肉による補助的な動きを強化するために行います。
◎ くちびるの運動
くちびるをとがらす(ウと発声)、横に引く(イを発声)
◎ 舌の運動
前に突き出す、左右の奥歯につけるように意識して舌をあげる、舌を左右に突き出す
◎ 下あごの運動
開く・とじる、あごを左右に動かす、左右の口角をなめる、くちびるのまわりをなめる などがあります。


 
【構音訓練】

もう1つの訓練は構音訓練です。構音訓練は簡単な音や障害されていない音から始めるのが原則です。そして、障害のある発音を五十音の発音、単語訓練とすすめていきます。舌の切除で本来の構音動作ができない場合には、舌の代わりに上の歯と下のくちびるでタ行やダ行の発音をつくるなどの方法を行っていきます。また、ゆっくり話す、区切りながら話す、丁寧に話すなど話し方を工夫します。


 

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