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手術で縫合をすると、その部分(組織)はくっついて治っていきます。これを創傷治癒といいます。
ただ、その治っていく過程で、くっついてほしくない部分(組織)がくっついてしまうことがあり、これが癒着です。開腹手術では、90%以上の確率で癒着が起こるといわれています。癒着がどの程度起こるかは、病気や手術の種類、患者さんの体質などによっても異なります。また、癒着が起こっても何も症状がなければ問題はありません。
一方、腸閉塞というのは、小腸や大腸の腸の内側が何らかの原因でふさがってしまって、食べ物やガスなどが通らなくなった状態を言います。開腹手術をすると、腸同士や腸と腹壁がくっつく癒着が起こり、この癒着した部分を中心に腸が曲がったりねじれたり、ほかの腸が圧迫されて腸がつまることがあります。
腸がつまると、腸の中に消化した食べ物やガスがたまって動かなくなり、おなががはったり、腹痛、吐き気やおう吐などが起こります。
前述したように、開腹手術では90%以上に癒着が起こるといわれており、原因よりも、対策を考えていきましょう。
大腸がんの手術をした後、原則的には食事の制限はありません。けれども、食物繊維が多く含まれている食品や消化の悪いものをたくさんとるのは、腸閉塞の原因になることもあるので、控えた方がよいでしょう。
食事は食べ過ぎないように、腹8分めか7分めくらいにとどめ、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。また、暴飲暴食は控えましょう。食事はゆっくりよくかんで食べるようにしましょう。よくかむことは消化を助けることにもつながります。食事に注意していても、腸閉塞を完全に防ぐことはできませんが、できるだけ起こしにくくすることには役立ちます。
おなかが痛くなったり、腸がぐるぐる動く感じがしたり、げっぷが多いなど、“おなかの調子がいつもと違う”、“おなかが何となく変だな”と感じたら、食事を抜いたり食事の量を減らしてみましょう。症状が続いたり、吐き気やおう吐を伴う腹痛があるときは、病院を受診しましょう。
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