「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
「がん相談支援センター」をご利用ください。
悩み
痛みがなかなかとれずつらい。
20 件の体験者の声があります。
- (患者本人、70代、女性、乳房、2003年版)痛みがなかなか取れず悩んだ。
- (患者本人、70代、女性、軟部組織系、2003年版)死への恐怖。痛みとの闘い。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)痛みがあるときなど。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)痛みがある。今はだいぶ少なくなったような気分である。
- (患者本人、30代、女性、乳房、2003年版)髪の毛が抜けてしまうこと。痛みが辛いこと。
- (患者本人、70代、男性、胆道・胆のう、2003年版)痛みからくる悩み。振り返ってみると、なぜ我慢ができなかったのか。看護師、医師、その他の方々に申し訳なかった。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)血尿は少なくなったが、痛みがたびたび起こる。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)痛みと再発の悩み。放射線、抗がん剤の点滴。抗がん剤の薬を受けていたのに2回も再発した。髪が全部抜けた辛さ。
- (患者本人、80代、男性、咽頭・喉頭、2003年版)夜眠りが浅く熟睡できない。時々痛みがある。
- (患者本人、70代、男性、膀胱、2003年版)約30分おきにやってくる痛みはそれは極めてひどかった。こらえようがない程だった。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)痛みと副作用(吐き気、脱毛等)。
- (患者本人、50代、男性、肺、2003年版)痛み、息苦しさがどれくらい和らげられるか。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)痛み、不安、治療費の高さが悩み。
- (患者本人、40代、男性、肺、2003年版)痛みがひどく、眠れない日々が続いた。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)放射線治療を終え退院したが、家事が出来ず、少し動いては横になる毎日で、物を持って歩くことが出来ない。いつも痛みがあり、次はどこに転移するかと思うと不安で眠れない。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)痛み、副作用の苦痛。
- (患者本人、80代、男性、その他のがん、2003年版)痛みさえ解消できれば、他に悩みはない。
- (患者本人、60代、男性、肝臓、2003年版)治療中に痛み、食事ができない等で苦痛を味わった。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)術前には、死亡するのではないかと思った。術後1週間では、痛い、みじめ。術後半年、抗がん剤が体にマッチせず投薬を中止し、アガリクス併用するも、再発を心配する。
- (患者本人、不明、不明、乳房、2003年版)現在も痛みがある。
助言
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【自分で痛みを評価して人に伝える】
痛みのつらさは、本人でなくてはわかりにくいものです。痛みの治療の第一歩は、あなた自身が痛みを評価して、医療者に伝えることです。
ただ、痛みは主観的な感覚なので、ほかの人にわかりやすく表現するのがなかなか難しいことも事実です。
そんな時には、次のように整理しながら話すと、相手に伝わりやすくなります。箇条書きのメモを作っておいて、診察に持参したり、担当医に手渡したりするのもよいでしょう。
○ 『どういうときに痛みが強くなるのか』
○ 『どのあたりが痛むのか』、『言葉で表現するとどういう痛みなのか』(きりきり、ずきんずきん、ずしーんなど)、『痛み止めを使っているとしたらその効果はどうなのか』
○ 『どのくらいの強さで痛むのか』(「全く痛くない」を「0」とし、「耐えられない程痛い」を「10」とした場合、数字でいくつと表現できるか)
○ 『日常生活で困っていることは何か』
【長く続く痛みへの対処】
がんの治療が一段落ついた後、定期的な検査で体に特に異常がないにもかかわらず、痛みが長く続くようであれば、担当医に相談して専門の医師を紹介してもらうことを考えてもよいでしょう。
最近では、『ペインクリニック』、『疼痛外来』、『ペイン外来』などの名称で、痛み治療の専門窓口を設けている病院も増えています。また、痛みの種類や原因によっては、麻酔科や形成外科に相談することが、痛みの解消に役立つこともあります。それぞれの窓口で対応できる痛みとそうでない痛みがあるので、受診する前に自分の痛みの状況を伝えて、対応してもらえるかどうか確認するようにしましょう。
長く続く痛みに対処するためには、毎日の生活の中で、痛みを和らげるための自分なりの工夫をしてみることが有効的なこともあります。そのためには、どんな時に痛みが楽になるのか、『痛みの日記』をつけてみるのもよいでしょう。
痛みがやわらぐ状況は、時間帯、そのときしている活動、取っている姿勢など、人によっていろいろなきっかけがあります。『痛みの日記』をつけることで、“痛いところを温めたら楽になった”、“○○さんとしゃべっている時は痛みを忘れていた”、“よく眠った次の日には痛みが減った”など、自分自身の痛みがやわらぐきっかけに気づくことができます。
その中から、自分にとって一番よかった対処法を、日常生活に取り入れてみましょう。
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