「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの「がん相談支援センター」をご利用ください。

悩み

尿失禁に悩む一方、尿が力を入れ踏ん張らないと出なかったりすることもあり、どちらもこんなものだと思いあきらめている。
1 件の体験者の声があります。

助言

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【子宮がん術後の排尿障害について】

子宮がんで広汎子宮全摘出術を行った場合、子宮の周りを広範囲に切除するために、手術で膀胱の神経が傷ついてしまったり障害を受けたりすることがあり、尿意がない、尿意を感じにくい、尿が出にくい、尿もれなど膀胱機能障害のリスクが高くなります。この膀胱機能障害は、多くの場合一過性ですが、時に排尿障害がずっと続くことがあります。
また、尿もれは手術による影響だけではなく、中高年の女性の場合、加齢による筋力低下などで膀胱と尿道を支える骨盤底を支える力の低下、尿道・膀胱の機能低下などで、腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁などが起こりやすくなります。


 
【排尿日記をつけてみましょう】

排尿日記については、入院中に指導を受け、退院後もつけるように指導を受けたかもしれませんが、ずっと日記をつけることを苦痛に感じたり面倒に思ってやめてしまう人も多いかもしれません。
ただ、現在の自分の尿に関するつらさや問題を人に伝え自分の状況を理解してもらうためには、漠然と「尿のことで困っていて・・・」というだけでは伝わりにくいでしょう。もう少し具体的に自分の排尿状態、日常生活で困っていること、自分が排尿障害に対して現在行っていることなどを伝える必要があります。
日記には
○排尿や尿漏れがあった時間
○およその量(排尿量、自己導尿した場合、残尿量)
○尿意の強さ
○およその飲水量
○尿もれがあった場合、そのときの状況
○その他備考
などをつけてみましょう。とりあえず、3日から1週間くらいつけてみましょう。


 
【排尿障害への対処方法】

◎ 腹圧
十分息を吸って下腹をふくらませ、息をとめていきみます。次に、息を吐くときに下腹に手をあてて圧迫します。ただし、あまりいきみすぎると、膀胱内の圧力があがりすぎ尿が尿管に逆流し、膀胱の変形や腎機能障害を起こすこともあるので、注意しましょう。
◎ 一定の間隔でトイレに行く
尿意が感じにくい場合に、一定時間を目安にトイレに行き排尿するようにしてみましょう。トイレでは、下記のように温水洗浄便座の機能をうまく利用してもよいでしょう。
◎ 陰部にぬるま湯をかける、水の音を聞く
最近は、家庭でも外出先でも温水洗浄便座を設置しているところが多いと思います。温水洗浄便座であれば、ビデの機能を利用して陰部を刺激する、また便座に設置してある「流水音」を利用してもよいでしょう。
◎ 残尿がある場合は自己導尿で
残尿があると、細菌が繁殖して膀胱炎や腎う腎炎になることもありますので、腹圧をかけて排尿しても残尿がいつも100cc以上あるときは、自己導尿しましょう。
◎パッドの種類
尿もれがあるときに、生理パッドで代用する方がいらっしゃいますが、生理パッドは、もともとの目的と異なるので逆戻りしてしまう場合もあり、ニオイも気になる場合があります。尿もれの際に使用する尿もれパッド(尿吸収専用品)を使いましょう。尿もれパッドは尿もれの程度により、5~200cc位と様々な種類があります。


 

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